夜行列車の印象-最後の急行はまなす 深川俊一郎
青森駅のホームに降り立つと、無意識にその先の暗闇に目を向けてしまう。
急ぎ足で連絡船を目指す人の波…
でも瞼の裏で桟橋をみるのもこれが最後になるだろう。
見えない桟橋
夜更けの誘い
昭和の終わりに青函トンネルが開通し、北海道へ向かう儀式がなくなってしまってからも、唯一その片鱗を感じさせたのが、急行はまなすであった。
夜行列車には、様々な想いが荷物に詰められて、少し硬い揺れとともに遠い地に向かう期待と不安が滲んでいる。
夢心地
夜汽車
寝台車もいいが、夜行列車の味わいは、やはり座席車だ。夜がどこまでも更けていきそうな、不思議な感覚に陥ってしまう。
指定席は昔のグリーン車のお古で、今の新幹線とは比べ物にならないほど深く倒れ、体になじむ。
そしていつの間にか睡魔に襲われ、気がつけばちゃんと夜は明けているだろう。
深夜の儀式
急行はまなすが本当の終着駅に到着するときに、そんな旅愁は語り継がれる過去と化す。
HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
Vol.779
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