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2013年3月18日 (月)

ゆずとCameraとAOR(3)  伊勢新一郎

「東北に行ってきました」 

と 一言だけ添えられた年賀状。

これを見たとき、身体が震えました。
たったこれだけの文字がいろんなことを語ってくる。

ああ、涙が出てしまう・・・・・

Aor31kan

3.11の記憶・・・
あの震災で、多くの人が現地に駆けつけ、いや行けないまでも、
なにかしらの行動を起こしたと思います。

「東北に行ってきました」

この一言は、それを見事に言い表しているのではないでしょうか。

Aor3tkan

じつは、ゆずが今年に入ってから足に怪我をしてしまい、新撮ができない
状況で、もともと少なかった写真のストックも底をつきかけています。

という訳で、この昭和歌謡シリーズにあいなっているわけですが、
皆様はお元気でお過ごしでしょうか?

今回は、このシリーズの3回目で最終回になります。
2月14日のモノクロ組写真のモチーフは、あらためるまでもないと思い
ますが、ユーミンの「春よ、来い」です。しかし、この曲は明らかに、
はっぴいえんどの「春よ来い」を意識して制作されたのだと思います。

ユーミンの「春よ、来い」はまさに、東北支援のテーマソングになっていて、
さらに冒頭の年賀状のこともあって、私も3.11に想いを寄せた組写真を
作ってみたいと思いました。

しかし、冒頭の事情で、使えそうな写真は昨年のGWに訪れたときの熱塩
での数カット。これで何が作れるのか思案しているとき、ふとユーミンの
「Miss Lonely」という曲が頭の中を流れました。

この曲、孤独な老婆の人生を歌っているのですが、聞いているととても
哀しい気持ちになります。この曲のイメージを手掛りに、形にしたものが
2月14日の組写真になります。

Aor33kan_2

さて「Miss Lonely」ですが、隠れた名曲としておススメですので、是非原曲
をお聞きいただきたいのですが、この曲が収録されているアルバム「時の
ないホテル」は、ユーミンアルバムの中で一番好きなアルバムです。

ユーミンは、ほんとにたくさんのアルバムを発表していますが、その中で
78年~81年頃のユーミンはAOR指向だったと思います。松任谷名義で
再デビューした「紅雀」から名盤「昨晩お会いしましょう」までのアルバムは、
今聴いても素晴らしい大人の音楽だと思います。さきほど紹介した「時の
ないホテル」はユーミン史上1番渋い(暗い)アルバムと言われていますが、
そこがいいと思っています。

さて、「時のないホテル」から半年後、今度は一転して明るくテンションの
高いアルバム「サーフ&スノー」が発表されますが、このアルバムには
驚かされます。1曲目からハイトーンの女性コーラスが前面に出て、曲を
リードしていきます。このアルバムの中では、いたるところでこの女性コー
ラスが活躍しますが、この声の持ち主が須藤薫さんです。

Aor341kan

須藤薫さんは、1979年にデビューし、翌年このユーミンのアルバムに参加、
一躍注目を集めました。自身の楽曲では杉真理氏とのコンビネーションで
60年代ポップスのテイストを80年代にみごとに再現。ポップスとロックン
ロールが絶妙なバランスで融合しているという意味で、ポップンロール
(POP'N ROLL)」という言葉がまさにぴったりです。

残念ながらヒット曲には恵まれない状況でしたが、実力を感じる楽曲群が
洋楽ファンの心をつかみ、根強いファンを獲得しています。

時に元気に時にしっとりと歌う彼女の声は大いに感性を刺激してくれます。
本当に力のあるボーカリストだと思います。
私もデビュー当時からずっと応援していました・・・

しかし、先日、彼女の訃報のニュースが流れました。

私は深いショックを受けてしまいました。
まだ58歳の若さでの逝去・・・

数々の名曲はいつまでも私の心の中で鳴り続け、決して忘れることは
ありません。心からご冥福をお祈りします。

Aor35kan

私のお薦めする須藤薫さんのベスト3曲
  1.緑のスタジアム (1982年)
  2.あなただけ I LOVE YOU (1980年)
  3.この恋に夢中 (1982年) 、恋のビーチ・ドライバー (1981年)

2については、大ブレイク前の大瀧詠一さんの提供曲で、氏の超名盤
「A LONG VACATION 」のプロトタイプともいえるナイアガラサウンドを聞く
ことができます。その名盤の1曲目で大ヒットにもなった「君は天然色」は、
元々は「あなただけ」に続く第2弾作品として須藤薫さん用に書かれた曲
でしたが、残念ながらボツになってしまい大瀧氏自らがレコーディングして
大ヒットした、ということです。もしこの曲を彼女が歌っていたらと思うと・・・

1の「緑のスタジアム」は主に作詞を担当している田口俊さんの曲ですが、
このサウンドはナイアガラ的で、須藤さんのボーカルの美味しいところを
使いきるメロディライン、ラストのサビで天に昇るような彼女のファルセット
も真骨頂。聴くたびに涙が出てしまいます。エンディングの花火のSEも
さらに効果的です。

3は盟友杉真理氏の曲で、ポップンロールの代表例。この当時ほとんどの
曲が杉氏のものであり、いずれの曲も二人の才能が高いレベルで融合して
いると感じます。バラードでは「裸足のままで」もお薦め。

この3曲だけでなく全てが永遠に大切にしたい楽曲たちだと思います。
須藤薫さん、素敵な歌声をありがとう。

・・・・

今回、完成していた原稿の後半部を書き直し、カメラの話をはずしました。
あまりにも個人的な内容になってしまいましたが、どうかお許し下さい。

引き続き、当ブログをよろしくお願いします。

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