ウェールズの小さな鉄道 6 スランベリス湖畔鉄道 服部一人
ケイ シダン駅で停車中に、主人といっしょに乗車したワンちゃんの記念写真を撮ろうとしますが、「ゆず」と違って、なかなかおとなしくポーズをとってくれません。
スランベリス湖畔鉄道は、連載の1,2回目で紹介したウェルシュ・ハイランド鉄道のカーナーフォンの町から車で30分程度、パダーン湖という細長い湖に沿って走る全長わずかに4キロ、軌間597ミリのナローゲージの小さな鉄道です。この鉄道も元々は特産のスレートを運び出すためのものでしたが、1961年に廃止になっています。その当時は軌間4フィート(1219ミリ)だったそうです。
スランベリス湖畔鉄道がある一帯はスノードン国立公園に指定され、スランベリスは有名なスノードン山への登山口でもあるので風光明媚なリゾートとして人気があります。それゆえ廃止後に観光鉄道として再起することになりました。保存鉄道として復活するにあたり、近隣のディノウィック スレート鉱山で働いていた、可愛らしいハンスレ製の蒸気機関車を使用してナローゲージとして1971年に再出発しました。
運行は基本的には往復乗車を楽しむもので、おだやかな湖を眺めながら汽車に揺られ、約1時間の旅です。往復8キロ足らずの行程に1時間とは、ずいぶんとゆっくりしたスピードだと思われるでしょうが、駅で停車している時間が長いのです。
スランベリスから乗車すると終点のペンシンまで、まずはノンストップで走り、復路ケイ シダン駅にて約15分ほど観光停車します。駅はすぐ目の前が湖でピクニックサイトがあります。人々はつかのま散策したり、記念写真を撮ったりと停車時間を楽しみ、再び乗車します。次のギルファ ディ駅でも、給炭などでやはり20分ほど停まります。こうして1時間かけて戻ってくるのです。
スランベリス湖畔鉄道 路線図
スランベリス駅で出発を待つ列車。機関車は典型的なハンスレ製の産業用小型蒸気機関車ですが、こういうきれいな車体色だと遊園地の列車のようで、可愛らしさが一層引き立ちます。1889年製造のオールドタイマーですが、1971年にリビルトされています。
スランベリス駅を出発した列車は牧草地の中を横切り、次のギルファ ディからはずっと湖畔に沿って走ります。
終点ペンシンでは機回し線を使って機関車の付け替えをします。
客車はグリーンに塗られ、内装はすべて木製です。
復路ギルファ ディ駅にて、給炭、給水、火床整理で停車中。ここギルファ ディには、もとディノウィック スレート鉱山の施設を利用した国立スレート博物館があり、観光地として沿線ではもっとも活気があります。
これがスレート鉱山です。国立スレート博物館の野外展示として、鉱山からの運び出し用のインクラインが復元保存されています。
CANON EOS 5DMkⅡ, 60D, 17-40/4L, Makro-Planar50/2, Distagon35/2
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