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2014年6月 1日 (日)

「現代鉄道写真研究所」開設2周年記念座談会 Vol.1

お陰様でこの「現代鉄道写真研究所」も6月1日で、はや2周年となりました。このあいだ熱心にご覧いただいた皆さまには、レイル・オン一同より心から厚くお礼申し上げます。皆さまの見てくださっている気持ちが何よりの継続の力となっています。ありがとうございます。
古くからのお仲間の皆さんはご存じのことですが、レイル・オンは1990年にメンバーの伊勢の提唱によって発足した鉄道写真家のグループです。1990年より「とっておきの切符」と題する写真展を中心に活動を続けてきました

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当初はメンバーのみのグループ展でしたが、90年代半ばから仲間のレールファンにも声をかけ、「現代鉄道写真抄」という名で数十人が参加するグループ展を企画するなど、プロデューサー的な活動も行いました。活発な活動は2000年代初頭までに十数回の写真展の実績を残しました。

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写真展のみならず、ネコ・パブリッシングのレイルマガジン誌には、かつて「現代鉄道写真研究所」というタイトルで1年間の連載をしていたこともありました。当ブログの名前は、この時の連載から取っています。

その後、メンバーが働き盛りの年代になり、公私ともに忙しくなり始めたこともあり、グループとしての活動はしばらくお休みせざるを得ませんでした。そんなに長く休むつもりではなかったのですが、いったん休止したものは、なかなか腰を上げるのが重かったようです。気がつけば10年以上、その間に時代も、写真を取り巻く状況も大きく変化していました。メンバーの間で気運が高まり、活動の再開として始めたのがブログ「現代鉄道写真研究所」です。ブログ開設2周年を記念して、今までの2年間をふり返る座談会を企画しました。今回から3回に分けて開設2周年記念特別企画としてお送りします。

座談会 2014年4月都内某所にて)

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10年以上の休止期間を経て、レイル・オンとしての活動再開に際して、なぜ以前の写真展ではなくブログという方法で始めたのか。

伊勢 一番思うところは、いままでのように会場借りて大げさにと言うか、お金や時間をかけてやるのはたいへんだし、今はもっと手軽にできるブログを活用して作品発表できる方法があるので、しばらく休んでたということもあるし、そういう形で再スタートしたかった。
服部 それは、現状では写真展ができないから、2番目の簡易的な手段としてのブログなのでしょうか?
伊勢 いやむしろ、一番やりたかったことで、こまかく積み上げたいという思いがあった。写真展では1年に1回で数点しか発表できないしね。
深川 私は反対派というわけではないけれど、ブログを前提とした作品づくりと、発表手段としてのブログとして考えたとき、私は後者のほうで、たとえばいつ全倍に伸ばしてもいいように以前と同じくフイルム撮影のスタイルで取り組んでいる。しかし土門拳先生が筑豊の子供たちのときにザラ紙で広く多くに人に見て欲しいというのがあったように、ブログは身近なところで多くの人に見ていただける。それに自分自身のトライアルもできているし、否定的に考えては面白くないので、前向きに捉えています。
伊勢 ネットに発表するって言うと、盗られちゃうとか、安売りしちゃうとか消耗してしまうとか、それと世間のHPとかブログとかって、割と早く息切れというかネタ切れして終わっている。うちもそうならないか考える時がある。マンネリ化していないかとか、ずっと続けられるのかなって。
服部 自分たちがブログを始めることになったわけですが、それぞれ好みでよく見るブログとかありますか?
伊勢 鉄道ものでは1960年代の地方私鉄のものとか、2、3好きなブログがあって癒されたり刺激されたりしている。動物関係では、もちろんデジタル岩合もみています。スライドショーで見られるのもいいですね。
服部 地方私鉄のものは僕も見ています。

Tawada

1994年「東京鉄道ものがたり」より  K.Tawada 

太和田  RM誌の今日の1枚など、いい写真がホントたくさん発表されていて参考になります。あれは勉強になるね。アマチュアの方々の作品がいますごい。まあ、自分で撮るときはそういう風には撮らないんだけど。
鉄道から離れたところではカメラ雑誌を毎月見ている中で、梅佳代さん、独特なスナップ、あそこまでの観察力で撮れるのすごいと思う。

伊勢 RM誌のは僕も見てる。ブログを始めてから写真・鉄道雑誌を毎月全部見るようになったよ。
梅村 他の人のブログは情報源として見ることは多いけれど、必ず見るサイト、となると「Rail Café」さんといくつか・・・。数は少ないなぁ。
深川 私も他に良いブログがいろいろあるのはわかっているけど、あまり見ていないというか・・・。情報って見ない権利もあるじゃないですか。日本カメラとアサヒカメラとか最小限で、プラス面白そうな写真展を見るくらいにしている。

「現代鉄道写真研究所」は始めてまだ2年だが、すでに記事の数は400を越えて継続中だ。レイル・オンのブログとしての体裁やカラー、個性といったものが、この2年の間に次第に形作られ、定着してきたように思っている。お陰様で安定したアクセス数もずっと続いている。ブログはひとつだが、書き手は6人。各メンバーの間には、ブログというメディアを通じて発信していくことへのさまざまな考え方がある。

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深川 ブログで見たものを写真展や印刷で見たこととかありますか? ブログ(モニターの画面)の中で見ているものが本当に写真の真価をちゃんと見ているのかどうか? と考えるときがある。自分は大伸ばししたプリントの質感が大事というか、そういう価値観でいるのでプリントを重視しているが、もしかしたらモニターの画面で見たほうが良い写真もあるかもしれない。
梅村
 写っているものが凄ければ、紙であれWebであれ評価されるのでは?
伊勢
 以前はいいのが撮れるとプリントしていたけど、ブログを始めてからはすっかりプリントしなくなった。逆に紙のよさを感じなくなってしまった。何故だろう? ブログではモニターの画面で見るために画質調整をしているし、それが前提だからかもね。
梅村 紙で見るための調整はしないの?
伊勢 そういう気持ちになれず、パソコンの小さい画面にスケール感を出すことに専念している。
太和田
 昔は紙焼きのビンテージプリントにこだわっていたが、今はモニターの絵で十分感動できる。特に透明感のある作品なんかはモニターで鑑賞するほうに軍配が上がるでしょうね。
梅村
 あれだけ暗室作業にも力を入れてた太和田さんがそう言うのは意外ですね。でも私も、物を増やしたくないので(笑)極力出力しない。
服部
 僕は逆にプリントが増えた。写真はやっぱり「紙」だね! という気持ちがあるので、いい写真ができるとPhotoshopで丁寧に現像してせっせとプリントする。ブログも楽しいけど紙に対する愛着は深い。
伊勢
 どうしても紙焼きに意味を見いだせないんだよなぁ。
濱島
 当初からブログに全面同意していない私としては、皆さんとはベクト ルがちょっと逆で、Web上でスクロールされ、流れるように見られることに抵抗があります。それは、以前のように写真展会場で鑑賞してもらうのとは、ずい ぶんとかけ離れていて、作品としての扱いが低下してしまうように感じてしまうのです。やはりどこまでいっても、レイル・オンの写真は鑑賞作品だと思って て、PCモニターやスマホでは浸れないんじゃないかって。 

120601_3                                    2012.6.1 ゆずといく 第1回 より    S.Ise  

太和田 いろいろあっていいんじゃないかな。ポラロイドのままとか、ベタ焼きで見たほうがいいときもあるし、そんなに大きさは関係ないのかもしれない。自分はブログ上のあの大きさで、箱庭的に見て、見栄えがするように心がけている。
深川
 そういう意味ではブログ用に作品を作るというのもあるのかなあ、と考えるときがある。それぞれの思いがあって成り立っているしね。
服部 僕はブログだからといって、意識して写真撮ってることは全然ないけど、ブログと写真展ではメディアの性格が違うので、それぞれに合った作品を使い分けているということはあります。まぁ僕は、ブログは読み物というのを、ひとつのスタンスとしている。写真は大きさ、見せ方まで含めて作品の一部であり、どういう形で見られるかわからないWebは、本当は大きくして細かいところまで見てもらいたい写真でも、スマホの小さい画面で見られたり、出し手の想像を越えたところにある。しかし文章とか文字は紙でもモニターでも変化ないので、読み物的なものがブログにはいいかなと思って、旅行記をひとつの自分の基準にしている。もし何年後かに写真展をやることがあれば全然違うものを出すと思う。
深川 服部さん普段はブログじゃない写真展や印刷にむけて、撮り分けているんですか? 機材は一緒ですか?
服部 はっきりと意識して取り分けているわけではないけれど、フイルムで撮ったものはブログには使わないし、写真展をやることがあれば、その効果を発揮できる銀塩写真を出すと思う。ブログについては否定的でもなく、けっこう楽しんでもいるし、写真をおろそかにしていることはないが、方法論として作文というのを柱にしているということですね。
梅村
 私が出している写真はデジタルでなければできないことだし、出来としてはブログだからこのへんで許して、という甘えも少しあるかなあ。
服部
 それは作品のクオリティの上下ではなくて、メディアの性格の違いだと思う。梅さんの場合は甘えというのとはちょっと違って、ブログというものの性格だと思う。

次回3日に続きます

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