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未だ経験したことのない大変な春を迎えていますが、緊急事態宣言が出る直前に、人と接触しないように、ささやかに花を楽しみました。
早く終息して、また堂々と撮り歩ける日を、じっと待ち続けています。
そよかぜの改札口
微風にのって花びらがはらはらと舞ってゆく。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100
花模様
線路端の小さな桜も少し寂しげだ。
小湊鉄道 上総牛久-上総川間 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100
遠くの歓声
賑やかな春はどこか遠くに去っていってしまった。
小湊鉄道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* E100
Vol.1355
夕暮れの中、出発を待つ混合列車 というふうに見えないだろうか。静態保存のSLといえど、煙突から少し煙が出るだけで、ずいぶんと臨場感が出て「それらしく」なるのだ。
かつて日本の地方にはたくさんの軽便鉄道があった。狭いレール幅、小さな車両、のどかな沿線風景、そういったものがかもし出す軽便鉄道の風情にはとても心惹かれるものがある。
そのかつて存在した軽便の中でも、新潟県の頸城鉄道は最も有名なものの一つだろう。今に至るまで語り継がれる伝説の軽便鉄道といってもいいかもしれない。
もちろん僕もその現役時代は知らない。今、僕のようにかつての軽便鉄道に憧れを抱く者の多くはその現役時代を知らず、写真集や雑誌などで見たなんとも言えない美しい情景にただただ想いを巡らすのみである。
先日、その頸城鉄道の遺構を使って仲間うちの撮影会が開かれた。現在は地元のNPO「くびきのお宝のこす会」が管理して「くびきのレールパーク」として運営し、年に数回の一般公開もしている。我々が訪れた日には特別に許可をいただき日没後の夜景まで撮影することができた。さらに専門の業者にお越しいただき、SLコッペル2号機の煙突から擬似的に煙を出すという凝った演出まで用意された。
春の始めの淡い宵闇に、つかの間だけど軽便の美しい夢を見たような気分だった。
SLコッペル2号機に負けず劣らず貴重な産業遺産「ホジ3」今までなんども写真や模型で見てきたが、ついに本物に会う時がきた。こちらは動態保存でガラガラガラというディーゼルの音を響かせてゆったりと走る。赤いテールランプが印象的だった。
FUJIX-T2, T3, XF16-55/2.8, CANON EF70-200/4L VOL.1354
頸城鉄道 旧百間町駅くびきのレールパーク(撮影は緊急事態宣言が出る以前の時期に、現地の特別な協力のもと、許可を得て行われました。)
再開発で激変し続けている高輪ゲートウェイ駅周辺。先日、近くにある有名な地下道 『高輪橋架道橋』が、その役目を終えた。(歩行者・自転車は通行可)
以前、この地下道の記事は3回のシリーズで皆さまにご覧いただいたが、その時にご紹介した途中にあった品川客車区の構内(札の辻群線)に出ることができた階段が現在もなお現存することが分かり、地上の出口の部分と共に撮影することに成功した。
この階段は、今後もしばらくの間、海側への往来で利用されるのかも知れない。
新しい道路が完成するのは12年後である・・・。
港南側から見た高輪橋架道橋。この地下道を屈みながら何度通ったことだろう。この先に進むと右側にドアがあり、開けると地上に出る階段が残っている。(写真上:撮影 2019.10.10)
前回記事:http://blog.rail-on.com/2017/10/post-002d.html昨年の11月に山手線と京浜東北線の線路の切り替え工事が行われたことにより、山手線の外回りの車窓からこのような写真が撮れるようになった。内回りの線路の奥に見えるのが地下道の階段の出口部分である。
(写真上:撮影 2020.4.4)
階段の上部が削り取られているものの、パスワードロック式ドアの奥には懐かしの階段が残されていた・・・。(写真下:撮影 2019.10.10)
Nikon Df SIGMA12-24mm F4 16-35mm F4 Ai55mm F3.5
Vol.1352
各地で花の便りが届く頃になると、甘い匂いに誘われるように、この小さな鉄道を訪れます。
短すぎて名残惜しかった冬をいつの間にか忘れ、明るい春の光に心躍らせるのです。
あたたか
あたたかな陽射しに早起きが楽しくなる。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100
やわらかな春
土と菜の花の匂いが柔らかく混ざり合う。
小湊鉄道 上総川間-上総鶴舞 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T* E100
黄色い踏切
黄色い踏切は巨大な菜の花のよう。
小湊鉄道 飯給-月崎 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100
春風とともに
むせかえるほどの甘い香りに全身が包まれる。
小湊鉄道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100
余談
エクタクローム復活!
コダックのリバーサルフィルム、エクタクロームE100の120サイズ(ブローニー)が復活です。
世界初のリバーサルフィルムは、1935年に発売された外式のコダクロームですが、内式のエクタクロームも1946年発売以来、長きに亘り愛されてきました。2012年に惜しまれつつも生産中止になりましたが、2018年10月、135サイズ(35㎜版)が何と6年ぶりに復活。デジタル全盛のこの時代に驚きを隠せませんでしたが、同時にブローニーの登場を心待ちにしていました。
今回さっそく使ってみて、私には少し落ち着いた深みのある色調が妙にしっくりきます。粒状性も良好で、2012年に生産中止になったE100Gと比較して違和感ありません。
富士にしろコダックにしろ、リバーサルフィルムを生産していただけることはありがたい限りです。
その需要は完全に趣味の世界と推察しますが、そこに代えがたい価値を見出している人たちがいることは間違いありません。
またデジタル化への道が遠くなりました。
Vol.1351
それほど遠くないところにあり、いつか行ってみたいと思いつつなかなか果たせない鉄道がいくつかある。この芝山鉄道もそのひとつだった。日本一短い鉄道と称するここは成田空港の真ん中にある京成東成田駅からたったひと駅、芝山千代田までの2.2キロである。
もともとは成田空港が建設される際、土地が分断されて交通が不便になる空港東側地域のために建設が約束されたという経緯がある。しかし実際には用地取得に難航し、開業したのは成田空港開港からずっと後の2002年のことである。
今回は京成電鉄の成田空港第2ビル駅から東成田駅まで歩いてみた。地下通路がずっと続いており、その距離約500メートル。
この訪問はまだコロナウイルスが流行する前の時。まだ海外旅行や入国に制限がなかった頃の土曜日午前中に出かけたのだが、東成田駅へとまっすぐ続く地下道はほぼ人通りがない。駅に到着する間にすれ違ったのは空港関係者と思われるたったひとりのみ。
これが東成田駅。現在の空港第2ビル駅と成田空港駅ができる以前の1991年まではここが終点の成田空港駅だった。人々はここで下車し、徒歩かシャトルバスで成田空港まで向かったのだ。僕も何度か使ったことがあるのだが、あまり記憶にない。地味なターミナルで空港まであとちょっとなのに不便な駅だと思っていた。
時刻表はこんな感じ。PASMOは使えません。そこで仕方なく切符を買う。ひと駅で200円。
ホームには人影は無し。乗ったのは僕ひとり。車内もガラガラ。
地上に出て高架を登ったかと思うとすぐに終点の芝山千代田駅。線路はここで行き止まり。すぐ横には空港の滑走路や建物が見える。
かつてはこの先までの延長も検討されていたらしい。周囲にはコンビニとか売店はない。貨物関連の会社が近くにいくつもあるので車の往来はそこそこある。
FUJI X100F, XF23/2 VOL.1350
真冬の早朝、凍りつく軌道の先導役として、車重の重い530号車が出動しました。
12月に貸し切り運転を堪能したばかりですが、営業車が函館の街に溶け込む姿はやはりいいものです。
深い夜明け
群青色の夜明けに、その佇まいが深く溶け込む。
函館市電 十字街 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
名残の灯
白んだ街に足元の灯が残る。
函館市電 十字街-宝来町 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
白い軌道
窓の外は白く眠たげだ。
函館市電 車内 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*
吐息凍る
凍る吐息の向こうから530がやってきた。
函館市電 駒場車庫前 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T*
寒風の信号待ち
端正で重厚な姿は一際存在感がある。
函館市電 十字街-宝来町 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T*
Vol.1347
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