みなさん、いつも「現代鉄道写真研究所」をご覧いただきましてありがとうございます。
当ブログは2012年6月1日に始めました。気がつけばはや5周年。月並みですが、あっという間の日々でした。やると決めたからには定期的な更新を心がけてきましたが、急がしい毎日の中で、しばしば記事のアップに苦労することもありました。しかし振り返ってみるとけっこうな数の記事が残っており、これは趣味の活動として大きな財産です。撮る事には熱心でも、まとめることに消極的だった自分にとっては、ブログはきちんと整理するよい習慣になりました。
2012年6月1日の第1回目の記事は以下のような書き出しから始まります。
およそ線路の上を走るものなら、だいたい何でも好きなのだけど、もっとも好きなものを3つあげよといわれたら、
「蒸気機関車」
「ローカル線」
「路面電車」
の3つになる。
これはいまでも変わっていません。今回5周年を迎えるにあたって、各年ごとに、その年に撮ったこの3つの被写体の中から、まだブログで未発表のものを掘り出して、来し方を少しだけ振り返ってみることにしました。
2012
東北本線金谷川
十和田観光鉄道
バーゼル スイス
この年は、あの大震災から一年。東北各地では「復興」「絆」「がんばろう」などという言葉がさかんに聞かれた頃だ。東北本線でも「SLふくしま復興」号が運転された。沿線にはのぼりや横断幕を持った多数の人々が集まり、炎天下の中、汽車に手を振っていた。
5年という間に、廃止になった鉄道、廃車になった車両がある。十和田観光鉄道は20年以上前に1度訪問して撮影したことがあったけど、この年、まもなく廃止になるというので久しぶりに出かけた。
2013
ダージリンヒマラヤン鉄道
明知鉄道
函館市電駒場車庫
インドのダージリンヒマラヤン鉄道は、はるか昔、学生時代に2度訪問したけど、この年に30年ぶりに再訪を果たして懐かしさでいっぱいの気持ちになった。町や沿線の雰囲気も大きな変化はなく、観光用の一部区間とはいえ汽車が走っているのはすばらしいこと。21世紀のいまにこんな鉄道情景が見られるのは、ありがたいの一言につきる。
またこの年は1周年記念事業で岐阜県の明智鉄道でレイル・オンのヘッドマークをつけた列車を走らせた。僕の地元に近い場所だが、あらためてそのロケーションの良さに感激した。C12が本当に走ったらきっと通うと思う。
函館市電は100周年。駒場車庫の旧車両ラインナップはやわらかい西日の中での撮影。現場スタッフの方の、的確にしてファン心理を満たす親切で丁寧な対応が心に残っている。
2014
只見線
箱根登山鉄道
富山地方鉄道
只見線は年に1度C11が走る。最近は新緑の5月頃に走るけど、以前は秋に走っていた。秋もよし、初夏もよし、只見線は一年中いつ行っても四季が美しい。
箱根登山鉄道は都心から近いのに、つい油断してなかなか行かなかった。新しい車両も、もちろんけっこうだけど、僕としては古いもの好み……。
2015
シャーフベルク鉄道 オーストリア
デルニッツ鉄道 ドイツ
阪堺電車
シャーフベルク鉄道はアプト式の登山鉄道。この手の登山鉄道ではスイスのブリエンツ・ロートホルン鉄道が有名だが、ここもなかなかの景色だった。といっても、それはふもとの始発駅を出発してしばらくの間だけ。山頂に到着するころにはあたり一面真っ白でやれやれ。
この年は夏休みにドイツの保存鉄道をいくつか訪ね歩いた。デルニッツ鉄道もそのひとつ。汽車目当てだが、あいまに走るDL客車列車も、これはこれでなかなか味がある。
まだ阪堺電車にモ161が多く残っていた頃。この年までは、毎年お正月は大阪に出かけて住吉さんの初詣輸送で活躍するモ161を撮るのが年の初めの習わしだった。
2016
只見線
スンボロ製糖工場 インドネシア
ウッチ ポーランド
インドネシア・ジャワ島の製糖工場は1990年代に3回行った。あの頃はどこの工場に行っても汽車がいた。いまや主役はDLに替わり鉄道そのものを廃止したところもある。それでもナローゲージを取り巻く情景の南国らしい大らかさは健在で、鉄道の魅力が自然や環境と一体のものであることを再確認する。
ウッチはポーランド第2の都市。ここのトラムはメーターゲージ。けっこうな路線長があるが、この時は予備調査の短期滞在。今年あたり、本格的な撮影に行きたいなぁ。
2017
マドリード鉄道博物館
上信電鉄
リスボン ポルトガル
この博物館は旧駅舎を利用している。大きなドーム屋根の中、歴史的車両たちがたくさん展示されている。日本では汽車は黒いものだと相場は決まっているけど、海外でこういうグリーンの汽車を見るたびに、なかなかいいなぁと思う。特にロッドなどの赤とグリーンの対比は互いが引き立ってかっこいい。
先の連休中、上信でデキが走るというのでお出かけした。5月らしい気持ちいい天気の中、小さいながらも重連は見応えある。
リスボンは哀愁ある古い町並みに古典的外観の二軸トラムが有名だ。ここは車庫で博物館も兼ねている。イベント用の赤いトラムは青空の下、くっきりと映える。

さて、こんな感じで軽く振り返ったこの5年間。いくつになっても、好きな汽車と電車を楽しみに、あちらこちらへと出かけるのは楽しいものです。
VOL. 981
最近のコメント