« ザクセンの小さな鉄道10 最終回 拾遺 旅のスタイル   服部一人 | トップページ | ゆずと行く・・春の気配  伊勢新一郎 »

2016年3月13日 (日)

夜行列車の印象-最後の急行はまなす  深川俊一郎

青森駅のホームに降り立つと、無意識にその先の暗闇に目を向けてしまう。
急ぎ足で連絡船を目指す人の波…
でも瞼の裏で桟橋をみるのもこれが最後になるだろう。

16012
見えない桟橋

16012_2
夜更けの誘い


昭和の終わりに青函トンネルが開通し、北海道へ向かう儀式がなくなってしまってからも、唯一その片鱗を感じさせたのが、急行はまなすであった。
夜行列車には、様々な想いが荷物に詰められて、少し硬い揺れとともに遠い地に向かう期待と不安が滲んでいる。

16012_3
夢心地


16014
夜汽車


寝台車もいいが、夜行列車の味わいは、やはり座席車だ。夜がどこまでも更けていきそうな、不思議な感覚に陥ってしまう。
指定席は昔のグリーン車のお古で、今の新幹線とは比べ物にならないほど深く倒れ、体になじむ。
そしていつの間にか睡魔に襲われ、気がつけばちゃんと夜は明けているだろう。

16014_2
深夜の儀式

急行はまなすが本当の終着駅に到着するときに、そんな旅愁は語り継がれる過去と化す。

HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.779

« ザクセンの小さな鉄道10 最終回 拾遺 旅のスタイル   服部一人 | トップページ | ゆずと行く・・春の気配  伊勢新一郎 »

深川俊一郎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 夜行列車の印象-最後の急行はまなす  深川俊一郎:

« ザクセンの小さな鉄道10 最終回 拾遺 旅のスタイル   服部一人 | トップページ | ゆずと行く・・春の気配  伊勢新一郎 »

最近のトラックバック

2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30