フランクフルトフェルトバーン博物館(下) 服部一人
この日は「鉄道車両と古い自動車」とでもいうようなイベントデイだった。いつもよりも多い3両の蒸気機関車に火が入って、交代に列車の先頭に立って発車していく。ひととおり構内のDLなどを撮影したあとは、この列車に乗ってみることにした。
軽便鉄道の機関庫といった感じの構内を出るとクラインガルテン(市民農園)の中をまっすぐ通って、やがて広い公園に出た。美しい芝生の中をゆっくり走って行き止まりの乗降場へ。ここで汽車は機回しをして列車の最後尾にまわり今度はバック運転で出発していく。そして公園のはずれにあるもうひとつの乗降場に到着後また機回しをして博物館に戻っていくという運転だ。
美しい公園の中を走る列車に乗っている乗客はほとんどが家族連れで、それだけ見れば遊戯施設のアトラクションと同じだが、じっさいの雰囲気は遊園地の乗り物ではなく、立派な軽便鉄道である。汽車も本物だし、客車も新造車は昔の軽便らしいデザインだし、古い車両のレプリカもある。このあたりの細部に対するこだわりが本物らしさを醸し出している理由だと思う。
半日と少しの滞在だったが、あこがれの「蒸気軽便鉄道」の片鱗を感じさせる魅力を持った鉄道だった。いつかまた来よう。違った機関車に火が入って動くようすもぜひ見たいものだ。日本から戻った元鉄道聯隊のEタンクが動いている姿を1度見てみたい。また再訪する理由ができたというものだ。
公園から見た博物館へ戻る線路。両側はきれいに手入れされたお庭が続く。
緑の中を緑色の汽車が行く。朝方天気が悪かったものの、午後少しずつ回復し晴れ間も見えた。ドイツ国旗がたなびく中、小さな汽車が行く、のどかな秋の1日。
この日、火が入っていた3両の蒸気機関車。(上)1号機ヘイルブロン1900年製Bタンク、 (中)8号機ボルジッヒ1914年製Dタンク、 (下)2号機ヘンシェル1925年製Bタンク、
どれもピカピカです。
この日はクラシックカーのイベントも重なって、公園の中は古い乗り物好きにはたまらない楽しい場所になった。ドイツ車が多いが、アメ車もあり、我が国のトヨタのスポーツカーやマツダロータリーも参加していた。どの国にも熱心なマニアはいるもんですねぇ。汽車もいいけど車も楽しい!
FUJI X-E1 Fujinon XF18-55/2.8-4 Canon EOS5DMkⅡ, Makro-Planar50/2, Distagon35/2 VOL.913
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