冬本番 いざ行かん津軽鉄道 ストーブ列車へ 服部一人
東京でもめっきり寒くなり、小雪が散らついたりするようになると、旅の気分は一気に北へと向かう。目指すは津軽鉄道、かのストーブ列車です。
雪国の冬は本当にたいへんなのだが、僕のように街で暮らす人間は北国の冬というと、勝手にロマンチックな想いをはせる。
一面の銀世界をゆくストーブ列車、視界もままならぬ地吹雪の中のヘッドライト、腰も埋まるほどの豪雪、津軽鉄道は期待を裏切りません。全部あります。
いままでに4回訪問しているけど、そのうちの3回は雪の季節でした。申し訳ないと思いつつ、旅人の勝手な旅情を満たすには冬の津軽鉄道はぴったりです。
ストーブ列車に乗るには多少の追加料金が必要です。地元の人は1両連結されたレイルバスの方に乗るので、ストーブ列車の車内は、明らかによそ者の僕のようなお気楽な旅行者ばかりです。車内にはほのぼのとして暖かい雰囲気が満ちています。アテンダントのお姉さんがいて津軽の世間話をしてくれるので、みんな楽しそうです。
車内販売のスルメを買ってストーブであぶっていただき、ぬくぬくとしながら真っ白の車窓を眺めていると、もう気分満点です。これぞ雪国の旅情です。お酒も売っているので、こちらも一緒にいただくと、さらに旅情は数倍アップしますが、今日はこれから途中下車して雪原での撮影が待っているので、酔っ払って足元が狂うといけないので自重しました。
津軽の冬は本当に厳しいけれど、津軽鉄道で一日堪能して東京に戻る時には、来年の冬もまた来ようという気分になっています。旅人の勝手な想いを受け止めてくれて、津軽は優しいです。
五所川原で跨線橋を渡り、津軽鉄道のホームに立つと、すでにそこはバリバリに凍っています。「歓迎」の文字もうれしく、いやが上にも気分は盛り上がります。
元西武の電車を改造した客車もすっかり雪に埋もれています。
車内の調度も言うことありません。自分の部屋の内装にしたいくらいです。
降った雪と屋根から落ちた雪とで壁のようになっています。このあたりまでは天気がよかったのですが、冬の津軽は天候が急変します。
芦野公園で撮影する頃には、すっかり薄暗くなり小雪も降り始めました。
どんよりと曇った空に、地吹雪で氷雪が張り付いた客車。絵に描いたような雪国の冬。
この旅では、青森県立美術館で津軽の有名な写真家、小島一郎の写真展を見ました。冬の津軽の重い写真は、雪で真っ白になった地元の美術館で見ると、また格別のものがありました。
Canon EOS5D Mk2 24-105/4 2012 Jan.
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