原点 東京モノレール 201006 太和田光一郎
まるで空中散歩のように、やさしい走行音を響かせて超高層ビル群が立ち並ぶウォーターフロントを快走する『東京モノレール』を私が初めて撮影してから、早いもので今年でちょうど40年が経つ。1980年・昭和55年のことだった。
私事で恐縮だが、撮り始めたきっかけを少しお話しすると、当時、人気だったTV刑事ドラマ『Gメン’75』を観たことによる。
その番組の中で、芝浦付近を走行するモノレールが頻繁に映し出され、その姿にすっかり魅了されてしまった私は、居ても立ってもいられず、翌日、撮影に出かけたというわけだ。
あの衝撃から40年・・・。沿線は随分と変わってしまったが、モノレールへの想いは今も昔も変わりない。
今回、お見せする写真は、まさに私にとって東京モノレールの原点。
しかし、私の心に今もなお残る東京モノレールの本当の原点は、廣田尚敬さんの二枚の作品(後述)なのである・・・。
この日、100ft缶から巻いたプラスX を4本、トライXを3本持って、大井競馬場駅から芝浦まで歩いた。上の写真は、途中の天王洲で撮った懐かしの一枚。
当時の撮影日記を見ると、12:15 1/250sec f5.6 プラスXを1/3減感、ミクロファイン1:1 22℃ 8分30秒現像とある。
懲りずに翌週も出かけ、芝浦界隈を撮影している。運河の突き当たりにあるビルが、この後に述べる警視庁の田町荘だ。東京機関区のすぐ脇に建っていたので、見覚えのある方も多いことだろう。(写真右上)
撮影:1980.5.11・18
Canon EF FD24mm F2 FD135mm F2.8
プラスX ・ トライX
* * *
私が初めてカラーで撮った東京モノレールだ。ポケットの中には予備のKRが1本だけ。その後、廣田尚敬さんが審査員だった鉄道ファン・鉄道写真コンクールに、この3枚組みを応募して準佳作に入った思い出の写真・・・。
私には忘れることの出来ない写真がある。憧れの廣田尚敬さんが山と渓谷社刊 カラー『日本の私鉄2』の中で発表された、東京モノレールの二枚の作品だ。
大都会を走行する東京モノレールの魅力を巧みに表現されているこの二枚は、1976年9月、芝浦にあった高層アパートより、FD400mm F4.5S.S.C(裏表紙)、右の写真はFD200mm F2.8S.S.Cを用いてコダクローム64で撮影されている。(写真上)
見るたびに尊敬の念が募る中、この年の夏、やっとの思いでNFD200mm F2.8と、2倍エクステンダーを手に入れ、まったく同じ場所に立ち、コダクローム64で模写した写真が上の2枚だ。
一見、同じようだが、4年間の隔たりは大きく、五十嵐冷蔵の建物により後方の運河がほとんど見えなくなってしまったし、モノレール300型は、その姿を消している・・・。(警視庁交通第4機動隊 田町荘のバルコニー・屋上より)
この時、FD400mm F4.5S.S.Cで撮ることは叶わなかったが、憧れのこのレンズ、20年後の2000年、無性に欲しくなり中古で手に入れ、現在も大切に愛用している。(写真下)
撮影:1980.9.14 東京モノレール 芝浦付近
Canon EF FD24mm F2 ・ FD200mm F2.8 ・ エクステンダー FD×2-B KR
Vol.1408
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