ゆずとCameraとAOR(1) 伊勢新一郎
寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、前回までの3回の
記事は、1970、80年代の音楽から着想を受けて作成しています。
ということもあり、閉じこもり気味のこの季節に、まったりとカメラや音楽の
話を書いてみたいと思います。過去3回の記事にちなんだ内容にして
いきますのでよろしくお願いいたします。(いきなりの展開にお許しを)
1回目は1月23日の記事についてですが、大貫妙子さんの1stアルバム
「GreySkies」(1976年)をモチーフに3枚の写真と曲中ワードを活かした
キャプションで構成しています。
タイトルは少しだけ変えて「Grey Sky」としていますが、このタイトルは
学生時代からコトあるごとに使わせてもらっていて、たしか1992年の
レイル・オンの写真展でもこのタイトルで使わせてもらいました。
この頃使っていたカメラで印象深く今でも好きなカメラが「キヤノンEF」。
学生時代に友人が所有していたものを、こちらのカメラと交換してもらった
もので、その後の活躍はもちろんのこと、いまでも大事にしています。
EFは、1973年(昭和48年)に登場したちょっと悲運なカメラなんです。
当時、ライバルが相次いでAE一眼レフを発表してブームを起こしている中、
キヤノンもAE機の開発を行なっていましたが、マイクロコンピュータ制御の
先進装備を計画していたため、開発に時間がかかっていました。
そこで開発期間を短縮するため、自前主義を一旦おき、外製(コパル社)の
シャッターユニットを使って新機種を投入することになりました。
それがEFで、ハイブリッドシャッター(高速側機械制御、スロー側電子制御)
と速写性を高めるべく設計(シャッターボタンと巻上げレバー、シャッター
ダイヤルが同軸になっている)が与えられ、F-1の弟分として期待されました
が、オイルショックでの値上げや3年後の76年に世界的ヒットとなるAE-1が
発売されたこともあり、地味な存在となってしまいました。
しかし、私にとってはこうした背景も含めて、F-1級の堅牢な金属ボディと
シンプルないでたちに、たいへん魅力的に感じてしまうのです。
さて、話しは大貫妙子さんに戻りますが、「Grey Skies」を最初聞いたとき、
あれっと思いました。微妙に声が揺れたりかすんだりで、一聴しただけで
は、その良さが理解できなかったのは事実です。
しかし、聴き込むにつれて、独特な空気感といいますか、世界感にハマって
いったのを今でも鮮明に覚えています。
この中から2曲ほど「Wander Lust」と「When I Met The Grey Sky」をおススメ
したいと思います。前者はちょっとJazzyで疾走感のある気持ち良い楽曲。
後者は、冬空を感じさせる空気感のあるサウンドで不思議な世界感に浸る
ことができ、この2曲を含め本盤全てが大いに感性を刺激してくれます。
普通、アルバムには2、3良い曲が入っていればアタリだと感じるのですが、
本盤は全編通して聴ける数少ない名盤だと思います。
2nd「SunShower」以降も、数々の名盤・名曲を残し、いまも大御所として
活躍中の大貫妙子さんには本当に敬服いたします。
振り返ってみますと、1970年代は音楽もカメラも大きく進化した時代だったと
思います。音楽は洋楽に負けないクオリティや感性を表現して関心を集め、
一方、カメラはそれまで難しかった露出決定などの操作系を自動化して
機能面を充実。そして価格面でも一般化していった時代だったと思います。
長くなりましたので、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。
皆様、体調には気をつけてお過ごしくださいませ。
Omake:
昔どこかの中古SHOPで見つけた巨大なファインダー。
モータードライブと組合わせると、なんだかF-1がスゴイことになります。
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