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2014年4月29日 (火)

ウェールズの小さな鉄道 1 ウェルシュ・ハイランド鉄道(上)   服部一人

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朝日を浴びてポートマドック駅に進入してきた87号機。ナローゲージゆえガーラットとしては小ぶりな方ですが、それでも600ミリのナローの蒸気機関車としては世界最大級の大きさ。近くで見るとけっこうな迫力です。ウェルシュ・ハイランド鉄道には同型のガーラットが4両あり、すべて南アフリカで働いていた機関車です。南アフリカ時代の形式はNGG16。かつて博物館で静態保存機を見たことはありましたが、ついに現役の「動くナローガーラット」に出会えました。この87号機はベルギーのコッケリル製、1936年の製造です。


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この日、運用に入っていたもう1台のガーラット138号。エンジ色のボディがエレガントです。小ぶりな炭水車が可愛らしくて、全体として実にいいプロポーションだと思います。こちらはガーラットではおなじみベイヤーピーコック製で、1958年と比較的若い蒸気機関車です。

ヨーロッパの小さな鉄道を訪ねるシリーズ。昨年はスイスの登山鉄道(こちら→http://blog.rail-on.com/2013/02/1bob-cfae.html )、一昨年は旧東ドイツの保存鉄道(こちら→http://blog.rail-on.com/2012/08/post-7992.html )でしたが、今回はイギリス、ウェールズ地方のナローゲージの保存鉄道に行ってきました。 

ご存じのようにイギリスは世界屈指の保存鉄道王国。全土に100を越える保存鉄道があるらしいのですが、限られた旅行の日程で、どこを見に行くかは非常に悩ましいところ。さんざん迷ったあげく、今回はウェールズ地方北部を集中的に見て回ることにしました。理由は、僕の大好きなナローゲージの保存鉄道が多いこと。そしてイギリスで唯一、ガーラット形の蒸気機関車が走っている鉄道があることが決め手になりました。

第1回目は、そのガーラットが走るウェルシュ・ハイランド鉄道です。僕はまぁ、蒸気機関車であれば何だって好きですが、このものものしいガーラットの形が大好きです。かつて1990年代にアフリカのケニアにいたときに、現地の鉄道博物館で初めて本物を見ていっぺんで気に入りました。どうしても現役で動いている姿が見たくて、その後ジンバブエに撮影に出かけ、感激の対面をしました。大きくて迫力もありますが、普通の蒸気機関車に、もうひとつ炭水車を付けたような不格好さも気に入っています。

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              ウェールズ地方とウェルシュ・ハイランド鉄道

このウェルシュ・ハイランド鉄道は597ミリのナローゲージ。世界遺産の古城もあるカーナーフォンから瀟洒な港町のポートマドックまでの約40キロです。名前にもあるようにウェールズ地方の高原を走るため、沿線風景はなかなか変化に富んですばらしい。僕はポートマドックに宿を取りましたが、ここは後日取り上げるフェスティニオグ鉄道の起点でもあり、両方の鉄道を訪ねるのにもってこいの場所です。双方の鉄道はゲージも同じで接続されており、一部で相互乗り入れも実現していて、何かと関係も深いようです。今回はポートマドックから出発して、途中駅のベドゲレートまでの区間を紹介します。

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       87号には南アフリカ時代の立派なナンバープレートがついています。


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ポートマドック駅で列車を待つ人々。大きくカーブしたホームにさまざまな形の客車が並びます。石造りの駅舎にはいい雰囲気のパブ&カフェがあり、朝、ここでウェールズ風のボリュームたっぷりのブレックファーストを食べました。


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ポートマドックを出た列車は併用軌道風の踏切を渡ります。


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87号の車体色は渋い濃紺。次位のプルマンのサロンカーは黒の車体に金文字でシックな組み合わせです。


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ポントクローサーを出発した列車は緑多い草原の中を走って行きます。


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やがて草原が終わり、列車は渓谷沿いをベドゲレートに向かいます。少し勾配が出てきました。この場所は平行して道路が走り、駐車場があります。みんな車を停めて、ここで写真を撮っています。いわゆるお立ち台ですね。



次回はベドゲレートからカーナーフォンまでの区間をご覧に入れます。


CANON EOS 5DMkⅡ, 60D, EF70-200/2.8L, 17-40/4L, EF Macro100/2.8L, Makro-Planar50/2, Distagon35/2

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