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2015年12月

2015年12月31日 (木)

2015 今年の1枚 1号車 梅村貴子

およそ10日に一度のアップ期日前はヒ〜ヒ〜言いながらでしたが、今年もなんとかブログ記事を続けてこられました。見て下さっている皆様、お世話になった皆様のお陰様です、本当にありがとうございます。
そして今日のカットは今年最後の1枚ということで、列車運行に関わる全ての方々への感謝をこめてさりげないものですがこれを選びました。

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今年1月、石北本線白滝駅での様子です。来年3月には近くの上白滝駅、旧白滝駅、下白滝駅の好きな3駅が同時に廃止の決定がなされ、大きな寂しさもありますが諸事情を考えると仕方ないのかなと。新しく運行開始になる列車への期待よりも、なくなる列車や駅への想いの方が強いのは自分も歳をとったということかもしれません。
それでもなんでもこうして好きな写真を撮っていられることへのありがたさを忘れずにいたいと思います。

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   ○○○○○○○

作者近影代わりに・・・?

今年出逢ったDE君たち、ヘッドライトが目に、すぐ下の白い鎖が笑った口元に。1度そう見えてしまったら、もう<笑い顔>にしか見えなくなりました。皆さんに伝わっているのかわからないままに勝手に「スマイル君」と呼んでいます。

2016年が皆様にとりましてこんなスマイルがたくさんいっぱいの年になりますように


Vol.737

2015 今年の1枚 2号車 伊勢新一郎

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今年を振り返ってみると仕事はさらに忙しく慢性疲労で、遠方への撮影は
2月の永年勤続休暇で伊勢から大井川を巡る4日間の旅の一回のみ。
お伊勢参りのあと、立ち寄ったナローゲージの鉄道やカモメのいる駅と
大井川のSL。寒々しい冬の旅は、それはそれで楽しく順調だったのですが
埼玉の自宅まであと100キロというところで信頼していたTZのメモリー
カードが突然機能不全になり、3,000枚もの旅の記録が一瞬で消えて
しまいました・・・・
この時の記事2本(3/2、12の記事)は、GX1での押さえのカットを使った、
苦し紛れの組写真。2本しか記事にできなくて本当に残念です。

ということもあり、この1年間地元の鉄道中心にたいした写真も上げられ
ませんでしたが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

写真:2015年2月11日14時51分 大井川鐵道千頭駅にて

2015 今年の1枚 3号車  服部一人

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あっという間の1年。ついこのあいだ新年のブログ書いたような気がするのに、もう年の瀬。今年の1枚を選ぶために1年分のブログを振り返ってみた。今年自分が書いた記事は37本。例によって海外ネタが多かったが、1枚選んだのは正月の阪堺電車。1月3日付の記事だ。

このところ3年続けてお正月は阪堺電車を撮影に出かけていた。お目当ては当然モ161型。正月の初詣輸送で大活躍する旧型車を見るのは新年恒例の行事だった。しかし年々数が減り、今年の正月はついに3両しか見ることができなかった。いよいよ終焉も近いかと思わせる正月の宴だった。

その初号機161号。阪堺電車で運行を始めてから今年で88年、米寿である。凛々しい姿に敬意を表して1枚選んだ。最近もときおり通常運行に入っているようで、うれしい限り。いつまでも元気に走る姿を見せてほしい。

さて、来年の予定。現在連載中の「ザクセンの小さな鉄道」に続き、来年は「バルカンの小さな鉄道」やりたいなあ。それから今年は機材ネタがひとつもなかった。申し訳ありません。実は今年マウントアダプターをふたつも買ったのに、まだじゅうぶんに使っていません。来年はちゃんと記事にします。いつものように僕の3大好物、蒸気機関車、トラム、ローカル線の3つの話題で来年もお届けします。

今年も未知の鉄道を訪ねて、いくつかのすばらしい鉄道情景に出会うことができた。明くる来年も、また元気に旅を続けて、まだ見ぬ鉄道を訪ねて歩きたい。
皆さまもそろって良いお年をお迎えください。

                                                   2015 年の瀬に。     服部一人

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1月3日付の記事で使わなかったもう1枚の161もおまけでつけておきます。

VOL.735


2015 今年の1枚 4号車 太和田光一郎

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本年もご覧いただき、ありがとうございました。

さて、この一年を振り返って心に残った一枚は、6月7日にUPした記事の中に出てくる、本当に幸せそうな二人・・・。観るたびに、こちらまで嬉しくなっPmd_8104kt__3てしまいます。その後、何度となく撮り直し手前に列車を入れて撮ったのが今回お見せする写真です。 

今年もいろいろとございましたが、皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

2015.9.21 東海道新幹線 新横浜駅 (別テイク)

    〃                        品川-新横浜間 (デッキで撮影中の私)

Nikon D4   70-200mm F4      Vol.734

2015 今年の1枚 5号車  深川俊一郎

いつもお付き合いいただき、ありがとうございます。
ブログ開始4年目に入り、程よい緊張感をもって、自分なりのペースでアップさせてもらっています。
私事ですが、今年もレンズを1本買ってしまい、ますますハッセル体制を充実させてしまいました。
お気づきかもしれませんが、春以降、Planar FE 110mmF2 T*がたびたび登場しております。これはハッセルブラッドシステムで最も明るいレンズであり、フォーカルプレーンシャッター機専用レンズです。言い換えれば、フォーカル機は、このレンズを使うためのボディーと言えなくもありません。
決して廃れることのない深い味わいを楽しんでおります。

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さて今年の1枚ですが、これからじっくり撮りたい思惑に駆られている、広島電鉄の夏で締めくくりたいと思います。
暖冬といわれながら、年末になりようやく厳しい寒波も到来し、暑かった夏が少し懐かしくよみがえってくるのです。
それでは皆さまどうぞよいお年を。

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Vol.733

2015 今年の1枚 6号車 濱島 栄

「みなさん お久しぶりです」がすっかりおきまりの挨拶となり・・・、
今年も企画ものだけ登場するありさまでした。
相変わらずマイペースで Night Walker なぼくですが
この1年の皆様への感謝は他のメンバーと同じに思っています。
引き続き来年もどうぞよろしくお願いします。

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10月21日記事、鉄道の日企画2枚目のバリエーション写真。
2015年最後を光あふれる感じで締めくくります。

Vol.732

2015年12月29日 (火)

東海道新幹線ランドスケープ  151229  太和田光一郎

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                              *** 残 照 ***

                    影の長い季節。黄昏のつかの間の魅惑な時間・・・。

① 2015.11.15  東海道新幹線 三河安城-豊橋間 

② 2015.12.11         〃       品川-新横浜間

③     〃                〃             〃

Nikon D4   24-70mm F2.8   70-200mm F4         Vol.731

2015年12月27日 (日)

冬枯れのカンバス  深川俊一郎

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冬枯れのカンバス

冬至を迎えると、これから一日ずつ陽が長くなることに思いを馳せ、少し気は遠いけれど、前向きな気持ちになる。
澄んだ空気が、鮮やかな車体に冬枯れ模様を躍らせていた。

ひたちなか海浜鉄道 金上-中根 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.730

2015年12月25日 (金)

東海道新幹線ランドスケープ   「サンタさんがやってきた」   太和田光一郎  

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今日はクリスマス。街はたくさんの人たちで大賑わいです。先日乗った東海道新幹線の車窓からも、クリスマスの気分を充分味わうことが出来ました。

品川プリンスホテルの巨大ツリーは今年も色鮮やか💛有楽町界隈は幸せそうな人たちで溢れています。Pmd_9770k35_

乗車したひかり号が定刻に東京駅に到着すると同時に、となりの東北新幹線が発車したのでN700のワイパーに置きピンして狙っていると、何とサンタさんが早くもやって来ていました。(笑)

2015.12.12 東海道新幹線 品川-東京間・東京駅

Nikon D4   70-200mm F2.8      Vol.729

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2015年12月23日 (水)

片隅のクリスマス  深川俊一郎

ハロウィンが終わって数えればもう50日。こんなにも長い間、街はクリスマスに向けて盛り上がっています。
急ぎ行く人々が笑い声を残し、時には無言のため息を落としてゆく人も…飲み込まれてしまいそうな雑踏のクリスマス。

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片隅のクリスマス


オーナメントが色とりどりの小宇宙を映し出す。
クリスマスが急ぎ足でやってくる。

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ほろ苦い午後


人ごみを逃れて一杯のコーヒーにたどり着く。
焦げた苦みが心地よい。

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うわのそら


待ち合わせ場所は立ち止まるのも憚られるほどだ。
見上げればそこも人であふれていた。

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よそ行きの街


薄暮の街に気の早いイルミネーションが点灯した。
いつもの新幹線も少しきらびやかに見える。

有楽町 HASSELBLAD 201F・500CM Planar FE 110mmF2 T*・Distagon CF 50mmF4 T*・ET16

Vol.728

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2015年12月21日 (月)

DE10 スマイル君のMerry X’mas Show!!!  梅村貴子

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May all your Christmas wishes come true!     vol.727

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2015年12月19日 (土)

トラムの走る町 クリスマススペシャル 夜のブダペスト   服部一人

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ハンガリーの首都、ブダペストは夜景の美しい町です。とりわけドナウ川沿いの王宮、国会議事堂、くさり橋などはあざやかにライトアップされて夜空に輝くような美しさです。以前、昼のトラムを取り上げましたが(こちら→http://blog.rail-on.com/2015/09/5-af57.html )今回はドナウ川沿いを走る2系統の夜の風情をお届けします。ライトアップの光が黄色いので、トラムの車体の黄色もよく映えてあでやかな感じがします。


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CANON EOS 5DMkⅡ, EF70-200/4L IS, Makro-Planar50/2, Distagon35/2    VOL.726

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2015年12月17日 (木)

もうすぐクリスマス・・岳南鉄道の夜  伊勢新一郎

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Merry Christmas ! Vol.725

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2015年12月15日 (火)

ザクセンの小さな鉄道 6 グロッセン フェルトバーン博物館   服部一人

_2015_09_12_0486グロッセン構内のフェルトバーン。緑濃い雑木林の横にへろへろのレールで側線が引かれ、その先にはトロッコが数両停まっている。何とも心にしみるナローの情景でした。

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今回のザクセンのシリーズ、今まで蒸気鉄道ばかり紹介してきたが、ちょっと気分を変えてフェルトバーンをひとつ。ドイツ語のフェルトバーンとは日本語でいえばトロッコといったところか。目的が鉱山であれ、河川改修や砂利採取であれ、あるいは小さな工場の引き込み線であれ、野原に敷かれたひょろひょろの細い線路、そんなナローゲージ全般とでもいえばだいたいあっていると思う。

ここは以前に紹介したデルニッツ鉄道(こちら→http://blog.rail-on.com/2015/10/2-52e0.html )の終点、グロッセンの構内から森の中にのびている雰囲気満点のトロッコである。フェルトバーン本来の目的はすでに終わり、いったんは廃線になったものを整備して保存している。このトロッコの存在を知ってから、ぜひとも見てみたいと強く興味を引かれたものの、調べてみるとボランティアによる細々とした運営のようで、年間の一般公開日が何と9日しかない! それ以外の日はトロッコの運転もなく、森の中にある車庫やさまざまな施設を見ることもできない。日本からはるばる訪ねていくのに、これではいかにも狭き門だ。悩ましいところだが、幸いなことに今回のデルニッツ鉄道のイベントデイと重なって一般公開があった。これを逃す手はない。

構内の砂利積み込みのホッパーの下、日本でいえば宝くじ売り場のような小さな小屋があり、ここで切符を売っている。側線には実に可愛らしいDLに貨車3両をつなげた列車が停まっている。。デルニッツ鉄道の列車から降りたお客のうち、少なからぬ人が貨車に乗って出発を待っている。ここに来るまでは、こんなトロッコを見に来る人がいったいどれほどいるだろうかと思っていたが、けっこう人気があるようだ。

やがてブザーのような警笛を鳴らして、向こうからもう一列車やってきた。こちらも極小のDLだが、エンジンの音は姿に似合わず、なかなかに勇ましい。小さな車体を左右に揺らせながら入線してきた。本日はお客が多く増発するようだ。

お客が全部乗ったところでいざ森の中へと出発。本日は2列車の続行運転。鈴なりのお客が小さいトロッコに揺られて森の中に運ばれていく。レールも細く、保線状態もそれなりだからでこぼこしている。さらにレールのつなぎ目もけっこう開いていたりするから左右によく揺れる。もとより貨車を改造したオープンエアの客車なので座席も木だが、薄いクッションが敷いてある。そんな仕様なので台車の振動がダイレクトにお尻に伝わってくる。これに小型DLらしからぬ盛大な排気音が加わって 、乗り心地はかなりワイルドだ。でもこれぞトロッコ、なかなかいいもんですよ。

終点で採石を積み込む実演を見て、そのあと小さな車庫を見学したあとは、へろへろのレールをたどりながらあたりをゆっくりと歩いてみた。僕はこういう極小ナロー鉄道が大好きなのでたいへん満足。おもしろい体験でした。

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 これがグロッセン構内のホッパー(採石積み込み施設)の全景。600ゲージのフェルドバーンの小さな貨車から落とされた採石は1435ミリ標準軌の貨車に積み込まれ、その貨車は750ミリゲージのデルニッツ鉄道のロールワーゲンに乗っかっている。手間はかかっただろうけど、模型のようにたのしい施設だ。

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この日はお客が多かったので2列車が仕立てられ、続行運転で森の中に向かった。左に見えるのがホッパー。

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グロッセンをでると野原の中をゆるやかにカーブして、やがて森の中へと入ってゆく。

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左に見える車庫が小さな博物館のようなものになっていて、この中にもお宝のような小型DLがたくさん。

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こちらが実演を見せてくれる採石を細かく砕くクラッシャー。見物客の大半はマニアではなく、ご覧の通りの一般客。実演が始まり機械が動き出すと轟音とともに粉じんもでるし、僕はファンだから楽しいけど、普通の人がこんな物見て楽しいのだろうかと不思議に思います。しかし、けっこう熱心に見ている人が多いのです。

グロッセンフェルトバーン博物館 現地のガイドとアクセス
>

ここはデルニッツ鉄道の終点、グロッセンの構内から森の中の採石場を結ぶトロッコ。本文にも書いたように2015年の場合、年間9日間しか一般開放がないので、よく調べてから訪問しないと見られない。(ホームページはこちら、
ただしドイツ語→http://www.feldbahn-glossen.de/)

1991 年に廃止になったあと放置されていたものを94年に保存施設として復活させたもの。ここの特徴とすばらしさは積み込み用のホッパーから採石場からクラッ シャーまで、フェルトバーンの施設一式をすべてまるごと保存していること。そのためトロッコに乗って森の中にはいっていくと、フェルトバーンというものの 現役当時の雰囲気が非常に濃厚に感じられる。      (2015年9月現在)

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ぽつんと森の中に停められたDL。森林鉄道の一場面のようにも見える味わい深さ。

CANON EOS 5DMkⅡ, EF70-200/4L IS, Makro-Planar50/2, Distagon35/2   VOL.724

15ch_2              明後日17日よりクリスマス特集をします

2015年12月13日 (日)

ゆずと行く・・雨の入間川鉄橋 伊勢新一郎

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LumixGX1、OlympusSH1 Vol.723

2015年12月11日 (金)

LongDistance *** 今年も冬がやって来る *** 梅村貴子

ついこの間、紅葉が綺麗・・・と思っていたら、早くも北の地から積雪の便りが届くようになりました。

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今年も良い冬になりますように・・・

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OLYMPUS OM-D E-M1 ・ 40-150mm f2.8
JR北海道 石北本線  伊香牛-愛別 / 上川-奥白滝 ・ 宗谷本線 北比布-蘭留  2015年3月撮影
Vol.722

2015年12月 9日 (水)

有軌電車のある街-大連市電 9  深川俊一郎

曇りの大連はしっとりして、少し寂し気な表情でした。
向こうが霞んで見えると、大気の状態が少し気になりますが、幸いにしてただの霧だったようです。

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急ぎ足の街角


駅前の交差点は、車と歩行者が絶え間なく流れてゆく。
ほんの一瞬の静寂の隙間から、重々しく路面電車が現れた。
大連市電 勝利橋-大連火車駅 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

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変わらない街


車体を震わせながら、坂道を三輪自動車とともにゆっくりと登ってきた。
高層ビルに挟まれて、変わらない街がそこにはある。
大連市電 東関街-市場街 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.721

2015年12月 7日 (月)

東海道新幹線ランドスケープ  151207  太和田光一郎

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① 2015.7.20  東海道新幹線 三河安城付近 

② 2015.1.29          〃      名古屋-三河安城間 

③ 2015.3.8            〃        品川-新横浜間

④ 2015.3.21          〃          米原-京都間   

⑤ 2014.2.14          〃          京都-新大阪間 

 Nikon D4   24-70mm F2.8   70-200mm F4        Vol.720

2015年12月 5日 (土)

ザクセンの小さな鉄道5 フィヒテルベルク鉄道   服部一人

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当鉄道最大のハイライト、クアオルト・オーバーヴィーセンタール駅手前の鉄橋。誰でも撮るお立ち台だが、たしかにいい場所。この日は待っているうちに次第に霧が深くなり、やがてあたりは真っ白に。やれやれどうしたものかと心配したが、列車が来る頃には、この程度までは回復してホッと一安心。

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もうひとつの有名お立ち台、クランツァールを出て少し行ったところの美しいカーブ。ちょうど夕方の西日が当たる頃できれいに編成が撮れた。背景の山の向こうに、今は廃墟となった工場の煙突が見える。


フィヒテルベルク鉄道のDBとの接続駅はクランツァール。特に観光地があるわけでもない、チェコ国境に近い静かな小さな山あいの町だ。ドレスデンから列車を乗り継ぎ、ガランとして人気のないこの駅のホームに降りた。あたりを見渡せば側線が何本もある広い駅構内だが、活気がなく静かで、ところどころに留置車両が打ち捨てられたように点在している。少し離れたところには、もう操業をやめて久しいであろう工場が廃墟のようになって、大きな煙突がモニュメントのように残されている。

ドイツの旧東ドイツ側、社会主義体制をかつて維持していたエリアを旅していると、このような風景をよく見かける。私はこの寂寥とした雰囲気が好きで、見かけるたびにせっせと写真を撮っている。窓ガラスが割れ、レンガ造りの壁にはペイントで大きく落書きが書かれ、ところどころ屋根も落ち骨組みが露出しているといった風情だ。社会主義時代にはそれなりに盛業していたのだろうが、時代が変わり体制が変わって競争力をなくしたのだろうか。今まで紹介したザクセンのナロー鉄道も、かつてはそうした工場の貨物輸送を担っていた時代もあった。ナローと標準軌の線路が交錯する広い構内は、昔の繁栄の名残である。

お目当ての蒸気列車が来るまでにはまだ少し時間があったので、広い構内を散策してみる。今は無人駅だが、レンガ造りの大きな駅舎、ホームにいたる地下の通路の薄暗さ、古ぼけた木の窓枠、もう使われていない腕木式信号機、ナローと標準軌の貨物を積み替える側線の少し錆びた車両たち。だだっ広い構内には濃厚に東ドイツのかつての雰囲気が残っていて、今まで見たなかでも第1級の物件である。

前置きが長くなったが、しみじみした雰囲気に浸っているうちに彼方で汽笛が聞こえ、おなじみの1E1タンク機関車がバック運転で長い客車を引いて入ってきた。死んだように静かだったホームに人の声が戻り、汽車の煙と暖かさが、それまで無人の映画のセットのようだった風景を現実の世界に引き戻した。

乗車して、とりあえず終点のクアオルト・オーバーヴィーセンタールを目指す。クランツァールを出た列車は住宅街の市街地を抜け、なだらかな丘陵地帯をカーブしながら進んでいく。
途中駅のノイドルフをすぎたあたりから列車は森の中に入っていく。いくつものカーブを繰り返したあとに少しひらけた谷筋にでる。車窓すぐ左手に小川が見えるが、これがチェコとの国境だという。いつも思うことだが、ナローの小さな客車の座席でコーヒーでも飲みながら(ビールでもいいけど)、流れゆく車窓風景を眺めているのは、のんびりした楽しいひとときだ。見知らぬ外国の風景であっても時になぜか懐かしく、飽きることがない。

始発駅のクランツァールは晴れていたのに、終点クアオルト・オーバーヴィーセンタールが近づく頃にはすっかり曇ってしまった。どんよりとして冬のような重たい雲の空だ。気温もだいぶ下がってきた。終着クアオルト・オーバーヴィーセンタールに到着した時にはあたりは霧が出て遠くがかすんでいた。ホームに降り立つと肌寒いを通り越して、かなり寒い。吐く息が白いくらいだ。ここの標高は約900メートル。もう山の気候だ。

次の列車を駅手前の有名な鉄橋で撮ろうと思うが、まだ時間がある。外で立っているにはつらいくらいの寒さになり、駅の待合室に戻って時間つぶしをする。今日は山に行く格好をしていない。平地の撮影スタイルだ。ちょっと油断したかな。

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クランツァールで出発を待つ列車。

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山から下りてきてクランツァールに進入するところ。右手に見える標準軌はDBの線路。

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クアオルト・オーバーヴィーセンタールで一休みの機関車。おなじみの1E1タンク。

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クアオルト・オーバーヴィーセンタールに向かって霧の中を力行してくる列車。かなりゆっくりした足どりで登ってくる。

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途中のノイドルフで列車交換。

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クランツァール駅全景。中央のDBの線路をはさんで左にナローのホーム、右に貨物の積み替え施設がある。左右ともに標準軌とナローの線路が配線され、平面交差もある興味深い構内。DBの線路はさらに進んでチェコとつながっているが、現在はこの駅が終点でチェコに向かう列車は運転されていない。
構内のあちこちに古びた、味わいのある風情が点在している。

フィヒテルベルク鉄道 現地のガイド アクセス
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フィヒテルベルク鉄道は今まで紹介した鉄道に比べると、ややアクセスが悪い。ザクセン州南部のチェコ国境地帯にあり、大都市からも離れている。ドレスデンからだとまず快速(RE)か普通列車に乗ってケムニッツを目指す。これがだいたい1時間半くらいかかる。そのケムニッツか、または少し手前のフローアという駅でクランツァール行きの普通列車に乗り換えて終点がクランツァールである。これも約1時間少しかかる。このローカル線は山沿いの渓谷をたどりながらいい景色の中を走るが、列車本数が少ない。時刻をよく調べて接続のいいようにしないと思わぬ時間を食ってしまう。率直なところドレスデンやライプチヒから鉄道で日帰りで訪れるには不便である。レンタカーの方が効率がいいだろう。

クランツァールは無人駅。駅周辺にはお店や食堂はない。終点のクアオルト・オーバーヴィーセンタールは冬のスキーなどで有名なウインターリゾートである。町にはホテルやレストランはあるが駅の周辺にはあまりお店がなく、駅構内にも小さな食堂が1軒あるのみだ。鉄道撮影が目的なら水と食料は持参していった方が無難。

フィヒテルベルク鉄道は全長17.3キロ。軌間750ミリのナローゲージである。終点のクアオルト・オーバーヴィーセンタールに向かって上り勾配が続く。機関車も正向きなので、撮影にはこちらがおすすめ。山から下る列車はバック運転となる。1日6往復で全列車蒸気牽引である。ここはウインタースポーツのために冬にお客が多く、夏に次ぐハイシーズンとなっている。そのため中間となる秋頃や春先には列車本数が半分程度に減る期間がある。鉄道の経営はザクセン蒸気鉄道会社というところで、前回までに紹介したレスニッツグルント鉄道やヴァイセリッツタール鉄道も同じ会社の経営。(ホームページはこちら→http://www.fichtelbergbahn.de/aktuelles/

おおざっぱに言ってクランツァールからノイドルフあたりまでは丘陵地帯と住宅街。そこから森になり、やがて開けた森林地帯を行き、終点クアオルト・オーバーヴィーセンタールに到着する。撮影ポイントとしては写真にもあるクアオルト・オーバーヴィーセンタール手前の鉄橋が一番有名。四季を問わず、ここで撮られた写真はよく見かける。駅のすぐはずれなのでアクセスがいたって楽。鉄橋自体も上り勾配なので、力行運転でやってくる。遠くの谷筋を走っている時から煙が見え、ドラフトや汽笛が聞こえるので長時間楽しめる。
もうひとつのクランツァールを出てすぐの丘陵地帯の大カーブも有名な場所。こちらは駅から徒歩20分くらいか。気持ちのいい編成写真が撮れる。
 (2015年9月現在)


CANON EOS 5DMkⅡ, EF70-200/4L IS, Makro-Planar50/2, Distagon35/2   VOL.719

2015年12月 3日 (木)

ゆずと行く・・武蔵野線荒川鉄橋  伊勢新一郎

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LumixGX1,OlympusSH1 Vol.718

2015年12月 1日 (火)

LongDistance ∴‥∴‥ Impression of the night station 3 ‥∴‥∴  梅村貴子

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JR北海道 石北本線 安国駅
Canon EOS 6D 17-40mm F4L           Vol.717

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