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2014年7月 3日 (木)

ウェールズの小さな鉄道 10 (最終回) 落ち穂拾い   服部一人

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ナローの蒸気機関車を訪ねた今回の旅、連載の1回目が4月29日なので、1度の撮影旅行ネタで2ヶ月以上も引っ張ってしまいました。この間、すっかり季節も変わってしまいました。おつきあいいただいた皆様、どうもありがとうございます。

イギリスは鉄道発祥の国だけあって、保存鉄道は立派な文化遺産、産業遺産として運営されています。またこの地の観光資源としても重要な役割を果たし、鉄道ファンのみならず、多くの市民が昔を懐かしみ、鉄道の旅を楽しみにやってきます。そんな保存鉄道を支えているのが数多くのボランティアです。どの鉄道に行っても「私たちの鉄道のボランティアに入りませんか?」といった内容のリーフレットをよく見かけました。制服を着て凛々しく働いている人々の多くがボランティアです。フェスティニオグ鉄道では、約6,000人ものメンバーが登録しているそうです。年齢層も幅広くティーンエイジャーからリタイアした年配の方々までいます。

列車に乗車中に、いかにも鉄道オタクのような雰囲気満点の男の子が、慣れない手つきで車内販売のグッズを売り歩いて来ました。また、駅で切符を買うために並んでいたときに、前にいた家族連れがたくさんのキップを買い求めたので、窓口の向こうの上品そうなおばさまの駅員は「ちょっと待ってねぇ、もう年だからいっぺんに素早くできなくてねぇ。」とニコニコ笑いながら切符をさばいていました。これらの人々は皆ボランティアなのです。仕事もさまざまで、駅員のほか、車掌やあこがれのドライバーになるプログラムもあります。また車両の保守や保線といった裏方の仕事もあり、年齢や特技や本人の希望に応じてできるようになっています。

フェスティニオグ鉄道のミンフォード駅で偶然お知り合いになった若いカップルは、日本人の奥様とイギリス人のご主人でした。おふたりともボランティアをされていて、ご主人は古楽器の製作というお仕事柄、客車の内装などを手がけるボランティアをしているということでした。聞けば、遠方から来るボランティアのために格安で泊まれる専用ロッジまであるそうで、学生などは長期休暇を利用してボランティアに励むそうです。外国人のメンバーもいるということで、いつの日にか、私も鉄道員のまねごとをすることを夢見ています。

今回、私が目にすることができた数々の美しい鉄道情景も、こうした人々のサポートと市民の支持があってこそ成り立つものでした。イギリスのそういう文化風土を深く感じる旅でした。




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CANON EOS 5DMkⅡ, 60D, EF70-200/2.8L, EF17-40/4L, EF Macro100/2.8L, Makro-Planar50/2, Distagon35/2



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