のんびりゆこう-紀州鉄道その1 深川俊一郎
紀勢本線の御坊駅片隅の小さなホームから、西御坊駅までのわずか2.7Kmを結ぶ紀州鉄道。そこをかつてトコトコ走っていたキハ603。
何とも言い難い風情と郷愁を振りまきながら、5年前に静かに消えていったその気動車がいた光景。
訪れたのはたったの二回でした。一回目は梅雨の合間の蒸し暑くも爽やかな頃。そう、季節を飛び越えて夏がやってきたような、ちょうど今年の初夏にどこか似ていました。
恥ずかしながら紀州鉄道自体の存在は知っているようで知らなかったのが正直なところですが、未だに古ぼけた気動車が走っていることを知り、無性に撮りたくなったのです。
ブログ二周年の節目に、確かに存在していたこの小さな気動車をご覧いただきたいと思います。
これからも引き続きお付き合いいただければ幸いです。
ちいさな旅
古い気動車の窓は、上は楕円で下が角型。子供の頃、山型食パンの断面に似ているなぁと思っていた。
単純な構造としながらも、少しでも外光を取り入れるための機能美なのかもしれない。
紀州鉄道車内 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
年輪
前身の御坊臨港鉄道が設立されたのが1928年、その後1973年に現在の紀州鉄道に買収されたかたちだが、その経営陣は旧磐梯急行電鉄(沼尻鉄道)出身らしい。1960年生まれのキハ603は元大分交通の車輛で、紀州鉄道には1975年にやってきたそう。
ベテラン運転士さんとの一コマ。
紀州鉄道 西御坊 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
街の顔
踏切のすぐ脇にある穴倉が何と駅の入り口だった。
今は終点となった西御坊駅は完全に街に同化している。1989年までは日高川へ向かう途中駅だった。
紀州鉄道 西御坊 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
雨雲去って
沿線を歩いていると、線路がとても身近に感じる。
水辺にかかる小さな鉄橋と踏切が箱庭のよう。
紀州鉄道 御坊-学門 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
梅雨晴れの散歩道
陽が傾くのを待っていたかのように、散歩に繰り出す。
普段見慣れないよそ者に、少し人見知りしているのだろうか。
紀州鉄道 御坊-学門 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
次回6月17日に続きます。
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