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2015年10月 1日 (木)

駅のたたずまい 2 ブダペスト東駅   服部一人

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ブダペスト東駅はハンガリー最大のターミナル駅である。ヨーロッパの終着駅の伝統にならって、行き止まり式ホームに大きなドームを持つ風格のある駅だ。1884年の完成当時、最先端のモダンな駅だったという。今でも内外装の見事な装飾にその面影を残している。

9月初旬、チェコのプラハから国際列車で到着した。荷物を持ってホームに降りたとき、ちょうど正面の明かり取りの飾り窓から強い西日が差し込んでいた。僕はその光に向かってホームを歩く。正面出口を抜けた先の広場には予想外の光景があった。
非常に多くの人びとがそこに居座っていた。列車を待っている風情ではない。駅前で野宿しているような感じだ。最初は何が起きているのか理解できなかった。あとになって、これがシリアなどからの難民の流入だと知った。

数日をブダペストで過ごし、次の目的地のウィーンに行くため、ふたたび東駅に向かった。駅前の群衆はさらに膨れあがっていた。多くの警官が出て駅の入場を厳しく規制している。入り口のあたりは二重三重の人垣ができて大混雑している。僕は大きなトランクを引っ張り、汗をかきながら人の波をかき分け、警官にパスポートを見せ、やっとのことでホームに入った。時間に余裕を持って来たつもりだったが、最後は小走りになった。ウィーン行きの特急列車に乗り込み、とりあえず座席に座って一息つく。つい今しがたの駅前の喧噪とは、あまりに違う静かで平穏な車内だった。

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駅正面の上部にある2体の彫像は、ともに鉄道と蒸気機関車にゆかりの深いジョージ・スティーブンソンとジェームズ・ワットだそうです。



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ニュースで報道されていたように、大量の難民がオーストリアやドイツを目指してハンガリーに押しよせていた。小さな子供の手を引いている親もいる。いったい祖国を捨てざるを得ないとはどういうことだろう。

当たり前のことだが、人は生まれるときに場所と時代を選んで生まれてくることはできない。僕がこんな境遇に生まれたら、のんきに旅行などしている身分ではなかっただろう。こうしてふらふらと旅行できるありがたさをしみじみと感じ、彼らの行く末を案じながら、さらに旅を続ける。

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