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2014年6月23日 (月)

ウェールズの小さな鉄道 8 フェアボーン鉄道 タリシン鉄道    服部一人

フェアボーン鉄道

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フェアボーンを出てしばらくは住宅街の脇を走ります。背後の住宅や車と汽車のスケール感が違うような、不思議な光景ですね。


フェアボーン鉄道は軌間わずかに311ミリ。たった3.2キロのミニ鉄道です。イギリスには軌間15インチ(381ミリ)以下のいわゆるミニチュア鉄道というカテゴリーの鉄道が多数あります。この大きさの鉄道の印象は、600ミリくらいのナローと比べても明らかに小さく模型的で、かといって模型の大型ライブスチームかというとそうでもない。小さいながらも本物の鉄道という感じがします。

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イギリスには、こんなミニチュア鉄道だけを紹介したガイドブックもあります。フェアボーン鉄道のような独立した鉄道の他に、牧場や公園などのアトラクション、博物館の施設など、さまざまな形態があることがわかります。


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                    フェアボーン鉄道 路線図

始発駅のフェアボーンは海の近くの小さな町。イギリス鉄道(British Railways)に隣接しています。ゲージから車両、ホームや給炭台など、どれもが全般に小ぶりですが、造りは本格的。遊園地の乗り物のような雰囲気はありません。ここから河口にできた砂州のような場所を走り、突端のフェリー乗り場、バーマスフェリー駅までを結んでいます。

バーマスフェリー駅からは河口の反対側の町バーマスまで渡し船が出ています。バーマスは海沿いの保養地として名高いところ。町は斜面に沿ってひらけ、別荘やリゾートが多く建ち並んでいます。そのような土地柄ゆえか、このフェアボーン鉄道も滞在客のアトラクションとして楽しまれているようでした。

私はナローゲージは大好きですが、この鉄道を見るまでは、この手のミニチュア鉄道は何か少しおもちゃのような気がして、そんなに関心がありませんでした。しかし実物を見てから考えが変わりました。ナローとも違う可愛らしさにあふれ、ミニチュアといえども本物の鉄道の雰囲気を合わせ持った独特の魅力があります。こんな小さな鉄道なら、ぜひうちの庭にもひとつ欲しいものだと大それたことを夢想してしまいますが、そもそも、まず庭の確保から始めないといけません。やっぱり夢ですかね。

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フェアボーンで出発を待つ列車。この鉄道には4両の蒸気機関車がいますが、いずれも本物の2分の1サイズのレプリカ。本日の牽引機は懐かしのインド、ダージリンのB型サドルタンク、こちらは1978年製です。

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これが本家、ダージリンヒマラヤン鉄道のBタンクです。フェアボーン鉄道のレプリカも実車の雰囲気を再現して、なかなかよくできています。

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実物はB型サドルタンクですが、こちらは運転の実用性を考えてテンダー付きになっています。キャブの運転手が窮屈そうに座っているのが何ともユーモラスです。

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住宅街を抜けると、あとはこんな感じの沿線風景です。海からの風が強く、草が大きくなびきます。

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途中駅もありますが、ほとんど乗降はなく、こんな感じの素朴な停留所です。

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終着バーマスフェリーに到着するところ。背後にバーマスの町並みが見えます。




タリシン鉄道

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甲高い汽笛が森の中に響いて、汽車はドルゴッホ駅を出発して行きます。グリーンの機関車と赤い客車の組み合わせがキュート。この近くには滝があり、駅からトレッキングコースが続いています。

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ご存じ、言わずと知れたタリシン鉄道です。何が有名かといえば、イギリスで最初の、と言うか世界で最初の成功した保存鉄道です。1951年からといいますから実に60年以上前です。今でこそ保存鉄道王国と言えるイギリスですが、当時はまだ保存鉄道に対する社会的認知も熟成されていなかったことでしょう。そんな中での先駆者としての偉大なムーブメントだったと思います。ここも前身は、ウェールズによくあるスレート運搬用の鉄道でした。全長は12キロ弱。軌間は2フィート3インチ(686ミリ)。珍しいゲージでイギリス国内にも、このゲージを採用する鉄道はあと3つしかないそうです。

タリシン鉄道が保存鉄道の先駆けとして幸いだったことは、前身の鉄道が1950年に休止後、ただちに保存組織が立ち上げられて活動を開始したことです。翌年の1951年に再スタートを切るわけですが、鉄道廃止後、長期間放置されなかったので線路や施設の荒廃が比較的少なかったようです。

私好みの非常に魅力的な鉄道であることは訪問前からわかっていたことですが、今回は旅行期間の関係もあって、残念ながらちょっと立ち寄って垣間見るだけ。始発駅のタフィン・ワーフと途中のドルゴッホで撮影しただけでした。そんなわずかな時間の訪問でも、この鉄道のすばらしさは感じられます。可愛い車両といい、なだらかな牧場の中を走る沿線風景といい、じっくりと時間をかけて乗車と撮影を楽しみたいところです。今回は軽くロケハンと自分に言い聞かせて、次の訪問を強く祈念して、ここをあとにしたのでした。

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タフィン・ワーフ駅で発車を待つ汽車。構内のすぐ後ろをイギリス鉄道(British Railways)が通っており、画面左奥に曲がっていく線路の先でスレートの積み替えをしていました。

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本日の機関車は「エドワード・トーマス」君。チョロQのような凝縮された車体の可愛らしさがあります。1921年製で保存鉄道として開業した1951年に、近隣の別の鉱山鉄道から購入されました。

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この鉄道のもうひとつの見所は「ナローゲージ博物館」。タフィン・ワーフの駅舎の中にあります。タリシン鉄道だけでなく、ウェールズにかつて存在したスレートや炭鉱などのナローゲージの車両が展示してあります。左は1897年、右は1891年製造で、ともにウェールズの鉱山で働いていたものです。

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ドルゴッホ駅には小さな給水塔があり、汽車はここで10分ほどの停車をして出発準備をします。駅のまわり
人家はなく、森が広がります。小川の流れる音、木の葉が風に揺れる音、そして蒸気の息づかいだけが聞こえます。


CANON EOS 5DMkⅡ, 60D, EF17-40/4L, EF100/2.8L, Distagon35/2

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