トラムの走る街6 ドレスデン 服部一人
昨年から連載中の「ザクセンの小さな鉄道」は、ここのところお休みをいただいていますが、まだ完結したわけではありません。あと数回分紹介するネタがあるのですが、今日はちょっと気分を変えてトラムにします。
ドレスデンはザクセン州の大都市、人口50万を超えます。トラムも12系統、総延長130キロあまりとドイツでも有数の規模を誇ります。一般的にドイツでは旧東ドイツ側の都市は、西側に比べてモータリゼーションが進まなかったのでトラムの廃止が少なく、現在でも大規模なネットワークを持っている都市がいくつもあります。
ドレスデンのトラムは近代化が進み、現在ではほぼすべてが低床式の連接車となっています。古い物好きのトラムマニアとしては旧型車が走っていないのがちと残念ですが、そんなことは好き者のたわごと。静かで乗り心地のよいスマートなトラムが街を走るようすは、これからの時代のトラムのあるべき姿でしょう。
基本的には黄色い車体ですが、一部にラッピングの広告電車が走ります。
ドレスデン中央駅の重厚な建物をバックに今どきのスマートな連接車が行く。
軌道敷地内はグリーンベルトとなっている区間もあり、都市の中にあって気持ちのいいものです。後方に小さく見える赤い電車は事業用車。
ドレスデンのトラムといえば名物がこの「カーゴトラム」。フォルクスワーゲンの工場が市内にあるのですが、敷地が狭く部品や資材置き場を工場内に作ることができなかったそうです。そこで離れた部品置き場と工場の間で荷物輸送の必要性が生じたのですが、これをトラックでやると排気ガスなどで都市の環境汚染の一因となる、というわけで両方を結ぶカーゴトラムができたというわけです。
1時間に1本程度は走っているようで、滞在中は何度か見かけました。世界的にも珍しいトラムの路線上を走る貨物列車です。
余談ですが、これは歩行者信号用の可愛い女の子のキャラクターです。社会主義の旧東ドイツ時代に採用されました。アンペルマンというちゃんとした名前があって、実は男の子バージョンもあります。というか男の子バージョンの方が多く、写真のような女の子バージョンは貴重です。3頭身の可愛らしさゆえに人気が出て、今では実にたくさんのキャラクターグッズが発売されています。日本にもショップがあって手に入ります。このアンペルマン、考案されたのが僕の生まれた年と一緒なので、同年齢で親近感があります。おみやげに買ってきたコースターなどを部屋に飾っています。
Canon EOS5DMk2, 70-200/4IS, Makro Planar50/2 Distagon35/2 VOL.752
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