レンズマウントアダプターあそび Mロッコール28/2.8×FUJI X-E1@銚子電鉄 服部一人
以前、パナソニックとライカレンズの組み合わせを試したことがあった。(こちら→http://blog.rail-on.com/2012/11/post-f324.html )
今回はFUJI X-E1である。このカメラを手に入れたときから、マウントアダプターを使って手持ちのレンズをいろいろと楽しみたいと思っていた。まず手始めにMロッコール28/2.8。これは1981年に発売になったミノルタCLEの交換レンズとして発表されたものだ。ミノルタCLEはライカMマウントのレンジファインダー機。いまもって一定の人気がある名機である。僕も出て数年後に標準のMロッコール40/2付きで中古で購入して使っていた。本家ライカMシリーズにもなかった絞り優先の自動露出が便利で旅によく持っていった。このMロッコール28/2.8はワイドの交換レンズが欲しくて、84〜85年頃に今はなき新宿さくらやで新品を購入した。
ミノルタCLEボディは、のちに友人に売ってしまったが、このレンズは周辺まで非常にシャープな写りで気に入っていたので手元に残し、ライカMボディに付けて時々使っていた。28ミリという焦点距離はAPS-Cサイズだと約42ミリ程度。スナップを撮るにはちょうどいい。先日、これを持って銚子電鉄に出かけてきた。この季節にしては暖かな天気で、青空の下、かつての営団地下鉄の赤い電車が一日行ったり来たりしていた。
終点外川まで乗車。駅周辺でスナップして折り返し列車の出発を撮る。構内の外れには801号が留置されていた。Mロッコール28/2.8は約30年前のレンズでデジタルとの相性など、まるで考慮されていないが実によく写る。隅までシャープで歪曲も目立たず、色収差もほぼ無い。現代の目で判断しても優秀なレンズと言える。トーンは柔らかめで、画面の中に光源が入ると全体にハレーションが出て白っぽくなるが、そのふわふわの描写も何かの表現に使えるかもしれない。
犬吠
本銚子は切り通しにある小さな無人駅だが、近所に学校があり、ちょうど子供たちの下校時刻だった。冬の日差しなので切り通しの中までは日があたらない。感度を上げてシャッタースピードをかせぐ。絞りは5.6。FUJI X-E1は高感度のノイズが少なく非常にきれいな絵ができるので気に入っている。このカメラを使うようになって、夕方から夜にかけてのスナップを撮るのが楽しみになった。
ボディに付けた姿もなかなかサマになる。アダプターはKIPON。ピント合わせは、絞るときは目測。精密に合わせるときにはフォーカスの拡大をする。FUJI X-E1はファインダーにピーキング機能があるので重宝する。一日使ってみて、シャープな描写、使いやすい焦点距離、ボディとのバランスの良さなどで気に入ってしまった。これからもこの組み合わせはけっこう使えると手応えを感じた。レンズ1本だけの撮影は迷いがなくていい。こういう小さなカメラとレンズは、銚子電鉄のような小さな鉄道を訪ねるにはぴったりのような気がした。
さて、今は手持ちのライカレンズでいろいろ試している。こちらも近いうちにブログでお届けします。
FUJI X-E1 Mロッコール28/2.8
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