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2015年8月22日 (土)

名古屋近郊の非電化ローカル線 東海交通事業城北線   服部一人

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うしろに見える道路は名古屋第2環状自動車道、路線の半分くらいはこの高速道路に沿って走る。

前回名古屋に行った折、かねてより訪ねてみようと思っていた非電化ローカル線を見てきた。ここは名古屋からごく近い都市圏にもかかわらず、単行のディーゼルカーが1時間に1本、行ったり来たりしているという不思議な鉄道である。東海道本線の枇杷島駅と中央本線の勝川駅をショートカットするような形で名古屋市の北側を走っている。全長11.2キロ、全線高架で踏切はひとつもなく、しかもロングレールにPC枕木という幹線並みの仕様を持ちながら、ディーゼルカーの単行である。このローカル線としてはきわめてアンバランスなところがおもしろがられて、たまに地元のメディアでも取り上げられているらしい。

現状はローカル線でありながら、こんな不似合いなほど高規格の路線を持っているのは、想像通り、設立のいきさつに由来するようだ。もともとは貨物輸送の路線として計画され、諸般の事情や時代の変化で計画は中止され、中途半端な形で残った、と簡単に言うとこういう事らしい。

現在はJR東海の子会社である東海交通事業という会社が運行をおこなっている。ディーゼルカーが単行でまかなえるほどの利用客だが、都市近郊でもあるし、潜在的な利用客はもう少し多いような気もする。しかし利用促進に向けて力が入っているわけでもない。

たとえば枇杷島駅で切符を買うときに券売機の上にある路線図を見ると、この駅からたしかに出ているのに城北線の記載がない。券売機をよーく見ると隅の方に「城北線」というボタンがあって、これを押すとやっと表示があらわれた。そういえば名古屋駅で城北線の連絡キップを買おうとしたら購入できなかった。また昨今当たり前になったスイカとかトイカなどの磁気カードも使えない。

全線11.2キロのあいだに名鉄犬山線、名鉄小牧線、名古屋地下鉄鶴舞線と、3つも他の鉄道と交差しているにもかかわらず、乗換の便宜はまったく考慮されておらず、それぞれの駅も接近していない。その最たる例が終点の勝川駅で、JR中央線の勝川駅の約500メートル手前で高架が忽然と終わり、仮設のような城北線の勝川駅がある。JRに乗り換えるためには5、6分は歩かないといけない。

うーん、このやる気のなさは何かあるな と考えるのが普通だろう。帰ってから調べたら、なるほどねー、こういうことらしい。
この鉄道の建設は、旧鉄道建設公団がおこない、現在はJR東海の保有ということになっている。しかしじっさいには旧鉄建公団に使用料として賃借料を払っている。完全にJR東海に譲渡されるのは2032年のことだそうで、それまでは毎年賃借料を払わないといけない。しかもこの賃借料というのは定額ではなく鉄道の資産価値が高まれば上昇するものらしい。

それで、たとえば電化したり、駅を接続して利便性を向上させると、そのための投資だけでなく、賃借料も上がってしまうということらしい。だから2032年まではあまりお金をかけずに細々と運営していきたい ということなのかなあと想像します。まあ、わからないでもないけどね。

鉄道そのものは、それほど車窓風景がいいわけでもなく魅力には乏しい。でも愛知県唯一の非電化旅客鉄道だそうだから、話のタネに1度乗ってみるのはいいかもね。


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枇杷島駅を出ると立派な高架の上を走る。ロングレールのおかげで乗り心地もいい。

_1020315                               車内にはいちおう、このようなポスターが……。

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終点勝川駅に着いたところ。

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JR勝川駅まではしばらく歩きます。右側には中央線の高架が見えます。

_1020359                               突然終わる高架の先端。


Pnasonic GH4, Lumix G 14-140/4-5.8                                                         VOL.666

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