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ご存じ、ドイツのナローでは有名なモリー鉄道である。(前回の「ハルツ狭軌鉄道」はこちらhttp://blog.rail-on.com/2012/08/post-7992.html )
私は何よりSLが好きで、さらに路面電車も好きで、ついでにローカル線(特にナロー)も大好きなので、この鉄道の最大の見せ場、商店街の中の石畳の路面区間(併用軌道)は、琴線に触れるものが3つもそろっているので、もうたまりません。
この区間は、カンカンと鐘を鳴らしながら、ソロリソロリと通過していきます。商店街にいると、遠くから鐘の音が聞こえ、「ああ、汽車がやって来た。」とすぐにわかります。
モリー鉄道の定番の月並みな写真ですが、やはりこういう姿を撮らずにはいられません。煙突の前に鐘があります。
モリー鉄道は北ドイツ、バルト海にほど近いDBのバートドーベランからキュールングスボルン・ウエストまでの約15キロ。商店街の石畳区間はたしかに世界でも他に類を見ない名所だけど、広々とした田園地帯を走る姿もすがすがしい。
線路に沿って遊歩道があり、そこで汽車を待っていると、さっきからサイクリングを楽しむ人が頻繁に走っていく。そういえば列車にも自転車を積む貨物車が連結されていた。今日のような天気のいい日はサイクリング日和だね。
北ドイツは緯度が高く、日本より季節が早い。夏でも晴れれば秋口のような気持ちの良い気候だ。
マッチ箱のような客車が続く、ナローらしい可愛い編成美の列車。
モリー鉄道はターンテーブルがないので、バートドーベランを出発する列車は、SLが逆向きのバック運転。キュールングスボルン・ウエストから戻る列車は前向きの正位置だ。撮影も正面が狙える、戻り列車を狙うことが多くなる。
終点キュールングスボルン・ウエストで出発準備をする汽車。900ミリのナローなので、細身でやや腰高な印象を受ける。
重装備のハルツ狭軌鉄道と違って、こちらは1D1タンク。沿線には大きな勾配区間もないため、軽々と走る。
こちらはおまけ。終点キュールングスボルン・ウエストに展示してあったナベトロと素朴なDL。こういうのもまた、非常に琴線に触れる。自宅の庭に線路を敷いて走らせたい。
もうひとつおまけ。この訪問では近くの港町ロストックに宿泊した。単なる宿泊地のつもりだったが、特徴ある町並みの中をモダンなトラムが走る姿が、またしても大いに琴線に触れた。いつか、この町のトラムをきちんと撮りに行きたい。
まだまだ暑さは残りますが、朝夕は少し凌ぎやすくなりました。賑やかだった夏休みが終われば、やがて平静な日常が戻ってくるのでしょう。
夏の終わりは、一年中で一番寂しいと、今でも思っています。
旧盆の頃
稲に花が咲き、田んぼが黄緑色から薄緑へとゆっくり変わって行く頃、辺りに芳ばしい匂いが漂います。
ゆく夏を惜しみながら、そこには実りの秋への予感があります。
HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
またきなんしょ
おばあちゃんが袋にいっぱいのお土産を提げて、お孫さんの見送りです。
ツクツクボウシが鳴く小さなこの駅に、きっとまた戻ってくることを願って…
HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
さんぽみち
踏切に続く道には、なぜ趣があるのだろう。
きっとそこに列車が去った後の余韻があるからだ。
HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
昨日は千頭でのSL撮影だったが、(こちらhttp://blog.rail-on.com/2012/08/post-fc5d.html) 今日は井川線で奥大井湖上駅を目指す。昨日に引き続き、残念ながら今日も雨だが仕方ない。千頭から奥泉は依然不通が続いているのでバス代行である。千頭を出たバスは大井川を見下ろしながらすいすいと進み、わずか10分足らずで奥泉に到着した。同じ区間を井川線だと30分かかる。ローカル線に平行して新しい道路ができると、鉄道は勝ち目がないな、ということを改めて感じさせられる。
奥泉駅に折り返し列車がやってきた。トンネルの断面積と車両の小ささがたまらない。
土砂降りの中、上下列車が交換する。長島ダム駅
奥泉から先は、お待ちかねの井川線だ。ホームに進入してきた客車の背の低さがムードをかき立てる。ゲージこそ1067ミリだが、まさしくナローの雰囲気である。降り止まない雨の中、小さな列車は名物のアブト区間を越え、奥大井湖上駅に着いた。折からの雨と霧で視界も悪いが、噂にたがわぬ秘境駅だ。目の前は緑深い大井川上流。ホームの両端は鉄橋。見える範囲に人家はない。鉄橋を歩いて渡り、この駅が見渡せる有名なお立ち台まで登る。
乳白の景色の中の赤い列車と鉄橋が可愛らしい。奥大井湖上駅
雨に濡れて、足もとも悪く、悪戦苦闘しながらお立ち台までたどり着いた。霧でかすんでいるが、ここからの眺めはさすがにすばらしい。ホームに立っているより、こちらの方が駅の置かれている自然条件がよくわかる。よくもまあ、こんなところに駅が....と感心する。雨の中、次の列車を待って撮影し、あとは隣の接岨峡温泉駅まで歩く。さらに終点井川まで行くつもりだったが、天気が一向に回復する気配もないため、予定変更して千頭に帰る。
今からならSL列車の出発に間に合う。千頭では、昨日の鉄橋まで急いで歩きカメラを構える。不思議と雨が止んで明るくなった。今日はC11190、流し撮りは手応えがあった。
千頭〜崎平
帰りの電車は元近鉄の16000系。ふっくらしたシートに腰掛けて、まずまずの満足感であった。この二日間、天気には恵まれなかったが、乗って撮ってを堪能した。
それにしてもだ。両親に連れられての初訪問からすでに30年以上。いまだに再訪するたびに、その時の楽しかったことを懐かしく思い出す。子供にとっては、夏休みには「良き思い出」というものがいかに大切なものかと、しみじみ思う。すっかり大人になってしまった、かつての写真少年はそんなことを考えながら帰路についた。
夏が来れば、思い出す....。という歌があるが、僕の場合、それは大井川鐵道である。
中学1年の頃であったか、夏休みに両親にせがんで大井川鐵道に連れて行ってもらった。当時はまだ本線の蒸気運転は行われておらず、小型のクラウスが千頭と川根両国のひと駅区間だけを行ったり来たりしていた。その頃は名古屋に住んでいたので、父の運転するカローラに乗って家族旅行である。千頭の旅館に宿泊し、両親はゆったりとくつろいでいたが、僕は1人でさっそく撮影に出かけ、ペンタックスSPFを持って川根両国との間を歩いて往復した。
たったひと駅だが、わずかながら大井川沿いを走る見晴らしのいい区間もあり、また森をバックに走る場所もあり、線路脇には切り出した丸太が無造作に転がっていたりして、森林鉄道のような雰囲気も味わえた。この時は初めてコダックのエクタクロームXを買ってポジの撮影に挑戦したのだが、帰宅後、現像から上がってきたポジを、光にすかして見た時の美しさは忘れられない。夏の生命力あふれる木々の緑が、実にみずみずしく写っていたのだ。すばらしい発色だった。逆光での木漏れ日の美しさも印象的だった。これはペンタックスのSMCタクマーレンズのマルチコーティングも良かったと思う。紙のマウントに印字された、EktachromeとかKodakという横文字も、なにやら超カッコイイ感じで、写真少年は一発でしびれてしまったのだった。
子供心にもコダック製品の優秀さには感心したのだが、いかんせん、写真少年にとっては値段が高すぎた。その後もいろんな所に撮影に出かけたが、ほとんどはモノクロで、たまに少し安いフジクロームを使うくらいだった。エクタクロームをまた使い始めるのは、ずっと後の写真学校に入ってからである。
そんなわけで、このお盆休みに大井川鐵道に行ってきた。あいにくと新幹線も止まるほどの集中豪雨があって、大井川鐵道も井川線の千頭と奥泉の間で、土砂崩れの危険性があるとのことで不通になってしまった。それでもお目当てのSL列車には乗車できたし、前から行きたかった井川線の奥大井湖上駅にも立つことができた。
旧型客車に渋い電機、木造の駅本屋や味のあるホームの屋根など、大井川鐵道はSLだけでなく、レトロの魅力がいっぱい。
新金谷から乗車した「SLかわね路1号」は、土砂降りの雨でダイヤが乱れた接続列車を待って、約10分の遅れで出発した。
本日先頭に立つのはC5644。客車6両を牽引して千頭を目指す。車内は8割方埋まっている。ほとんどは家族連れでにぎやかで楽しい。いかにも夏休みだ。僕は大井川鐵道の経営者でもないけど、車内が埋まっているとホッとする。大井川鐵道は四季を通じて、さまざまなイベントやグッズ販売などで熱心に経営努力されていて、いつもその姿勢に頭が下がる。こちらも敬意を表してお弁当とSL人形焼きを買う。
雨はやまないが、列車に乗ってしまえば雨の車窓も風情がある。雨に洗われる茶畑、大雨で対岸がかすむほどの大井川を眺めていると、飽きることなく千頭に到着した。駅を出てターンテーブルに向かい、転回するSLを撮影したあとは、千頭駅を出て少し先にある鉄橋まで歩いて陣取る。幸いなことに雨も上がり薄い日差しも出てきた。今回はシンプルにボディ1台、レンズ3本だけで来たのでいたって気が楽である。今日はSL列車は2本なので、1つ目は100ミリ、2本目は50ミリでアングルを変えて撮る。初日としては、まずまずの手応えか。明日は井川線に乗ろう。(この項続く。)
千頭駅は初めて訪れた頃とそんなに雰囲気が変わっていないように思う。大井川に沿ってひらかれた広い構内には、さまざまな留置車両。行き止まりのホームと背後の山も終着駅らしい。
誰もがご存知の碓氷峠「めがね橋」。
横川駅から軽井沢駅まで水平距離9.2km対して、
高低差が553mという、ものすごい高低差。
この区間をアプト式で克服。
当時わずか2年もかからずに完成させたという・・・
かなりの無理があったことは容易に察しがつきます。
いまでは、橋だけでなく、トンネルも遊歩道になっていて、
横川駅から熊野平駅跡まで、貴重な鉄道文化遺産を散策
できるようになっています。
それでは、つわものどもが夢の跡・・・アプト時代にトリップしましょう。
ゆずも、緊張した面持ちです。
すでに固まっているゆず。
めがね橋を渡るとトンネルが続きます。
うーん、緑が眩しい・・・・
しかし、トンネルというより、まさに「隧道」で
一人で歩くにはかなり怖いです。
隧道内は照明はあるものの、かなり薄暗い・・・・
探検好きなゆずも腰が引け気味です。
でも怖いのは、OOではなくで、「猿」なんです。
丸山変電所まであと少しのところで、
猿軍団に阻まれて進軍を断念。
20数匹もの猿に囲まれたら・・・
ゆずも勝ち目ないよね。
ここは大陸。日本人にとってはとても複雑な、積み重ねてきた歴史がある街です。そこを走る昭和の遺物に、誰がどのような感慨を抱いているのでしょうか…
急速な近代化と置き去りにされた片隅との狭間に、異国情緒とは少し違う、何か放っておけない思いを感じています。
駅前通り
一瞬、上野駅前と錯覚しそうなほど、その姿にハッとさせられます。
信号があっても、道路を横断するのは至難の業。
CONTAX T3 Sonnar 35mmF2.8 T*
客待ち
客待ちをしているタクシーはオート三輪。交錯する人々の服装や車をみていると、新旧入り乱れており、この国の急成長を垣間見ます。
CONTAX T3 Sonnar 35mmF2.8 T*
ドイツ中部のハルツ山地には、ブロッケン山という魔女伝説で有名な山がある。読んだことはないけど、ゲーテの戯曲「ファウスト」にも登場するそうで、なんでも年に1度、近在の魔女たちがこの山頂に大集合してお祭り騒ぎをするのだそうだ。
山歩きの好きな人なら「ブロッケン現象」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。霧が立ちこめる朝などに太陽 の光が背後から差し込むと、その人影が霧の中に映し出され、影のまわりに虹色の光輪ができる山の気象現象だ。この山の名前が由来で、こちらでは「ブロッケンの妖怪」と呼ばれて神 秘の山の魔女伝説の元になったらしい。なにしろブロッケン山では1年のうち半分以上は霧が出ており、100日以上は一日中霧が立ちこめるという。
そのブロッケン山に登る有名なハルツ狭軌鉄道。始発駅のヴェルニゲローデ駅のホームには汽車がすでに発車の時刻を待っている。落ち着いた赤い色とクリームのツートンカラーの客車は堂々の8両編成。
すぐ横を走るドイツ鉄道の本線を走る列車よりは一回りくらい小さな車両だ。メーターゲージなのでナローということになるが、汽車はEタンク、山登りにふさわしい力強い形だ。うらやましいのは、こんな小さな鉄道でも食堂車と自転車が積み込める荷物車が連結されていることだ。食堂車ではコーヒーや本場のビールも飲めるし、サンドイッチやソーセージなどの軽食がある。ブロッケン山に登る森の景色を眺めながら一服するのはぜいたくな気分だろう。
ハルツ鉄道はヴェルニゲローデからブロッケン山頂まで34キロ、約1時間40分の汽車旅である。線路はひたすら上り坂。ヴェルニゲローデの標高は234メートル、終着ブロッケン山は1125メートルなので、一気に900メートルほどを駆け上ることになる。
ヴェルニゲローデの機関庫。右2台は主力のEタンク、左はピカピカに磨かれたお宝のBBマレー。
さて、汽車は定刻に発車した。家族連れやカップルなどで車内は賑やかな雰囲気だ。みな自然とふれあうためにやってきた人々だ。ヴェルニゲローデを出発した汽車は市街地の中を15分ほど走った後は、いよいよ山の中へと進路を進める。地形に沿って引かれた線路はほとんど直線がなく、カーブの連続で少しずつ高度を上げていく。山頂近くまでずっと森の中を走るので車窓の視界は開けないが、キラキラと輝きながら移りゆく木漏れ日がみずみずしい。森林の間にこだまする汽笛を聞きながら、右に左にカーブを切る汽車の揺れに身を任せ、心地よい気分に浸る。
次第に上り坂がきつくなり、汽車の排気音も一段と力強くなる。せっかく蒸気機関車が牽引しているのだから、音や煙も全身で味わいたい。車内でおとなしく座っているのがもったいないので、カメラを持ってデッキに出てみた。汽車の魅力を存分に味わうならデッキは特等席だ。男の子を連れたお父さんがいて、子供もうれしそうだが、なによりお父さんの表情が心から楽しそうである。小さな汽車旅は大人も少年の心に帰ってしまうのだ。
終着のブロッケン山は意外なほど殺風景なところだった。駅の前にはさえぎるものは何もなく、幸いにして名物の霧も出ていなかったので、目の前に雄大な風景が広がっている。乗客は、しばしたたずんで下界の景色を眺める人、装備を確かめハイキングに出かける人、マウンテンバイクを持ち込んでのサイクリングを楽しむ人など、列車が到着したあとには三々五々、人々は散らばっていく。夏でも風が強く肌寒い日もあると聞いていたので、覚悟して厚着をしてきたのだが、今日は拍子抜けするくらい穏やかな日だ。アウトドアを楽しむ人にとって、きっと楽しい一日になるだろう。
ブロッケン山はまだドイツが東西に分かれて存在していた頃、国境が引かれていた場所だ。山頂には東側の軍隊の国境警備基地があって、このあたり一帯は一般人の立ち入りは厳しく制限されていたという。今でこそ山岳リゾートとして多くの人が訪れるが、当時は張り詰めた空気が支配する別世界だったのだろう。
ハルツ鉄道も長らく運行を休止していたが、東西ドイツ統一後、1992年から念願の再開を果たし現在に至っている。今日のようなのどかな天気の日に、そんなきびしい時代のことを想像するのはむつかしいけれど、平和のありがたみを感謝しつつ、僕も歩き始めた。
房総半島の小さな鉄道にとても暑い夏がやってきました。
そこここにあるささやかな探し物に、どこか懐かしい夏の風情を感じます。
夢心地
涼しいところみっけ!
親猫たちは、昼間は全く姿を消しますが、暑さを知らない子猫たちは、木の上で昼寝です。
HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
ひぐらしの駅
降りると蝉時雨が迎えてくれる、トトロの駅。
そこはお話の国への入り口なのでしょうか?
HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
夏の夜の夢
小さな町の、とてもささやかな花火が夏の夜空を彩ります。
小さな鉄道も臨時列車の増発です。
HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T*
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