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宇奈月駅の車両基地。機関車ED形をはじめとして客車、貨車などたくさんいます。すでに乗車前からソワソワします。
昨日5月28日に黒部峡谷鉄道が今年の全線開通(宇奈月〜欅平20.1キロ)をはたした。
ご存じのように、この鉄道は冬期間積雪のために運休し、さらに雪害から守るため架線や施設の一部を撤去してトンネルの中に保管することで知られている。それほど厳しい自然の中を走っているだけあって、新緑が美しい今頃や秋の紅葉は見事な車窓風景が展開する。毎年春が来てから段階的に開業して、今年はやっと昨日終点の欅平まで全通したというわけだ。
さて車窓風景はもちろんすばらしいが、ナローゲージ好きの私としては可愛らしい車両が気になる。目についたいくつかを簡単にご紹介。
現在の主力電機EDR29号を先頭に重連で牽引。角張ったボディに2つ目玉が目をひきます。
こちらは丸い車体がちょいとレトロな凸型EDS13号。1957年製の車両を93年に更新したもの。欅平で関西電力関係者の専用列車の先頭に立ちます。
その専用列車の編成の中にあった貨車「峡谷美人号1」。山で出たゴミはすべてこれに載せて下界におろされます。スイスの登山鉄道でも同様の貨車を見たことがあります。
長物車もナローゲージになるとコンパクトで可愛い。背景に見える冬期歩道というのはコンクリート製のシェル
ターで中は歩道になっていて、ほぼ全線にわたって線路と並行しています。冬期運休中には関西電力関係者は、この歩道を20キロ歩いて欅平に到達し、保守点
検作業をおこなうそうです。ごくろうさまです。
戦前から走っていたL形電機EB5。宇奈月の電気記念館の前に保存してあります。草軽の電機とよく似てます。
FUJI X-E1 FUJINON XF 18-55/2.8-4 VOL.622
*** 道 を 曲 げ た 男 ***
先日、車窓から青々と生い茂った鎮守の森(写真1枚目)を撮ったとき、ある一人の方の逸話を思い出した。
その人は、近くの道路の拡張工事で伐り倒されそうになった樹齢300年もの楠6本を、矢も盾もいられず退職金をはたいて買い取ってしまったそうだ。
そのために道路は曲がって造られたが、楠は助かり人々の憩いの場となったという、木を心の底から愛してやまないクラフトマンT氏ならではの、ステキなエピソードだ。
今から10年前、取材でお伺いした折に立寄って撮影した大きく成長した楠。今年も涼しい風を送ってくれていることだろう。 (写真右上) 2005.8.30 JR 久大本線 日田駅前にて
① 2015.5.3 東海道新幹線 名古屋-三河安城間
② 2015.3.22 〃 京都-米原間
③ 2015.5.3 〃 名古屋-三河安城間
④ 2015.3.21 〃 米原-京都間
Nikon D4 ・ D2X 70-200mm F4 Vol.620
ピンクのバラの花道を同じバラ色の電車がやってきた。バラの匂いに包まれてカメラを構える。
先月は桜の季節だったが、今月はバラである。
都電荒川線の町屋付近は線路に沿ってバラの植え込みがあり、ちょうど今が盛りの見頃で、色あざやかな花を咲かせている。
沿線には140種、13,000株ものバラが植えられているそうで、丁寧に手入れされたバラは、乗って車窓から眺めてよし、沿線で撮影するもまたよしといった具合で、なかなか見事な眺めである。このバラは荒川区がすすめる植栽事業で、「荒川バラの会」の方々がお世話をしている。地域に美しい景観を作り出す努力を尊敬します。
町屋駅周辺は下町の風情が漂う町並みで散歩が楽しいが、ここはまた荒川線に京成電車、そして東京メトロと3つの路線が集まる便利な土地でもある。京成電車のホームは線路に沿ってカーブしており、車輪のきしむ音を立てながら頻繁に電車が行き交う。
このホームからは、ちょうど荒川線の線路が遠くまで見渡せて撮影にも好都合。日没間近まで撮影を楽しんできた。
パナソニックGH4 ルミックスGバリオ7-14/4 VOL.617
遠くから聞こえてくる子供たちの歓声、線路を見渡しながら元気に泳ぐ鯉のぼり、季節外れの真夏日を記録した眩しい陽射し・・・
土の香りはどこか懐かしく、少し甘い空気は山の向こうから遅い春の便りを運んでくれるのです。
春風のむこう
遠くの空がまだ少し霞んでいる。
静かなホームは清らかな春風に吹かれて冷ややかだ。
只見線 若宮 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
香り立つ
甘くて濃厚な香りに呼び寄せられる。
雪解けの小さな菜の花畑は、そこだけ輝き揺れていた。
只見線 会津水沼-会津中川 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
午後のひととき
緩やかな坂道は、そのまま踏切へと続いている。
小さなお社はいつだって見守ってくれている。
只見線 会津中川-会津川口 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
ボクたちの春
兄弟に従妹、そして兎クンも集まってきた。
汗ばんだシャツに、夕方の涼風がひんやりと心地よい。
只見線 越後須原-魚沼田中 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
夕明かり
風が急に冷たくなると、夕刻の静寂が訪れる。
いつしか日が長くなったことに気がついた。
只見線 会津西方 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
Vol.613
トレニタリア(イタリア鉄道の運行会社)の看板列車、特急フレッチャロッサ(赤い矢)が並ぶ。鉄骨の黒い背景に赤い車体が映える。
ヨーロッパの主要駅には、いまだ行き止まり式ホームを持つターミナル駅が多い。最近でこそ運用上の不都合か、新しくできた駅には直通式の構造の駅が多いが、やはりこの行き止まり式ホームというのは、いかにも終着駅という風情が感じられていいものである。
さてミラノ中央駅、堂々とした風格は駅というよりも大聖堂といってもおかしくないような威厳がある。開業は1931年、2005年から始まった修復作業も終わって美しくよみがえっている。もっとも印象的な特徴は、重厚感あふれる鉄骨によって巨大な丸屋根を支えている構造だろう。全長340メートルもあるホームをすっぽりと覆っている。
とりわけ夜になって、やや薄暗い構内照明によって鉄骨が照らし出されると、その重厚感はさらに魅力的に目に映る。映画のロケでもできそうな、実に雰囲気のある景観となる。
構内の片隅にはロッド駆動のクラシックなスイッチャーもいた。優等列車ばかりでなく、こういう小物も楽しい。
Canon EOS5DMkⅡ, Distagon35/2, EF17-40/4L VOL612
北海道北見への出張が急に決まった。夕方の便で北見へ入り、翌日の夜には東京に戻るといったタイトなスケジュールだ。
チケットも宿もスムースに取れて、ご機嫌で浜松町へ向かう。久しぶりの東京モノレール。天気はどんよりしているが、せっかく乗るのだから車窓ランドスケープをすることに。
どの号車に乗るかで上がりが大きく変わってしまう。撮れても撮れなくても、今日は片道だけの一本勝負だから気合いが入る。
* * *
定刻に女満別空港へ到着した。よく見ると日陰に残雪があるものの、気温は高い。リムジンバスの車窓からランドスケープをしながら、一路北見の市街地へ向かう。
途中で石北本線が併走するところがあったが、列車は来てくれない。
凛とした夕陽が出迎えてくれた・・・。
* * *
翌日、ホテルから仕事先へ向かう途中、陸橋からSLが見えた。公園に静態保存されたD50だった。ひと段落して、さっそく北見駅から歩いて行って見ると、とても保存状態のいい大正生まれのD50だった。
治公園の25号機の2両しか現存しない超貴重なカマだった。(写真右上)
近くには、石北本線を地下化するために生まれた北見トンネルがあり、すぐその脇には『ふるさと銀河線』の遺構が残っていた・・・。(写真右下)
撮影 : 2015.4.25-26 Nikon Df 16-35mm 24-70mm 70-200mm Vol.610
東京では桜開花を挟んで、ゆっくりと春が歩みを進めてきますが、雪国ではフキノトウが芽吹いたかと思うと花が一斉に絶え間なく咲き誇り、急ぎ足の春を感じます。
僅か1ヶ月前の本当の吹雪をすっかり忘れ、麗らかな花吹雪に酔いしれるのです。
さくらみち
虚空蔵尊の門前町である柳津は、この時期随所で桜が咲き誇る。
見上げれば桜の海原を泳いでいるよう。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
目覚めの時
遅い雪融けを待ちきれずに、フキノトウが力強く芽吹き出した。
レールは赤茶色に錆びているが、ちゃんと生きている。
只見線 会津蒲生-只見 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
はなだより
雪国の春は急ぎ足で来たかと思えば、さりげなく去ってゆく。
春光に煌めく桜吹雪は、惜しみなく吹く風に身を任せていた。
只見線 会津柳津 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
Vol.608
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