トラムの走る町 9 リベレツ チェコ(下) 服部一人
プロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所に到着するヤブロネツ ナド・ニソウ行き電車。道ばたで立っている乗客も絵になります。
プロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所で電車を待つ人々。道路脇の小屋のような待合所も実にいい雰囲気です。
僕くらいの世代だと、どうしても今はなき名鉄美濃町線の下芥見あたりを連想してしまうものです。21世紀も10年以上が過ぎた現在、異国とはいえ、こういうのどかな鉄道情景を目にすることができるのはうれしいかぎり。来た甲斐があったというものです。
こちらは反対側からプロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所を見たところ。
楽しき路側軌道を求めて
さて前回に引き続き(前回はこちら→http://blog.rail-on.com/2016/05/8-a106.html) リベレツのトラム、いよいよお待ちかねの田舎道の路側軌道である。
村の小さな停留所といった風情の、この場所はプロセチェ(PROSEC N.N VYH)。ここは交換駅で路側に2線分のレールがある。ホームは特になく、地面からそのまま乗り込むようになっている。道路は簡易舗装されているが、ところどころ補修されたり、はがれたりして砂利も見える。そんなたたずまいがなかなかお似合いである。
このあたりは静かな村の田舎道に沿って進む。民家が点在し、小さな森もあるのどかな区間だ。この田舎道は車も人も、さして交通量が多いわけではないが、電車はややスピードを落としてやってくる。一方、専用軌道の区間ではけっこうなスピードで走り去っていく。
路側軌道は、いわゆる路面電車とも普通のローカル線とも違う魅力がある。しいていえば、その両方、または中間といってもいいかもしれない。人と鉄道の距離が近く、村の人々の生活の中を電車が走っている感じだ。
NOVY SVET付近の森の近くを走る電車。
トラム11系統はリベレツ市街から終点のヤブロネツ ナド・ニソウまで、ほぼ両都市を結ぶ道路に沿って走っている。道路は立派なもので交通量もあり、この脇を走っているからといって、路側軌道という風情とはほど遠い感じである。
しかしプロセチェを中心とする区間(PROSEC N.N POSTA~PROSEC N.N VYH~NOVY SVET 路線概略図参照)だけは幹線道路から離れ、旧道のような小さな村の中を走る。ここがお目当ての区間である。
プロセチェという名の停留所は2カ所あって、ひとつはPROSEC
N.N POSTA。もうひとつはPROSEC N.N VYHという名前でよく似ている。(路線概略図参照)路側軌道の中心地はこのPROSEC
N.N VYHの方である。
NOVY SVET付近はちょっとした森の近くを専用軌道で走り、少し山深い里山といった感じの写真が撮れる。中間のPROSEC N.N VYHは路側軌道の雰囲気満点。いうことなしである。この3つの駅間はのんびり歩いて行けるほどの距離。列車密度もローカル線の割には高いのでたくさん写真が撮れて楽しい。
プロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所の前後は民家が点在する村の中を入る。場所によっては道路も狭くなり、より雰囲気が出る。
もうひとつのプロセチェ(PROSEC N.N POSTA)停留所も僕はかなり気に入った。ちょっと谷間のようなところにゆるやかなカーブを描いてホームがある。右の背後にある踏切は同区間を並行して走るチェコ鉄道の線路。
CANON EOS 5DMkⅡ, EF70-200/4L IS, Makro-Planar50/2, Distagon35/2 VOL.811
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