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2016年8月14日 (日)

さとうきび畑の小さな汽車(上) オレアン製糖工場 インドネシア ジャワ島   服部一人

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小さな鉄道の小さな汽車がトコトコと走る。ナローゲージの楽しさは車両の魅力ばかりでなく、鉄道が自然に近く、人の生活にも近くあるということだと思う。

このところトラムネタが続いたので、ちょっと気分を変えてジャワ島の製糖工場のSLを見に行った話。

インドネシア、ジャワ島には製糖工場が何十とあって、その周辺には広大なさとうきび畑が広がっている。ほとんどの工場では収穫のために工場から畑までナローゲージの鉄道を持ち、小さな蒸気機関車がトロッコ列車を引いて走っていた。

と過去形で書いたように、それはかつての姿であり、現在は汽車はほぼ廃止されてディーゼル機関車が代わりに走っている。実は1990年代にこれらの製糖工場の汽車を見に3回ほど訪れている。その当時は蒸気機関車がまだ全盛で、僕のようなナローゲージの汽車好きにはたまらない、夢のような鉄道情景があちこちの工場で見られた。その後、ジャワ島の製糖工場の話はしばしば耳にしていたのだが自分はずっと縁がなく、長いことご無沙汰していた。最近、汽車仲間の友人に「ジャワの汽車もいよいよ見納めですよ。」と誘われて、久しぶりに現地を訪れることにした。

蒸気機関車はすでに廃止。ディーゼル機関車に代わっているのだが、収穫方法が鉄道からトラック輸送に切り替えた工場も多く、鉄道そのものが縮小したり廃止した工場もある。それどころか工場そのものが廃業して廃墟のような姿をさらしているところも見た。砂糖価格の低迷やグローバリズムにより国際的な巨大資本が力を持つようになると、地元資本でやっているインドネシアの製糖業はなかなか経営が苦しいらしい。そんなわけで久しぶりに訪問したジャワの製糖工場は状況が一変していた。

オレアン製糖工場はジャワ島のいちばん東の方にある中規模の工場である。蒸気機関車は廃止されているが、可動状態のものを1両残し、チャーター運転をすることができる。いくつかの工場では、このようなチャーター運転に応じてくれるところがある。日本や欧米の鉄道ファンのグループがたまに訪れては撮影ツアーをやるのだ。

20年ほど前の、そこかしこで汽車が走りまわって活躍していた時代に比べれば、いまはいたってさびしいかぎりではあるけれど、それでもチャーターとはいえ、かつての夢のような蒸気鉄道のわずかな片鱗の雰囲気が楽しめるだけでもありがたいといわねばなるまい。僕のように日本の蒸気軽便鉄道を知らない世代にとっては、想い描くうるわしい鉄道情景のひとつとして、いまだ、はるばる訪れるだけの価値がある場所なのだ。

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_mg_8797早朝の機関庫で出発準備をする汽車。車庫の中は廃車になった汽車が何両も放置してある。

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Canon EOS5DMk2, EF100/2.8L Macro IS, Makro Planar50/2 Distagon35/2     VOL.851

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服部一人」カテゴリの記事

コメント

わざわざ残してくれてるんですかね。
すばらしいです!

こんにちは。こいけさん。
動態保存というほど積極的ではないにせよ、廃車した後も置き場所があるからスクラップにせずにとっておこうといったかんじでしょうか。たまにやって来る撮影ツアーのチャーター代も副収入になるということでしょう。沿線の風景は昔と変わりないので、チャーターとはいえ、汽車1台フィールドに持ち出せば20年前と変わらぬ情景が楽しめます。
ジャワ島の汽車は、このあと何回か続きますので、どうぞお楽しみに。

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