水辺の小さな鉄道-鹿島鉄道 深川俊一郎
家に閉じこもって過去のフィルムを見返しています。
私のブログのペースは、季節感を大切に、なるべくタイムリーに近作をご覧いただくようにしています。(とはいうものの、撮影・現像・スキャンのタイムラグはあるのですが・・・)
もちろん日記を綴っているわけではないので、テーマやストーリーによって新旧入り混じることは多々あるのですが、明らかな旧作をあえてご覧いただくのは、何かにこじつけた(例えば廃止○○周年等)タイミングが欲しいところです。
そこで外出自粛のこの機会に、少しばかりの旧作をご覧いただこうと思います。
日課
片隅のレールにも、ひっそりと時間が流れている。
鹿島鉄道 桃浦 minolta XD MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 KR
緑風の駅
古びた額縁のような改札口の向こうに、緑色の風がそよいでいた。
鹿島鉄道 桃浦 minolta XD MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 KR
東京から100㎞圏内に、そんな小さな鉄道があることを知ったのは、大学3年の頃、クラブの小旅行で車で通りかかった時だったと記憶しています。
当時私は北海道を撮り歩いていましたから、その時は撮影する気もなく、ただ何となく眺めているだけだったかもしれません。
まもなく社会人になって、なかなか遠出ができない環境の中、ふと思い出しました。少し寂しげで、何ともいえない風情のある小さな鉄道のことを。鹿島鉄道という名も、その時改めて認識しました。昭和61年のことです。
それから数年、思い立っては訪れる日々が続きます。特に霞ケ浦に沈む夕日が印象的なので、秋冬の空が澄んだ日や、野辺に梅や桜が咲く暖かな春によく通いました。
一番最初に撮影したのが、新入社員研修が終わった、ちょうど今頃。緑がさわやかだった5月です。今見返すと、他にこの季節の写真はほとんどなく、最初の出会いの新鮮な印象が今でも心に刻まれているのです。
あの日の笑顔
少し汗ばむ陽気が心地よかった、小さな駅の記憶。
鹿島鉄道 玉造町 minolta XD MC W.ROKKOR 35mmF1.8 KR
またあした
もう二度と会わないかもしれないのに、またあした会いそうな気がする。
鹿島鉄道 玉造町 minolta XD MC W.ROKKOR 35mmF1.8 KR
五月のかぜ
築堤を渡る風に、ざわざわと草木が踊っていた。
鹿島鉄道 玉造町-榎本 minolta XD MC W.ROKKOR 24mmF2.8 KR
Vol.1359
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コメント
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鹿島参宮鉄道鉾田線の冊子を編集するのに画像を検索していたら行き当たりました。
昭和61年は大学2年生の頃、懐かしく拝見させていただきました。
さて、1つご相談があります。
「緑風の駅」と題された画像は桃浦駅の入り口を額縁に見立てた作品と推察いたします。
当時の桃浦駅の全景の画像を探しております。
お持ちであればぜひご提供いただけるととても助かります。
2枚web上で探し当てたのですが、連絡を取ることができず困っております。
ご検討いただければ幸いです。
当方、関東鉄道竜ヶ崎線の活性化を目的として市から予算をいただいて冊子を作っております。
昨年が龍崎鉄道と鹿島参宮鉄道の合併80年にあたるため、鉾田線をフォーカスしております。
長くなりました。
ご検討いただければ幸いです。
投稿: たけ | 2025年3月 3日 (月) 21時20分
たけ様
ご覧いただきありがとうございます。
桃浦駅旧駅舎の全景とのことで確認しましたが、当時は作品づくりばかり意識しており、あいにく記録的な撮影はしておりませんでした。ご期待に沿うことができずに申し訳ありません。
悪しからずご了承ください。
投稿: 深川俊一郎 | 2025年3月 4日 (火) 18時16分