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2017年6月

2017年6月30日 (金)

只見線がくれたもの-2017水無月 特別編  深川俊一郎

只見線復旧が決定!
6月19日に、福島県とJR東日本が基本合意書を締結し、2021年度の復旧に向け来年度に着工することが決まりました。
2011年の新潟・福島豪雨からもうすぐ6回目の夏を迎えます。只見線の会津川口と只見の間で3か所の鉄橋が流失し、それも含めた全体の補修額は81億円に上りますが、その2/3を自治体が負担するとのこと。
この小さなローカル線に対し、「鉄路による復旧」という、福島県を中心とした自治体の総意が実現することは、単なるインフラとしての役割を超えた価値が、只見線にあることを証明したといっていいのではないでしょうか。
上下分離方式ということで、今後は維持費の負担も自治体にかかってきますが、何より乗る人が増えなければその先はありません。
見守る私たちも、この復活を未来に繋げるべく、真剣に考えていきたいと思います。

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緑風さわやか


深緑色の風がゆっくりと歓声を運んでいった。
さわやかな熱気がいつまでも残っていた。
只見線 会津蒲生-只見 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.992

2017年6月27日 (火)

トラムの走る町 21 とさでん交通  高知   服部一人

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後免線の知寄町3丁目より東は、だいたい専用軌道か路側軌道ふうである。最近は広告電車も増えて、それはそれで経営のためにはやむを得ないことと理解するが、こうして旧塗装の213号を見ると、「やっぱり、これだよなぁ。」と納得する電車としての美しさがある。

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「トラムの走る町〜」シリーズも20回をこえる記事になったが、今までは外国の路面電車ばかりだった。これまでにも阪堺電車や広電、都電荒川線など日本の路面電車を記事にしてきたが、このシリーズには含めず単独記事の扱いだった。今後、国内外を問わず路面電車は「トラムの走る町~」シリーズに統一しようと思う。さて、その国内第1回は先頃訪れた、とさでん交通を取り上げることにしよう。

とさでん交通は経営統合によって2014年に新しくできた会社だが、路面電車に関しては僕のような世代では「とさでん」と言った方がなじみがある。四国は高知市内を走る路面電車である。

有名なはりまや橋で交差する東西南北の路線を持つとさでん交通だが、この中の東西の路線は、はりまや橋を境にして西が伊野線、東側が後免線となっているが、相互に直通運転をおこなっている。

この両線の両端あたりは路側軌道ふうになっていて僕の趣味心をくすぐる。かつてポーランドのウッチ(こちら→http://blog.rail-on.com/2016/10/post-ed18.html )、チェコのリベレツ(こちら→http://blog.rail-on.com/2016/05/9-5433.html )など海外の味わい深いトラムを訪ねた路側軌道好きの私である。もし自分が外国人で日本に撮影に来ることがあったら、迷わずこの高知を訪ねたであろう。高知にはかつての懐かしい路側軌道の名残がある。

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一方の伊野線は鏡川橋より先は橋を渡って伊野まで単線になる。途中、朝倉で懐かしいタブレットの交換がある。

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こちらも路側軌道ふうの雰囲気が味わえるし、なかなかシブイ電停もある。

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終点伊野のすぐ手前には、かつて使用されていた留置線への引き込み線跡がある。現在は分岐ポイントは埋められてしまい留置線は使われていないが、まだ線路はあり、今はパーク&ライドの駐車場として使われている。

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とさでん交通といえば、僕の地元、名鉄美濃町線からきた590型も健在だ。久しぶりに懐かしい姿を見た。

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桟橋車庫は南国らしい雰囲気。

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とさでん交通にも新しいLRTが走っている。古い物好きな僕だけど、こうして新型によって利便性が向上し、市民の足として活躍するのが今後のトラムの生きる道なのだと思う。

FUJI X-T2 FUJINON XF35/2  XF10-24/4 SUMICRON50/2               VOL.991

2017年6月24日 (土)

LongDistance ◇◇◇ Window Wind * 2017 Rainy ◇◇◇ 梅村貴子

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Sony Cyber-shot RX100
JR東日本 北陸新幹線
vol.990

2017年6月21日 (水)

久方ぶりの鳥取  170621  太和田光一郎

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Pmd_3011k66__2前回、いつ頃訪れたのかはっきり思い出せないくらい久しぶりの鳥取。若桜鉄道の撮影が最後だとしたら実に28年ぶりの再訪だ。

仕事の合間に、駅前にある『鳥取鉄道記念物公園』を撮影した。何でも1978年に鳥取駅の高架化に伴って不要になった鉄道遺構を公園内に保存したものらしい。

砂に埋もれて鄙びた軌道が、非電化ローカル線を思わせてくれた…。

宿泊のホテルは駅前の東横イン。すでに予約はしてあったが、駅を俯瞰したかったので部屋を最上階の山陰本線側にしていただいた。翌朝、部屋の窓から撮った岡山から到着した『スーパーいなば1号』(手前)。昔ながらの改札口の鳥取駅。(写真左下)

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駅前で偶然見つけたおしゃれなシンメトリー。帰りの羽田行きの飛行機は、離陸してすぐに右に旋回。鳥取砂丘を一瞬、観ることができた。(写真下)

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撮影 : 2017.5.26-27 

Nikon Df  D5   16-35mm  24-70mm   70-200mm     Vol.989

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2017年6月18日 (日)

只見線がくれたもの-2017水無月  深川俊一郎

繁茂の季節、緑が滑らかなグラデーションを残してみるみる濃くなってゆきます。
田んぼの水鏡も日に日に緑で覆われてくることでしょう。

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深緑の峠道

深い緑の底から列車が這い出してきた。
一瞬ののち、峠道にまた平静が訪れた。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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緑静か


葉擦れの柔らかな音に鳥の声・・・
静けさの中に語らいがある。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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田植え日和


ひと株ひと株丹精を込めて、田んぼの模様が完成する。
水と緑が会話するひととき。
只見線 会津水沼-会津中川 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

Vol.988

2017年6月15日 (木)

駅のたたずまい 8 マドリード アトーチャ   スペイン   服部一人

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こちらが旧駅舎外観とその内部。天井の高さを利用して温室にするとは、なかなかいいアイデア。光の具合によってはピンク色にも見えるレンガの外見は青空とのコントラストがあって美しい。

スペインの首都マドリード。もっとも大きな駅がアトーチャだ。この駅はマドリード市内、および近郊の路線が発着するマドリード・アトーチャ(MADRID-ATOCHA)と、長距離の特急が発着するマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ(MADRID PUERTA DE ATOCHA)の2つの駅が隣接して建っている。この2つは別々の駅ではあるが隣り同士ということもあって、まぁ、東京駅で在来線から新幹線に乗り換えるというくらいの感覚だ。

マドリード・アトーチャ駅は半地下のようになっていて、やや薄暗い印象だが、一方のマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅は陽光が差し込む非常に明るい駅で対照的だ。

2つの駅の構内に隣接して、かつてここがターミナル駅だった頃の古い駅舎が残されている。歴史を感じさせるなかなか立派な建物なのだが、内部は古い意匠を残しながらもすっかりきれいに改装されて温室のようになっている。周囲にはカフェやショップもあって、列車待ちの時間を過ごすにはとても気持ちのいい場所だ。

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マドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅はスペイン各地への特急が発着する。ヨーロッパの駅には珍しく、ホームに入るには改札があり、乗車券を持ってないと入れない。さらにX線を使ったセキュリティチェックもあり、気軽にホームに行ってスナップショットを撮るというわけにはいかない。

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マドリード・アトーチャ駅は近郊路線でひんぱんに電車が出入りする。人影も少ないマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅にくらべて、こちらはいつも雑踏があり、首都の駅らしいにぎわいがある。

FUJI X-T2 Fujinon XF10-24/4, XF35/2                            VOL.987

2017年6月12日 (月)

LongDistance ‥‥・ 梅雨 to you < 雨 駅 景 >・‥‥ 梅村貴子

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ぴちぴちちゃぷちゃぷ  雨の季節もまた楽し 
            ・・・・・・・・・・・・
               OMAKE      緑の中のしれとこ号

170612_008ok          川湯温泉-緑

JR北海道 釧網本線 川湯温泉駅
OLYMPUS OM-D E-M1 40-150mm F2.8    vol.986

2017年6月 9日 (金)

レイル・オン ブログ「現代鉄道写真研究所」5周年記念  濱島 栄

僕の原点

Night Walker

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5年前も

今もかわらず

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tekutekutekuteku

夜とぼくの複合操作

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これからも kitto tabun zutto

続きます

どうぞよろしく                                    by Hamazy

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2017年6月 7日 (水)

レイル・オン ブログ「現代鉄道写真研究所」5周年記念  太和田光一郎

           * カーテンウォール美Ⅱ*

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レイル・オンブログ「現代鉄道写真研究所」は、おかげさまで5周年を迎えることが出来ました。これも皆様からの温かいご支援のおかげと、心より感謝申し上げます。

さて、今回は5周年を記念して、東海道新幹線の車窓から見た沿線の超高層ビルディング群の景観です。

多彩なデザインで構成された、フォトジェニックなカーテンウォール(超高層ビル用に開発された軽量な外壁材)は、乗車するたびに様々な表情を見せてくれました。

① 2017.6.2     東海道新幹線 東京駅

② 2016.12.10      〃       豊橋駅

③ 2017.6.2        〃        東京-品川間

④ 2016.5.8        〃        名古屋駅

⑤ 2017.1.28           〃         品川-新横浜間

⑥ 2016.10.29       〃        東京-品川間

⑦ 2017.1.6            〃          新横浜駅

⑧ 2017.6.3            〃               〃

⑨ 2017.1.21         〃          新横浜-品川間

⑩ 2016.10.31        〃                  〃

Nikon D5   24-70mm F2.8   70-200mm F4    Vol.984

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2017年6月 5日 (月)

レイル・オンブログ 5周年記念  只見線がくれたもの-2017特別編  深川俊一郎

風薫る5月が終わり、緑が厚みを増す頃、私たちのブログは節目を迎えます。
コツコツと、そして慌ただしくも、5年が経ちました。
ご覧いただいている皆様には、深く感謝申し上げます。
そしてこれからも、お付き合いいただければ幸いです。

さて、黄緑色に華やぐ5月の只見線を、今年も蒸気機関車が走りました。
昨年のこの場もそうでしたが、遠い汽笛が響いていた山里の情景をお届けします。
只見線は復旧に向けて、着実に動いています。
自治体はJR側に、上下分離方式による復旧を正式要請しており、これからは、復旧後の維持、そして只見線の存在価値を考える段階にきています。
写真の力でできることは限られますが、引き続きその魅力を発信していく所存です。

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黄緑色のかぜ


初夏の峠道は、緑のシャワーが心地よい。
瑞々しい香りの後に、ほろ苦い煙が降り注ぐ。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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五月の里山


五月晴れに緑が輝く頃、田圃は水を得て生き返る。
これから里山が一層賑わう時だ。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

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黒い影


黒い影を落として機関車がゆっくりと出発する。
その迫力に子供たちのからだは少し硬くなっていた。
只見線 会津宮下 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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火照り


機関車が到着すると、水蒸気と煙であたりは熱気に包まれる。
間近で見ると、自分の身体まで火照ってくる。
只見線 会津川口 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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汽車がきたよ


放課後の校門を出ると、遠くから汽笛が聞こえてきた。
踏切間近でみる機関車はとても大きかった。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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思いがけない贈りもの


西日が眩しい小休止の駅。
少年たちは、直に触れた機関車のぬくもりをきっと忘れないであろう。
只見線 会津坂下 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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2017年6月 3日 (土)

レイル・オン ブログ「現代鉄道写真研究所」5周年記念  梅村貴子

__        *御礼

皆様のおかげさまの5周年

見て下さる皆様をはじめ沢山の人に支えられて続けることが出来ています。
本当にありがとうございます。

私からこれと言った恩返しが出来ないのは心苦しいですが、
ほんのちょっとした息抜き(なっているかは?ですが)に訪れて頂ければと思います。

これからも、皆様に楽しんで頂き、自分も満足の行くカットをUP出来るよう「修行  宿題」を続けて参ります、お付き合いをどうぞよろしくお願い致します。


    
-*-*-*-*-*- 石北界隈 復活話  あのこと このこと -*-*-*-*-

北海道は昔から大好きでしたが、現在ほど熱心に撮影していた訳ではありませんでした。ちょうどブログが始まった頃から様々な要因が良い具合にかみ合い、訪れる機会を増やすことができました、これまでブログに掲載した地域が北海道が一番多いことは本当に幸せです。

このところ、色々と苦しい話題の多い北海道の鉄道ですが、今回は石北地域の「復活」をキーワードにしてみました。
いつもよりちょっと鉄分濃いめでまいります。

○「大雪」 復活

「大雪」は往年の急行列車名です。
今年3月のダイヤ改正で、運転区間が変更された「オホーツク」の2往復が「大雪」と命名されました。
私は北海道鉄道撮影においては本当に新参者、(当ブログにも北海道撮影の大先輩がいらっしゃるので内心恐縮しつつ出しています)
もちろん「大雪」に向き合うのははじめてのこと、
オホーツクと同じ車両なので見た目は同じようですが、「大雪」の言葉の音の響きが新鮮でとてもワクワクします。

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白滝-奥白滝信号所

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下白滝信号所-白滝

小さくて見えにくいですがヘッドマークがオホーツク?
この列車は正しくは「大雪」なのです。変更し忘れ?
実は撮影時自分は気がつかず、近くで撮っていらした方に、オホーツクでしたね、と言われてあらま。
ま、これもご愛嬌。

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遠軽-瀬戸瀬

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愛別-伊香牛  たんぽぽばかりでごめんなさい

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桜岡-当麻

170603_006                 丸瀬布-下白滝信号所

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最後は後追い   白滝-奥白滝信号所

たまにきっちりと走行写真を撮ろうとしますがやはり難しい・・・。(トリミングしているもの多し!)まだまだ修行が必要です。
加えて、ヘッドマークの見えていない写真ばかりで、これでは大雪だかオホーツクだか、分からないとなりそう、申し訳ないです。


○丸瀬布いこいの森 SL雨宮21号
 不通区間の復活

昨年10月24日の「鉄道の日によせて」記事に、遠軽町丸瀬布のSL雨宮21号が8月の豪雨で大きな被害を受け、その後は8の字ルートの半分が運転不能となったことを書きました。
http://blog.rail-on.com/2016/10/longdistance-wi.html

その記事の最後に、「このあと以前の姿にどこまで戻るのかわかりませんが、少しずつでも戻ると良いなと思います・・・。」と入れたのですが、

嬉しいことに先日のゴールデンウイークの開業に間に合うように復活をしました。

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8の字半分の不通区間は整地され、線路が敷かれてSLは走っていますがその周辺部分はまだ工事中、徒歩での立ち入りはできませんでした。
でも復活した様子が頼もしい、素晴らしい。

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170603_010_2            車窓から

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まだまだ工事は続きます

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こちらは不通にならなかった区間ですが

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                        また乗りに来られたらいいな。

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ブログ開設当初も今も、列車の形式や鉄道周辺に関する細かい知識は乏しく、どこに何の列車を撮りに行ってもほとんど感覚で撮影をしています。
時にはこれが鉄道?みたいな写真も撮って来ます、撮る時も画像を整える時もどこまで許されるか悩みながらなのですが、このブログがあるおかげで悩むことにも「励み?!」が出ます・・・、自分自身もこのブログに感謝です。

Canon EOS 6D EF17-40mm F4L ・ EF24-105mm F4L / Sonyα7R2  70-200mm F4 (×1.5クロップ撮影有)・ MC11+EF17-40mm F4L

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                                    Vol.982 

2017年6月 1日 (木)

レイル・オン ブログ「現代鉄道写真研究所」5周年記念   服部一人

みなさん、いつも「現代鉄道写真研究所」をご覧いただきましてありがとうございます。

当ブログは2012年6月1日に始めました。気がつけばはや5周年。月並みですが、あっという間の日々でした。やると決めたからには定期的な更新を心がけてきましたが、急がしい毎日の中で、しばしば記事のアップに苦労することもありました。しかし振り返ってみるとけっこうな数の記事が残っており、これは趣味の活動として大きな財産です。撮る事には熱心でも、まとめることに消極的だった自分にとっては、ブログはきちんと整理するよい習慣になりました。

2012年6月1日の第1回目の記事は以下のような書き出しから始まります。

およそ線路の上を走るものなら、だいたい何でも好きなのだけど、もっとも好きなものを3つあげよといわれたら、

「蒸気機関車」
「ローカル線」
「路面電車」

の3つになる。



これはいまでも変わっていません。今回5周年を迎えるにあたって、各年ごとに、その年に撮ったこの3つの被写体の中から、まだブログで未発表のものを掘り出して、来し方を少しだけ振り返ってみることにしました。


2012
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東北本線金谷川

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十和田観光鉄道

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バーゼル スイス

この年は、あの大震災から一年。東北各地では「復興」「絆」「がんばろう」などという言葉がさかんに聞かれた頃だ。東北本線でも「SLふくしま復興」号が運転された。沿線にはのぼりや横断幕を持った多数の人々が集まり、炎天下の中、汽車に手を振っていた。

5年という間に、廃止になった鉄道、廃車になった車両がある。十和田観光鉄道は20年以上前に1度訪問して撮影したことがあったけど、この年、まもなく廃止になるというので久しぶりに出かけた。



2013
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ダージリンヒマラヤン鉄道

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明知鉄道

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函館市電駒場車庫

インドのダージリンヒマラヤン鉄道は、はるか昔、学生時代に2度訪問したけど、この年に30年ぶりに再訪を果たして懐かしさでいっぱいの気持ちになった。町や沿線の雰囲気も大きな変化はなく、観光用の一部区間とはいえ汽車が走っているのはすばらしいこと。21世紀のいまにこんな鉄道情景が見られるのは、ありがたいの一言につきる。

またこの年は1周年記念事業で岐阜県の明智鉄道でレイル・オンのヘッドマークをつけた列車を走らせた。僕の地元に近い場所だが、あらためてそのロケーションの良さに感激した。C12が本当に走ったらきっと通うと思う。

函館市電は100周年。駒場車庫の旧車両ラインナップはやわらかい西日の中での撮影。現場スタッフの方の、的確にしてファン心理を満たす親切で丁寧な対応が心に残っている。

2014
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只見線

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箱根登山鉄道

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富山地方鉄道

只見線は年に1度C11が走る。最近は新緑の5月頃に走るけど、以前は秋に走っていた。秋もよし、初夏もよし、只見線は一年中いつ行っても四季が美しい。

箱根登山鉄道は都心から近いのに、つい油断してなかなか行かなかった。新しい車両も、もちろんけっこうだけど、僕としては古いもの好み……。


2015

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シャーフベルク鉄道 オーストリア

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デルニッツ鉄道 ドイツ

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阪堺電車

シャーフベルク鉄道はアプト式の登山鉄道。この手の登山鉄道ではスイスのブリエンツ・ロートホルン鉄道が有名だが、ここもなかなかの景色だった。といっても、それはふもとの始発駅を出発してしばらくの間だけ。山頂に到着するころにはあたり一面真っ白でやれやれ。

この年は夏休みにドイツの保存鉄道をいくつか訪ね歩いた。デルニッツ鉄道もそのひとつ。汽車目当てだが、あいまに走るDL客車列車も、これはこれでなかなか味がある。

まだ阪堺電車にモ161が多く残っていた頃。この年までは、毎年お正月は大阪に出かけて住吉さんの初詣輸送で活躍するモ161を撮るのが年の初めの習わしだった。

2016
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只見線

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スンボロ製糖工場 インドネシア

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ウッチ ポーランド

インドネシア・ジャワ島の製糖工場は1990年代に3回行った。あの頃はどこの工場に行っても汽車がいた。いまや主役はDLに替わり鉄道そのものを廃止したところもある。それでもナローゲージを取り巻く情景の南国らしい大らかさは健在で、鉄道の魅力が自然や環境と一体のものであることを再確認する。

ウッチはポーランド第2の都市。ここのトラムはメーターゲージ。けっこうな路線長があるが、この時は予備調査の短期滞在。今年あたり、本格的な撮影に行きたいなぁ。


2017

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マドリード鉄道博物館

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上信電鉄

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リスボン ポルトガル

この博物館は旧駅舎を利用している。大きなドーム屋根の中、歴史的車両たちがたくさん展示されている。日本では汽車は黒いものだと相場は決まっているけど、海外でこういうグリーンの汽車を見るたびに、なかなかいいなぁと思う。特にロッドなどの赤とグリーンの対比は互いが引き立ってかっこいい。

先の連休中、上信でデキが走るというのでお出かけした。5月らしい気持ちいい天気の中、小さいながらも重連は見応えある。

リスボンは哀愁ある古い町並みに古典的外観の二軸トラムが有名だ。ここは車庫で博物館も兼ねている。イベント用の赤いトラムは青空の下、くっきりと映える。


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さて、こんな感じで軽く振り返ったこの5年間。いくつになっても、好きな汽車と電車を楽しみに、あちらこちらへと出かけるのは楽しいものです。

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