遥かなる旅愁-錦秋の彼方へ① 深川 俊一郎
季節外れともいえる名残の夏日があるかと思えば、山の頂は既に白く、平地でも雪の便りが届きます。
雪虫が舞う頃、季節は歩みを速め、ふと疎外感を覚えるほどに秋風が脇から追い越してゆくのです。
覚醒の森
寝覚めの森に、鮮烈な空気が張りつめる。
少し硬い列車の音が心地よく響き渡る。
石北本線 生田原-常紋 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*
光彩のみち
ミズナラの黄色いトンネルから降り注ぐ光が心地よい。
リズミカルなカーブを少し冷たい秋風がかすめてゆく。
石北本線 旧白滝-下白滝 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*
秋色スクリーン
風が吹くたび木々が唄いながら踊っている。
濃密に色づく山々は、印象派の筆遣いのように繊細だ。
石北本線 白滝-旧白滝 HASSELBLAD 201F Sonnar C 250mmF5.6 T*
錦秋の彼方へ
ふと立ち止まれば幾重にも連なる錦秋の山がそこにある。
ついさっき去っていった列車の余韻がまだ残っている。
石北本線 奥白滝-上白滝 HASSELBLAD 201F Sonnar C 250mmF5.6 T*
Vol.889
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