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2013年1月25日 (金)

雪の鉄橋を見に  富山地方鉄道   服部一人

新幹線とほくほく線を乗り継いで富山に向かう日は、東京は冬らしい快晴の朝だった。
新幹線が高崎をすぎ、トンネルを越え上毛高原にいたる頃には車窓はすっかり白くなり、乗り換えの越後湯沢に到着する時には吹雪になっていた。乗り換えた特急はくたか号は、ときおり視界もかすむ白い世界の中を進む。車窓から見える民家の屋根には厚い雪がのっている。途中、十日町をすぎる頃から強風はますます激しく、雪は真横に飛ばされるように流れていく。はくたか号は徐行を余儀なくされ、約25分の遅れで富山駅に着いた。東京から富山に移動する間に、まるで季節が変わっていくような車窓風景だった。 

翌朝、雪はやんだものの昨日までの降雪で道路は白い。路地裏のビジネスホテルから富山駅に行くまでのわずかな距離でも、雪に足を取られてけっこう難渋した。この時期、快晴を望むことはどだい無理な話。昨日の吹雪を思えば、降雪がないだけでもありがたいことだと思い乗車する。富山を出た電車は分岐駅の岩峅寺までは人里の中を走るが、ここをすぎるとしだいに勾配もきつくなり、山間に分け入っていく。乗客もまばらになった車内にモーターの音がうなる。

今回のお目当ては、有峰口と千垣の間にある深い谷をわたる鉄橋。薄日もさすようなまずまずの天気のもと、有峰口で降りたのは僕ひとりだった。駅前には小さな集落があり、せっせと道路の雪かきや屋根の雪下ろしをする方々の姿が見られた。今日のような、雪もやんで風も静かな日は無駄にできないのだ。目的の鉄橋までは道路沿いに歩いて15分程度。近いものだが、除雪されて脇に追いやられた雪が歩道を完全にふさいでいる。やむなく車道の端を注意しながら歩いて、鉄道の鉄橋と平行する道路橋の真ん中まで来た。

まずやることは撮影場所の確保だ。歩道に寄せて固められた60センチほどもありそうな雪を手でつかんで、ドサドサと谷底に捨てる。あとは足で踏み固めてひとり分のポジションは確保した。今回の機材は昨年暮れから運用に入ったフジのX-E1に18-55(27-85相当)のズーム。昨年秋に、撮影スタイルを変えてズームはもう飽きたという記事を書いたばかりだった。(こちら→http://blog.rail-on.com/2012/10/post-0fd9.html ) 半年もたたずしてズームに戻っている。節操のないことですいません。カメラを買ったらキットレンズでついてきました。使ってみるとなかなか性能がいいので重宝しています。でも言い訳がましいのですが、今回はちゃんと単焦点レンズもきちんと持ってきています‥‥。

35ミリと100ミリで2本の列車を撮影。目的を果たして気がすんで、今日の仕事の大半は終わったような気分になった。午後はおまけみたいな気楽な考えで本線の魚津の方へ移動。気まぐれで浜加積でおりる。ここは平行する北陸線を走っていると車窓にぽつんと小さな駅が建っていて、少し気になっていた。おりてみたところで、車窓から見た通りの特に何もない小駅。木造駅舎には小さな待合室があり、富山地方鉄道ではどの駅のベンチにも座布団が敷いてある。ここに座って読書をしながら時間つぶしして2本の列車を撮影した。だんだん寒くなってきたので早めに帰ることにする。富山市内に戻ってトラムを軽く撮影。夕方のはくたか号に乗って東京に戻る。車窓はまた吹雪になっていた。


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_dsf1885_4                  岩峅寺

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あたりがすっかり雪化粧したなかで川の流れだけが黒く、墨を流したように見える。 有峰口〜千垣

 

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雪の壁に音が吸収されて、無音のまま突然電車が現れた。 千垣 

 

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寺田は線路が分岐したところに三角ホームがある駅。近鉄の内部八王子線の日永駅のようだ。

 

2013_01_19__0141

富山地鉄は多彩な車両も楽しい。こちらは元西武の特急電車レッドアロー号。

浜加積

Fuji X-E1 XF18-55/2.8-4    Canon EOS5DMk2   Distagon35/2

 

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コメント

はじめまして、服部さんは精力的に撮影されますねー富山地鉄は写欲がそそられますよね~

昭和鉄道少年 様
こんにちは。いつもご覧いただきありがとうございます。仕事柄、出張が多いので、それに便乗してあちらこちらでかけています。
富山地鉄は宇奈月温泉の方にはまだ行ってないので、次回はそちらに出かけてみます。いまはネパールに来ているので、こちらで唯一の短い鉄道があるので今回の滞在中に行ってみたいと考えています。

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