駅チカの昭和風情 2 渋谷のんべい横町 服部一人
大都会東京、渋谷駅徒歩1分にめちゃくちゃディープな昭和の横町がある。ご存知「のんべい横町」である。若者が109だ、パルコだ、ヒカリエだと騒いでいるのと裏腹に、ここは大人の飲み屋街である。山手線の電車から見えるので存在はずっと昔から知っていたが、実はほとんど足を踏み入れたことがなかった。ここでお祭りがあるというので友人に誘われて、始めて本格的な踏査(!?)に挑んだ。
ごく狭い一角に40軒もの飲食店がひしめく。いずれのお店も7〜8人も入れば満員になるような小さなお店ばかり。お店の構えも内装も横町全体の雰囲気も、もう、すぐにでも映画が撮れそうな完璧なセットのような完成度。あまりに良くできているので「横浜ラーメン博物館」みたいなテーマパークの中にいるような錯覚さえ覚える。
勇気を出しておばちゃんがやってるおでん屋に入る。狭いことは限りなく狭いが、妙に落ち着く不思議さ。コージーコーナーである。ちょっと身体をひねって手を伸ばせば、ほとんどすべての物にすぐ手が届いてしまう便利さ。店のおばちゃんは、「母が始めて30年、私が引き継いで40年」と言っていた。どのお店も、そんな年季の入ったところばかりだ。
レトロだね− などと軽々しく言えない、本物が持つ風格と深遠さをそなえて、繁華街渋谷の片隅に君臨する昭和のディープスポットである。
横町には柳の木があって、ゆらゆらと風になびく姿は風流なものだ。意外だったのは外国人の姿がけっこう多いこと。英語のメディアにも紹介されているらしい。トイレに立ったら英語の案内表示もあった。国際化の波はここまで…!
お祭りなので、樽酒を御輿に見立てて、狭い横町を練り歩く。
この日はお祭りということで、流しのギター弾きも登場。ずーっと昔には、メジャーデビューする前の北島三郎さんが流しで歌っていたそうだ。
FUJI X-E1 M ROKKOR 28/2.8
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一枚目のネオン看板の写真にくぎずけになりました。
今年も渋谷109の前に十四町会連合の神輿が集結する、
金王神社の祭り行ってきました。
投稿: k.iwamatsu | 2014年10月18日 (土) 23時16分
k.iwamatsu 様 こんにちは。
1枚目の写真は看板を撮っただけですが、僕も気に入っていて1枚目に持ってきました。当ブログは「鉄道写真」を「研究」するところなので、直接鉄道と関係なさそうな写真をメインに持ってくるのは、ちょっと趣旨に反するかとも思いましたが、まぁ、たまにはこういうのもいいかと。鉄道は社会的な存在だから、それを取り巻く環境を取り上げるのも広義の鉄道写真の範疇にかろうじて入るかな、と思っています。
ま、そういう話をおいといても、私は自分が興味がある、おもしろいと思ったものしかブログに取り上げないので、鉄道の好み同様、古いものの香りがする昭和の風情には敏感に反応してしまったのでした。このシリーズは今後も続きますので、ひとつよろしくお願いします。
投稿: ハットリ | 2014年10月18日 (土) 23時43分