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ソメイヨシノが儚く散った後には、気が抜けたように静かな春がやってきます。
木々は薄緑色に芽吹き、八重桜がしっとりと咲き誇り、そしてそこではいつも二色の気動車が明るく彩るのです。
うららかな日
足音を聞きつけたのか、寝起きのにゃんこが不意に現れた。
線路脇の小道はあたたかだ。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
はなやぐ
八重桜は濃密で力強い。
咲き誇るその姿は歴史ある旧駅にふさわしい。
小湊鉄道 上総鶴舞 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
いろどり
暖色のツートンカラーはどこか懐かしい。
春のあたたかな陽射しに踊るようだ。
小湊鉄道 里見 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
やわらかな時
列車が来ない静かな時間と空間がそこにある。
線路の向こうの黄緑が、やわらかく揺れていた。
小湊鉄道 上総鶴舞 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
Vol.604
赤い屋根が印象的な山小屋風の熱塩駅舎。満開の桜に囲まれて静かにたたずむ。
東京の桜は終わり、桜前線は東北を北上中だ。
今でこそ、僕もこの季節の桜を心待ちにしているし、桜に限らず撮影に出た先で野山の草花に目を向けるのも楽しみだ。しかし、ふと振り返る。「若いころは花なんて興味なかったよなー」
僕の母は園芸が趣味で、実家の庭にはいつでもたくさん花が植えられていたが、子供のころはそれを美しいと思うこともなかったような気がする。鉄道写真も、もう小学生のころからやっているけど、花と鉄道をからめた構図で撮るなんて考えもしなかった。
多少、年を重ねていくいくうちに、「春が来て花が咲き、夏に草木が生い茂り、秋に色づき、やがて葉を落とす」という月日や季節のめぐりゆく姿に、ある種の愛おしさを感じるようになったのは事実だ。小さきものや可憐なものの生命に多少思いをはせるようになったのも、またしかりである。
さて、この2つはともに有名な桜の名所なので、かねてより1度見てみたいと思っていた。熱塩駅は往事の雰囲気をよく残している。駅舎もホームも、そこに立つと懐かしい気分になれる。これでレールがあって、気動車の1両でも停まっていれば、すぐにでも昔に戻れるような気がする。日中線跡の桜並木も見事だった。濃いピンク色が鮮やかに目に残る。途中C11とDLが展示してあり、こちらも桜に囲まれてほんのりとピンクに染まる。
Canon EOS5DMk2, EF70-200/2.8L, FUJI X-E1 FUJINON XF 18-55/2.8-4 VOL.603
列車が去った後には・・・長くゆったりとした時間と空間が流れてゆきます。
そこにはいつも、いずれまたやって来る次の列車の予感があるのです。
線路から付かず離れず、そこにある名もない小さな一瞬を見つけては、ささやかなアルバムの1ページを重ねてゆきます。
花ざかり
長い勾配に伸びる2,540mmの幅広い軌道は、桜が満開になる頃、歓声とともに人波で溢れる。
もうそこを二度と車輛が走ることはないし、ましてやかつて走っていたところを見たこともない。
ゆるやかな時
少し傾いたレールは花見の特等席だ。
喧騒の中でほんの一瞬訪れたゆるやかなひととき。
遥かなみち
水路と鉄路の境界は、硝子のような水面に花弁が漂っていた。
船と鉄道が一体化する不思議な空間だ。
いにしえの軌道
細めのレールは無言で風雨に耐え、春には花吹雪がかすめてゆく。
それでも鉄路は物静かに歴史を語っているし、いにしえの道をそこはかとなく感じさせてくれる。
蹴上インクライン
HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*・Sonnar C 150mmF4 T*
Vol.599
春の日を浴びて京都市電が行く。背後の建物は北里柴三郎博士の建てた研究所本館と医学館である。
今年は桜が早かったなー。
最近でこそ寒の戻りがあってちょっと寒さに震えたが、3月後半からの陽気は早い春の訪れだった。
いつ行っても楽しい明治村だけど、桜咲く春ののどかな1日は、広い園内をぶらぶら歩いてまわるのに最高。乗って撮って、桜見ながらご飯食べてお茶飲んで。春の1日、楽しい遠足でした。
こちらの鉄橋は東海道本線蒲田〜川崎の六郷川鉄橋。1877年(明治10年)日本最初の複線用鉄橋として英国で建造された。奥に小さく見えるのは尾西鉄道(のちの名鉄)1号機関車のうしろ姿。米ブルックス社1897年(明治30年)の2B1タンク。
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