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2015年7月13日 (月)

駅チカの昭和風情 5 中央線中野のアパート   服部一人

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このアパート群は昭和26〜27年にかけて建設された、4階建て7棟、総戸数248戸だそうです。すでに築60年を越えているんですね。本当にすぐ近くに黄色い電車が見えます。

久しぶりの「駅チカの〜」シリーズは中央線中野駅です。前回の記事が今年1月の門司港だったので(こちら→http://blog.rail-on.com/2015/01/4-5226.html )、半年ほどもあいてしまいましたが、そのあいだ地方出張行くたびに、それらしい匂いを感じては駅の近くをウロウロしていましたが、意外や足もとの東京にぴったりの物件がありました。

こちらは中野駅のホームからも見えるのでご存知の方も多いと思います。中野は某有名中古カメラ店もあるし、いまや「まんだらけ」の巣窟となった「おたくビル」、中野ブロードウェイも好きなのでよく訪れていたのですが、今まで気がついたことがありませんでした。

私事ながら、先月、病気で人生初入院、初手術を経験し、その病院が中野だったのでたびたび通いました。ホームで電車を待っていて、ふと顔を上げたら目の前にこのアパート群があって気がついた次第です。ついでながら病気の方は幸い大したことなく、今は健康に元通りの生活をしていますのでご心配なく。

ここは正式名称を「東京都住宅供給公社中野駅前住宅」といいます。その筋の人たちにとっては有名な物件のようで、ちょっとネットで調べただけでもすぐにたくさん引っかかります。かつて都内にも何カ所かあった「同潤会アパート」のようなたたずまいの、なかなかシブイ物件です。敷地の中に緑が多く、しっとりと落ち着いた風情です。道路から敷地の中に入ると、それまでの町の喧騒が途絶え、結界を越えて別の世界に入ったような不思議な雰囲気があります。普通に住民の方が生活しているアパートですが、建物の枯れた「わびさび感」が絶妙です。

この手の物件の宿命ですが、ここも中野駅南口再開発の計画に入っていて、近い将来には取り壊しになるらしいです。まぁ、中野駅のすぐ近くに、今までこんな見事な昭和風情が残っていただけでも奇跡みたいなものですから、取り壊しは仕方ないことなのかもしれませんが、現役のうちに拝むことができてありがたいことでした。


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Pnasonic GH4, Lumix G 7-14/4                              VOL.646


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