駅のたたずまい 7 プリンシペ・ピオ駅 スペイン 服部一人
プリンシペ・ピオはスペインの首都マドリード市内の駅である。古めかしい鉄骨の大屋根が駅を覆っているのは、かつてはここが大きなターミナル駅だった頃の名残である。構内に頭端式のホームが残るが、現在はマドリード市内環状線の駅のひとつとしてひんぱんに近郊列車が走っている。駅はモダンに改装されているが、一部に古い駅舎を残し、新旧の取り合わせがなかなかすてきだ。
ここはRENFE(スペイン国鉄)と地下鉄が交わる乗換駅なのだが、この2つはほぼ直交している。プリンシペ・ピオ駅をもっとも特徴づけるのは地下鉄のホームが吹き抜けになっていることだ。RENFEの構内からも地下鉄ホームを見下ろすことができ、天気のよい日には高い大屋根から地下鉄まで光がふりそそぐ。さらに吹き抜けの地下鉄ホームのすぐ上をRENFEの鉄橋が地下鉄ホームを横切るようにまたいでいる。立体的で大胆な構造の駅なのだ。
RENFEから地下鉄ホームにエスカレーターでおりると、すぐ頭上にはつや消し黒の鉄橋がある。列車が通過するときには大屋根に反響して大きな音がする。
FUJI X-T2, Fujinon XF10-24/4 R VOL.978
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