ブログ開設7周年記念 トラムの走る町スペシャル 「チュアンのスチームトラム」 ベルギー 服部一人
オープンデッキの客車もスチームトラムに合わせてグリーンで塗装されており、古典的な編成美を感じる。
HL303という番号のこのスチームトラム、製造は1888年、2018年にレストアが完成した。
クラシックな前照灯と、この保存団体の立派な紋章
みなさま、こんにちは。
いつも当ブログをご覧いただきましてありがとうございます。このブログも7周年、続けてこられたのはみなさまのご支援の賜物です。今後ともどうぞよろしくお願いします。
さて、普段から僕の三大好物は「蒸気機関車」「路面電車」「ローカル線(ナローゲージ)」などと、たびたび申してきましたが、7周年の記念記事はその三つを兼ね備えたスチームトラムです。
ベルギーにトラムとインターアーバンを合わせたような保存鉄道があり、そこでスチームトラムが復活するという話を耳にして、昨年現地を訪ねてきました。レストアされたスチームトラムが古典客車を牽く姿はとても美しく、渋いグリーンの車体が近づけば顔が映るほどピカピカに磨かれていました。スカートのせいでロッドや動輪の動きは見えませんが、走り出せば、音も匂いもまさしく蒸気機関車でした。
この保存鉄道は電化区間と非電化区間の両方を持っていて、たくさんの電車とディーゼルカーも走らせている。この日はイベントデーなのでお客も多く、ビンテージカーでやってきたグループもいた。
アクセスとガイド
この鉄道はASVi(Association pour la Sauvegarde du Vicinal ビシナル保存協会)というところが運営している。ビシナルとはかつてベルギー全土に路線を持っていたメーターゲージの鉄道網。都市部ではトラムとして路面を走り、郊外に出るとインターアーバンとして近郊の町や村を結んでいた。全盛時には4,800キロを超える路線があり、当時のベルギー国鉄をしのぐほどの総延長だった。市街地は電化されトラムが走り、郊外には非電化区間があり、ディーゼルカーや、かつてはスチームトラムが走っていた。現在ではごく一部を除き、ほとんどが廃止されているが、この鉄道のように保存鉄道として残されているところもある。
この鉄道は首都ブリュッセルの南方、シャルロワ(Charleroi)の近郊、トゥアン(Thuin)という町にある。ブリュッセルからシャルロワ南駅までは急行列車で1時間くらい。そこから支線に乗り換えて約15分ほどでトゥアンに着く。この支線は本数が少ないので要注意。
トゥアン駅は無人駅で町の北のはずれにある。駅を出たら道沿いに歩くとすぐに大きな川(Sambre川)があり、これを渡ったところの川沿いに町並みが広がり、これがトゥアンの中心街である。なかなかきれいな町で丘の上には古城もあり、シーズンの週末にはけっこうな数の観光客で賑わう。この町のメインストリートにはトラムのレールがあり、これに沿ってまっすぐに進み、町並みが途切れたあたりに車庫が見えてくる。
営業はおもに4月から11月までの週末など。11−18時で車庫内の博物館と車両の運行がある。一部の日程では運行はなく博物館の開館だけの日もあるので要注意。スチームトラムはイベントなどの特別な日のみ運行する。詳細はこちら→http://www.asvi.be/en/index/index.htm
Fuji X-T2, X100f, XF23, 35, 50 VOL.1241
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コメント
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スチームトラムいいですね。日本では走ったことはなかったんじゃないかな?
グリーンのシトロエンDS23も似合ってます。
投稿: ベッサホイ | 2019年6月 4日 (火) 11時17分
ベッサホイさん、こんにちは。いつもありがとうございます。実は僕も車の方に気を取られていました。古い電車もいいけど、古い車もかっこいいですね。
投稿: ハットリ | 2019年6月 6日 (木) 16時20分