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2018年4月 9日 (月)

風を切る赤い電車-京急2000型快走  深川俊一郎

18017
うららかな日

最後まで健在だったトップナンバーは、かつての塗装に戻されていた。
一目見て、もう一度その乗り心地を味わいたかったのだ。
金沢八景 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T* H30.3.24

昭和57年、私が幼少のころから好きな京浜急行に、快速特急用の新型車両が登場する話に心が踊りました。
「800形の次だから900形・・・」などの噂もありましたが、1000形を飛び越えて一気に2000形になったのには驚きましたし、それまでの伝統を打ち破って2灯ライト、両開き扉と聖域に踏み込んだことも驚きでした。
京急ファンからすればタブーといえるこれらの事実も、実車を前にしてどこかにすっ飛んでしまうほど、そのカッコよさに言葉をなくすのでした。

94022
独走

立体感のある前面は、精悍だが柔らかさを感じる。スカートに頼らないデザインだ。
金沢文庫-金沢八景 CONTAX RTSⅢ Planar 50mmF1.4 T* KM H6.4.17

94036balance
Balance

大きな窓、2つのパンタグラフ、鮮やかな塗装・・・中間車は見事に均整がとれている。
京急田浦-安針塚 CONTAX RTSⅢ Tele-Tessar 200mmF4 T* KM H6.7.14

昭和57年は東北・上越新幹線の200系がデビューした年ですが、そちらを大きく引き離してブルーリボン賞を受賞。
今思い返すと、私にとって上越新幹線開業で181系が引退し気が抜けていたことで、余計に嬉しい出来事だったように思います。
窓枠まで包み込む太い白帯は、800形登場時が初めてですが、2000形でそのイメージが定着しました。集団見合い形のクロスシートは物議を醸しましたが、奇しくも同年登場した東北・上越新幹線200系はその反対の集団離反形で、結局どちらも廃れてしまったことは、今となっては懐かしい話です。
本質的な魅力は何といってもその高速安定性です。少し低めの加速音と、高速走行のスムースさ、並走する東海道線や横須賀線を追い抜く時の興奮、京浜東北線など停まっているようにしか見えないほどです。

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風を切れ!赤い電車

金沢文庫を出た快速特急は、当時は隣の金沢八景は停まらなかったので、滑るようにグングン加速する。
データを見るとシャッター速度1/8秒。ISO25のコダクローム25だから晴天の日中でもスローシャッターが切れた。
最近はローカル線ばかり撮っているので、少し目がくらみそうだ。
金沢文庫-金沢八景 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM H6.4.17

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激走

大きな窓は京急のトレードマーク。赤と白のコントラストが印象的なサイドビュー。
トンネルとカーブの連続を車体を揺らして激しく走るイメージを表現したかった。
京急田浦-安針塚 CONTAX RTSⅢ Tele-Tessar 200mmF4 T*+MutarⅡ KM H6.5.8

96020
駿足

トンネルを出たと思ったらまた一瞬で次のトンネルへ。
カーブは右へ左へ激しさを増す。
京急田浦-安針塚 CONTAX RTSⅢ Tele-Tessar 200mmF4 T*+MutarⅡ KM H8.7.28

96013
ちいさな旅

陽射しが差し込む窓辺が眠りを誘う。
車内 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM H8.5.26

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ひといき

岸辺の午後は川風が気持ちいい。
のどかな陽気に誘われてカルガモまでやってきた。
六郷土手-京急川崎 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM H8.6.15

97007combination
Combination

先頭車同士の連結面は面白い。
彫りの深い顔同士がにらみ合っているよう。
品川-北品川 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM H9.4.20

8509
海が見えた丘

山あいの細道を行くと遠くに海が見えた。
軽やかな音を残して、流れるように快速特急が去っていった。
京浜田浦-安針塚 minolta XD MC W.ROKKOR 35mmF1.8 KR S60.9.1

97009
夢を乗せて

僅か数十分の乗車でも、ささやかな旅といえた。
クロスシートに座って多摩川の鉄橋を渡れば、遠くへ行けるような気がした。
六郷土手-京急川崎 CONTAX RTSⅢ Tele-Tessar 200mmF4 T*+MutarⅡ KM H9.4.27

後継の2100形が登場した平成10年以降は3扉に格下げ改造され、主に急行等で静かに走っていましたが、通算ではその余生のほうが長くなりました。
旅先からの帰り、ふと羽田空港駅で2000形を見かけると、方向が違うのにフラフラと誘われるように乗ってしまうこともありました。
そしてこの3月、ついに引退の時を迎えたのです。

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春薄暮

急行の表示は少し寂しい。そこそこのスピードで、軽いランニングをしているかのよう。
屏風浦-杉田 HASSELBLAD 201F Sonnar C 250mmF5.6 T* H30.3.24

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春風の彼方へ

微かな歓声に吸い込まれるように、春風の彼方へ去っていった。私が最後に見た2000形。
屏風浦-杉田 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T* H30.3.24

(駅名は撮影当時で表記しています)
Vol.1096

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