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2012年6月22日 (金)

遠い記憶の中で  深川俊一郎

写真の記録性と芸術性は、流れる時の中で、いずれその境界線が見えなくなってゆくのでしょうか…
写真にはその時に意識せずとも、その瞬間、その時代を記録した事実が宿命として存在します。
「あの時何故もっと撮らなかったのか」という悔恨の念は、消えていった鉄路や車両のみならず、地形や風土、その瞬間の人々の表情にまで及びます。
写真展ではなかなか発表できず、でも自分にとってとても大切な1枚を、この場を借りて少しずつお見せしたいと思います。


8107

青空の駅

在りし日の、朝の交換駅にて。オホーツク海からは涼しい潮風が吹きわたり、北国の短い夏休みを、青空が優しく包み込む。
「網走行・中湧別行、間もなく発車ぁー」の掛け声に、白いブラウスも眩しい私服姿の学生たちが、駆け込んでゆく。
遠い日の確かな記憶…

minolta XD MC W.ROKKOR 24mmF2.8


8107_3

微風とともに

何もない・・・そんな印象の鉄路。名前に反し、それ以上北に延びることはなかった、北進行。
何もなく、ただ去ってゆくキハ22を撮ったあの日、微風とともに、手を振る子供たちの姿が緑の中で輝いていた。
遠い日の確かな記憶…

minolta XD MD TELE ROKKOR 135mmF2.8


あれから30年、奇しくも仕事で縁があり、この地を毎年必ず訪れています。
今ではその気配すらなくなってしまいましたが、ふと、「ここを列車が走っていたのだ」と思いながら空を見上げるのです。

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