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新緑の停車場で出発を待つさくら1号。かつて日本中にあった蒸気軽便鉄道の雰囲気が少し味わえます。
ダブルルーフ風のオープンデッキの客車もいい感じです。
福島県伊達市にある、やながわ希望の森公園。ここには小さなSLが走っている。公園の遊戯施設とはいえ本物の蒸気機関車。約800メートルの区間はさほど長くないけど、のどかな田園地帯をゆっくり走る姿はいなかの軽便鉄道の気分です。
汽車の名前も「さくら1号」というだけあって、桜の季節がとりわけすばらしいのはもちろんですが、今頃の季節も緑あふれる若葉のみずみずしさがなかなかいいもんです。軽い気持ちで訪ねてみたのですが、けっこう楽しめるところです。
Canon EOS5DMkⅡ, EF 70-200/4L, Makro-Planar50/2, Distagon35/2 VOL.816
桜前線が津軽海峡を渡ると、東京はもう初夏の陽気です。
新幹線上陸とともに、函館の地にも新しい春がやってきました。
準備万端
昨日の冷たい雨が嘘のように晴れ渡る。
風は強いけれど、出発準備万端だ。
函館市電 駒場車庫前 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
元町界隈
街角のちょっとしたディテールにも異国情緒を覚える。
小さな電車がスッと溶け込んでいる。
函館市電 十字街-宝来町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
桜前線北上
大三坂は石畳のひっそりと静かな佇まいだ。
冷たい春風に揺れる桜は、一層鮮烈にみえる。
函館市電 十字街-末広町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
潮風とともに
十字街の交差点を、車体を軋ませて大きくカーブしてゆく。
港から微かに潮の香りが漂ってきた。
函館市電 十字街-宝来町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
Vol.813
プロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所に到着するヤブロネツ ナド・ニソウ行き電車。道ばたで立っている乗客も絵になります。
プロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所で電車を待つ人々。道路脇の小屋のような待合所も実にいい雰囲気です。
僕くらいの世代だと、どうしても今はなき名鉄美濃町線の下芥見あたりを連想してしまうものです。21世紀も10年以上が過ぎた現在、異国とはいえ、こういうのどかな鉄道情景を目にすることができるのはうれしいかぎり。来た甲斐があったというものです。
こちらは反対側からプロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所を見たところ。
楽しき路側軌道を求めて
さて前回に引き続き(前回はこちら→http://blog.rail-on.com/2016/05/8-a106.html) リベレツのトラム、いよいよお待ちかねの田舎道の路側軌道である。
村の小さな停留所といった風情の、この場所はプロセチェ(PROSEC N.N VYH)。ここは交換駅で路側に2線分のレールがある。ホームは特になく、地面からそのまま乗り込むようになっている。道路は簡易舗装されているが、ところどころ補修されたり、はがれたりして砂利も見える。そんなたたずまいがなかなかお似合いである。
このあたりは静かな村の田舎道に沿って進む。民家が点在し、小さな森もあるのどかな区間だ。この田舎道は車も人も、さして交通量が多いわけではないが、電車はややスピードを落としてやってくる。一方、専用軌道の区間ではけっこうなスピードで走り去っていく。
路側軌道は、いわゆる路面電車とも普通のローカル線とも違う魅力がある。しいていえば、その両方、または中間といってもいいかもしれない。人と鉄道の距離が近く、村の人々の生活の中を電車が走っている感じだ。
NOVY SVET付近の森の近くを走る電車。
トラム11系統はリベレツ市街から終点のヤブロネツ ナド・ニソウまで、ほぼ両都市を結ぶ道路に沿って走っている。道路は立派なもので交通量もあり、この脇を走っているからといって、路側軌道という風情とはほど遠い感じである。
しかしプロセチェを中心とする区間(PROSEC N.N POSTA~PROSEC N.N VYH~NOVY SVET 路線概略図参照)だけは幹線道路から離れ、旧道のような小さな村の中を走る。ここがお目当ての区間である。
プロセチェという名の停留所は2カ所あって、ひとつはPROSEC
N.N POSTA。もうひとつはPROSEC N.N VYHという名前でよく似ている。(路線概略図参照)路側軌道の中心地はこのPROSEC
N.N VYHの方である。
NOVY SVET付近はちょっとした森の近くを専用軌道で走り、少し山深い里山といった感じの写真が撮れる。中間のPROSEC N.N VYHは路側軌道の雰囲気満点。いうことなしである。この3つの駅間はのんびり歩いて行けるほどの距離。列車密度もローカル線の割には高いのでたくさん写真が撮れて楽しい。
プロセチェ(PROSEC N.N VYH)停留所の前後は民家が点在する村の中を入る。場所によっては道路も狭くなり、より雰囲気が出る。
もうひとつのプロセチェ(PROSEC N.N POSTA)停留所も僕はかなり気に入った。ちょっと谷間のようなところにゆるやかなカーブを描いてホームがある。右の背後にある踏切は同区間を並行して走るチェコ鉄道の線路。
CANON EOS 5DMkⅡ, EF70-200/4L IS, Makro-Planar50/2, Distagon35/2 VOL.811
冬と春の境目があまりにも曖昧だった今年の春。
カレンダーを一枚間違えたかと思うほど、季節に追い越された印象です。
まぶしい朝
顔を上げるのが重たく感じるほど、まぶしい光が降り注ぐ。
朝の駅には始まりの期待感が詰まっている。
只見線 会津坂下 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
古木目覚める
空を覆わんばかりに枝を伸ばす古木がある。
田んぼの真ん中、小さな花盛り。
只見線 新鶴-若宮 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
裏街道
ひんやりと冷たい裏街道に、寒気をもよおす看板あり。
鈍く光る線路もけものみちなのだろうか・・・
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
春がきた
列車が来ない長い時間がゆっくりと過ぎてゆく。
そんな時に今さらながら春を実感する。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*
Vol.808
リベレツのトラムには3線区間がある。市内の一部は標準軌で今どきのLRTも走る。一方お目当ての「路側軌道」方面はメーターゲージである。
楽しき路側軌道を求めて
昨年、ザクセンの小さな鉄道を見て歩いた際、ちょいと足を伸ばしてドイツ国境に近いチェコ北部の都市リベレツのトラムを見てきた。ここは「Rail Magazine」の編集長名取さんがやっているブログに以前載っていたものだ。このトラムの魅力は、なんといっても路側軌道を走る田舎電車の風情である。日本の路面電車でも市街を離れ郊外にさしかかると、道路の中心ではなく路肩に沿って線路が敷かれているところがある。狭い田舎道の片側に線路があり、道路との境には特に柵があるわけでもなく、道路脇をガタゴトと電車が走っているような風情、それが鉄道情景としての路側軌道の楽しさである。
ブログに紹介されたリベレツの路側軌道は田舎電車の風情が満点で、すぐにでも現地に行きたい気持ちになったものだ。やっと昨年訪れることができて、のどかな雰囲気をじゅうぶんに堪能することができた。さいわい現地は大きな開発もなく、ブログで紹介された頃とさして変わらない田舎の路側軌道の楽しさにあふれていた。今回と次回に分けてリベレツのトラムを紹介するが、今回はまずリベレツ市内と終点のヤブロネツ ナド・ニソウあたりをご覧に入れます。
リベレツのトラムは市内と郊外の路線があり、お目当ての路側軌道は郊外線の方。約10キロ離れた隣町のヤブロネツ ナド・ニソウというところに行く途中にある。この系統番号11番はいわゆるインターアーバンで、トラムというよりは近距離都市間輸送の性格が強い。
チェコ鉄道のリベレツ駅前にはその名も「駅」という停留所があり、ここよりひと駅行って鉄道と立体交差した先にあるビアダクトが起点である。終点のヤブロネツ ナド・ニソウまでの区間、チェコ鉄道も並行して走っているのだが、トラムの方が本数が多く、また停留所間隔も短いので利用者はけっこう多いように感じた。
リベレツトラム11系統概念図
鉄道橋の下をくぐって起点のビアダクトに到着。11系統の車両はすべておなじみのタトラT3。2両編成が基本。 鉄道橋を反対側から見たところ。
ビアダクトでループして方向転換。
こちらは反対側の終点ヤブロネツ ナド・ニソウ。公園の中にループがある。この緑と白に黄色のラインが入るのがリベレツの標準塗装。ほかに広告車両も多い。
リベレツのトラム アクセスと現地ガイド
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リベレツはチェコ北部の人口10万を超える都市だが、首都プラハからのアクセスは不便で時間がかかる。隣国ドイツのドレスデンから列車で訪れるのが得策である。ドレスデン中央駅からは第3セクターのTRILEXという鉄道が国境を越えてリベレツまで直通列車を走らせている。1日約9往復。所要時間は2時間ちょいである。(2015年9月現在) これに乗るとドイツ側の国境の駅ツィタウを出ると小さな川を渡って、わずかの区間ポーランド領内を走り、その後チェコに入るのである。
現在はEU内はパスポートコントロールがないので通過するだけだが、おもしろいことにポーランド領内に入ると明らかに列車のスピードが落ちる。窓から見てもドイツにくらべ保線状態が悪く、やや振動が多くなった感じだ。やがてチェコ内に入ると少しスピードを上げてリベレツに到着する。このあたりは国境が入り組んでおり、歴史上国境が移動し、領土を取ったり取られたりを繰り返してきた。リベレツもかつてドイツ領だった時代もあり、ドイツ時代はライヒェンベルクと呼ばれていた。
このルートで入国する際の注意点として、リベレツ駅の構内には見たところ両替所がない。チェコはEUだが独自通貨のコルネを使っているのでユーロでは買い物1つでも困ることになる。何らかの方法で事前にコルネを入手しておいた方がよさそうだ。
トラムの料金は市内が1ゾーン、ヤブロネツ ナド・ニソウまで行くと2ゾーンで値段が違う。途中下車もするし、言葉も通じない土地でいちいち切符を買うのも大変なので僕は1日券を買ったが、これがなかなかたいへんでした。
ナイゼ川という、この小川がドイツとポーランドの国境。国境といってもこんなもんです。
チェコ鉄道のリベレツ駅。左側がややレトロなチェコのDC。進入してくるのがドレスデンからの直通快速。
リベレツ駅前の「駅」停留所。左側にある雑貨屋で1日券を買おうとしたら、「通常の切符は売ってるけど1日券は券売機で買え」と言われて(チェコ語だったので詳細は不明ながらも、たぶんそんなことを言っていた。)ホームの券売機に行くが、表記はチェコ語のみ。しかも紙幣は使えないというお粗末なマシーン。いったん駅に戻ってサンドイッチ買って小銭を作り、ふたたび券売機に戻りコインを入れると、何度入れてもコインがはじかれて出てくる。見たところコインに不具合はないのだが、らちがあかないのでもういちど買い物をしてまた小銭を作り、再度挑戦したらやっとキップが出てきた。あー大変だった。日本のすばらしい券売機が恋しいです。ちなみに1日券は80コルネ。(およそ350円)
日中は1時間に4本あり、けっこう頻度は高い。
さて、これがお目当てのすばらしい路側軌道。次回詳しくご紹介します。お楽しみに。
CANON EOS 5DMkⅡ, EF70-200/4L IS, Makro-Planar50/2, Distagon35/2 VOL.806
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