駅のたたずまい 4 ドレスデン中央駅 服部一人
近郊のローカル列車のほか、ベルリン、プラハ、ニュルンベルク方面などと特急列車が発着している。
昨年秋にザクセンの小さな鉄道を訪ね歩いた旅は、おもにドレスデンをベースにした。ちょうどその頃、シリアからの難民がヨーロッパ諸国に大量に押しよせ、連日大きなニュースとなっていた。僕も旅の途中のハンガリー東駅で大量の難民と遭遇した。彼らの多くは難民受け入れに比較的寛容なドイツを目指すといわれていた。
ウィーンからの夜行列車で早朝にドレスデン中央駅に到着したときには、同じ列車から数組の難民家族が降り立った。ホームには警官が待ち構えており、そのまま静かにバスに乗ってどこかに連れられていった。
滞在中、駅前のインターシティホテルに宿泊して、毎朝早くに駅に向かい、そして暗くなる頃に帰ってきた。駅の構内にはファーストフード、カフェがあって、いつもランチとコーヒーを買ってから列車に乗り込むのが日課になっていた。夜9時までやっているスーパーもあり、帰りにはここで夕食とビールを買ってホテルに戻った。キオスクを兼ねた本屋が2軒あって、どちらも鉄道雑誌の充実ぶりはなかなかのもので行き帰りに立ち読みするのも楽しみのひとつだった。さて1週間もこんな生活を続けていると、なんだかホームタウンの駅のような馴染みを覚えてきたものだ。
ドレスデンは第二次世界大戦末期、大規模な爆撃を受け町は壊滅状態になった。この駅は1897年に開業していたが、駅舎も当然大きな被害を受けた。今の建物は戦後再建され、そして2000年以降に改修されたものだ。ヨーロッパの伝統的な行き止まり式ホームの両側に高架の通過式ホームが増築され、それらが丸屋根で覆われている。
CANON EOS 5DMkⅡ, EF70-200/4L IS, EF17-40/4L, Distagon35/2 VOL.783
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