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2012年10月 1日 (月)

ナローゲージの電車 近鉄内部八王子線 三岐鉄道北勢線   服部一人

内部八王子線には思い出がある。
当時は名古屋に住んでいたのでご近所なのだが、中学1年の時に初めて訪れた。大切にしていたペンタックスSPFにSMCタクマー55ミリだけのシンプルな機材。今では小学生だってデジ1にズームレンズを使うだろうが、当時の中学生としては、まぁこんなもんだ。

その日は終点内部まで乗って到着後ホームで写真を撮っていると、いま乗ってきた電車の運転手さんが
「写真撮ってんのかぁー、おっちゃんも撮ってくれやー。」
と親しげに話しかけてくれた。電車の前で1枚撮影したが、子供で知恵が回らなかったのか、名前や住所を聞くでもなく、向こうのおっちゃんも別に何か言うでもなく、さっさと行ってしまった。その場はそれだけのことだった。
あとで現像して気に入った写真を何枚か暗室でプリントしているときに、このおっちゃんの写真も、ご本人に差し上げなくてはいけないような気がしてきて1枚プリントした。

数ヶ月後、自分でプリントした黒白写真を持って、また内部に行った。しかし名前も知らないので、当時はまだ有人駅だった内部の駅員さんに写真を見せて事情を話した。すぐに
「あー、○○さんや。次の電車で来るから、ここで待っときなさい。」と言われた。

お目にかかって写真を手渡すと、おっちゃんも予想外だったのか、たいそう喜んでくれた。この運転手さんはすぐ折り返し列車に乗務するので忙しいのだが、「ちょっと待っててやー。」
と言って駅前にあった雑貨屋に入っていった。戻って来るとジュースや缶詰やお菓子などを「写真のお礼や。」と言って僕にくれた。
僕は写真1枚でこんなにお土産もらってしまって深く恐縮したのだが、喜んでもらえたことがたいへんうれしかった。

この当時の内部八王子線はまだ旧型車ばかりで連結器もピンリンク式だった。短いながらもナローのローカル電車の風情が満載のいい鉄道だった。いまでは遊園地のようなカラフルな車体ばかりだが、小型の電車なので、これはこれで似合っているのかもしれない。最近、近鉄が廃止の可能性も示唆した発言をしたあとだっただけに、今日は平日とはいえ何人かファンの姿を見かけた。また真夏に戻ったかのような暑さだが、カメラを持ってせっせと歩く。


P1000277

電車は変わったが、分岐駅の日永の三角ホームは昔のままだ。ここに2列車が到着し、交換していく。


_2012_09_24_002
今回の機材は単焦点レンズ3本。最近までズームレンズを使うことが多かったのだが、近頃スタイルを変えた。理由は、まぁ気分だ。ズームレンズはちょっと飽きた。しばらく、これでやってみる。
フルサイズのボディに50ミリと100ミリ、それからマイクロフォーサーズに14(28)ミリ。三脚も持たない。
走行写真は一眼レフで撮って、広角はスナップショット用だ。手のひらにのるほどの小型のマイクロフォーサーズに、14ミリのパンケーキレンズは実にコンパクト。これに光学ファインダーをつけて使っているのだが、手に持ったときの感触は、一眼レフからライカに乗り換えたときのような身軽さを強く感じる。


P1000273

日永〜南日永

P1000265

日永〜南日永

P1000236

内部〜小古曽

北勢線はどこに行こうか迷ったけれど、結局いつもの有名な3連アーチ橋がある楚原〜麻生田に来てしまった。太陽が少し傾いてきていい感じになってきた。三岐鉄道色の黄色い電車が青空によく映える。電車は近代化したけれど、ここのロケーションは相変わらずすばらしい。電車に乗っていると楚原を発車して短い切り通しを抜けると、パッと視界が開けて広々とした景色に変わる。気持ちのいい場所だ。


2012_09_13__0043

P1000307


P1000316

         
 3枚とも楚原〜麻生田

Canon EOS5DMk2 EF100/2.8  Makro Planar50/2   Panasonic LumixGX1 LumixG14/2.5


撮影のあと関西本線で名古屋まで出て、すぐに新幹線に乗った。先ほどまでのガタゴト揺れる小さな電車の余韻をまだ体の中に残しつつ、時速270キロで深夜の東京に向かう。

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