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厳寒の朝、凍りついた軌道に先陣を切るのは、車重の重い530の役割です。
まだ明けやらぬ空のもと、陰影のある車体にオレンジ色のヘッドライトを灯し、重厚な音を函館の街に響かせるのです。
一番電車
群青色の空から降りてきたような、重厚な佇まい。
函館市電 末広町 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100
温かな車内
暖房が効いた温かな車内は眠気を誘う。
函館市電 車内 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100
凍結道
凍りついた街角は、人も車も電車も動きがゆっくりだ。
函館市電 湯の川-湯の川温泉 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T* E100
真鍮色の朝陽
建物の合間から重い朝陽が差してきた。
函館市電 車内 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100
貫禄
白い電車道に530の貫禄が頼もしい。
函館市電 千歳橋-昭和橋 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T* E100
風格の街
旧丸井今井百貨店と530の風格が重なり合う。
函館市電 十字街-末広町 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100
幾星霜
黄色い消火栓が、いつでも函館の街を守っている。
函館市電 湯の川-湯の川温泉 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100
Vol.1452
今度の3月のダイヤ改正でJR東日本管内からキハ40系気動車がなくなるという。私のような世代だとかつては全国でありふれたディーゼルカーといった感じだが、ついになくなると聞くと「国鉄時代も遠くになりにけり」といった感慨も浮かぶ。もう一度見ておきたい気持ちになった。残っているのは津軽線と五能線、男鹿線だというので、まず津軽線に行ってみた。
津軽線は青森〜蟹田が電化され、それ以降は非電化。青森発の列車も蟹田行きの電車で、蟹田で三厩行きのキハ40に乗り換える。しかし13時過ぎの1本だけ青森から三厩行きのキハ40が走る。青森からこの列車に乗って新幹線との隣接駅津軽二股まで行ってきた。
列車は青森を発車すると右にカーブして次第にスピードを上げていく。床下からはゴロゴロとディーゼルエンジンの音が唸っている。最近の高性能電車に慣れた身にはゆっくりとスピードを上げていく加速感がなんとも懐かしい。
下車した津軽二股は雪の中。青森では日差しも少しあったが、ここでは小雪が舞っていた。列車を見送ってから新幹線の駅に探検に行ってみる。エレベーターで4階まで上がる高い駅には人影がなかった。およそ1時間半ほどして折り返すキハに再び乗車。今度は蟹田まで行き、そこからは電車だ。
キハは終点の蟹田駅の手前で、遅れている北海道からの貨物列車を先に通すため退避した。非電化の蟹田から先はまったくのローカル線だが、ここは本州と北海道を結ぶ重要な貨物路線であることを改めて認識した。退避のため約10分遅れで蟹田着。乗り換え客が終わるとすぐに青森行きの電車は出発した。
車窓に陸奥湾を眺めながら、電車とキハの乗り心地の違いを痛感する。とにかく格段に加速が早い。巡行スピードも少し早いと思う。自分たちは趣味でキハの乗車を楽しむが、普段利用する人々にとっては電車の方がはるかにサービスがいいのは当然だ。
今回キハに乗ったら、東日本に残るあとふたつの五能線、男鹿線にも行ってみたくなった。3月の廃止までに行けるかな。
FUJI X-T3, XF18-55/2.8-4, XF90/2 VOL.1451
2016年の台風10号による空知川水害で、根室本線の東鹿越-新得が未だ不通になっていますが、この区間を含めた富良野-新得は、今まさに存続の危機を迎えています。
かつては道東への主要ルートだったこの道が、今は孤独なローカル線として岐路に立たされています。
冷え込んだ1月の朝、すっかり年季が入ったキハ40に乗って、孤独な車窓を味わいました。
青白い静寂に包まれた夜明けの富良野駅にキハ40がゆっくりと入ってきた。
窓越しに見る雪原がやがて遠近感を取り戻す。
人影が見えない駅舎は少し寂しげだ。
長いトンネルを抜けると視界にかなやま湖が広がった。
期せずして終着駅になってしまった東鹿越は、雪に閉ざされていた。
寂しげな終着駅
根室本線 富良野~東鹿越 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100
Vol.1448
長いことこの趣味をやっているので東京近郊の路線はJR、私鉄を問わずだいたい乗ったことがあるのだが、一部に未だ乗車したことのない路線がある。今回はそのひとつ、埼玉のニューシャトルに行ってきた。
東北新幹線に乗ると大宮を出たあたりで新幹線に並行している鉄道が見える。いつも気になっていたのだが、鉄道博物館までの一駅だけしか乗ったことがない。その先はどうなっているのか訪ねてみた。この鉄道はガイドレール方式のゴムタイヤ、ゆりかもめなどと同じである。正式名は「埼玉新都市交通伊奈線」というらしいが、ニューシャトルの方が馴染みがある。
まずは終点の内宿まで行ってみた。駅周辺は住宅が少しあるだけの静かなところ。無人駅かと思ったらパートタイムのような女性の方がいて、改札は小さなキオスクも兼ねていた。
沿線沿いに歩いて一駅戻ろうと考えた。駅間距離も大したことないし、高架の線路に沿って側道がずっとあるようなので迷うこともない。ぶらぶら歩いていると隣の羽貫駅の手前で何やら線路にたった10メートルほどだが金網があり、そこだけ側道が途切れていた。不思議に思ってスマホで調べてみると、ここは建設時に地権者1名が譲らず、最後は行政代執行で強制的に収用した部分らしい。このたった10メートルほどのためにここだけ開通が7年も遅れたそうだ。一見のどかな土地に見えるが、いろんなことがあるものだ。金網はその土地の空中権を取得していることを示すものらしい。
これが、その金網状のシェルター。ここだけ側道がない。
そのあとは車庫のある丸山まで乗車し、陸橋から車庫見物。ガイドレール方式のポイントというのは一見しただけではよくわからないが、これでちゃんと切り替わるのだから不思議なものだ。
半日ほどの散策だったがいくつか発見もあって楽しかった。他にも未踏路線があるので、またおいおい訪ねてみよう。
FUJI X-T3, XF17-55/2.8-4, XF90/2 VOL.1447
正月の東京駅
新年あけましておめでとうございます。
昨年から続くコロナ状況下でいろんなものが様変わり。年末の帰省ラッシュも目立った混雑はなかったそうだし、明治神宮の初詣客も大幅減ということらしい。再び首都圏に緊急事態宣言が発出かという近頃だけど、首都の玄関、東京駅に行ってきた。
そもそものきっかけは現在東京都写真美術館で行われている展示「日本初期写真史 関東編」を見て、展示の最後の方に宮内幸太郎 明治44年撮影「中央停車場建築」という写真を見たからだ。建築中の東京駅の全景を撮った写真なのだが、まだ鉄骨がむき出しで建築途上なのだが、細かい鉄骨が整然と並ぶ姿は精緻で整然とした美しさを感じた。
そんなわけで東京駅を見たくなって出かけてみた。ちょうど夕暮れ時なのでライトアップされた駅舎をバックに写真を撮る人が大勢いた。東京駅の人出はどんなもんかと思ったが、新幹線の列車はどれも空いていた。帰省ラッシュが終わった元旦二日あたりは普段の年でも割と閑散としていることもあるので、例年に比べてどれほどのものなのかはよくわからない。
お客がたくさんいようと、そうでなかろうと列車は淡々と定時に出発していく。当然そこに働く人たちもしかり。鉄道は市民の日常を支えるための重要な公共インフラだ。本年が良い年になりますように。
FUJI X-T3, XF18-55/2.8-4 VOL.1443
あけましておめでとうございます
2021年がどうか・・・どう〜~か明るく、
そして皆様にとりまして素晴らしい年になりますように!
今回のカットは、北海道東北部、オホーツク海に面した湧別町の「中湧別駅記念館」にて昨冬に撮影したものです。
中湧別駅は名寄線・湧網線が接続する交通の要の駅でしたが、1987年の湧網線、1989年の名寄線の廃線に伴い廃駅となりました。
駅跡はプラットホームやレールが当時のまま保存されていて、ラッセル車・緩急車の展示、駅名票や時計などもそのままに、現役時代の雰囲気がよくわかる記念館となっている・・・のですが・・・冬場は閉館しており、撮影時も積雪が壁になっていて覗き込むようなカットとなりました。
今後、自由に気兼ねなく往来ができるようになって、また他の季節にも来られたら良いなぁ…。
本年も当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。
上湧別百年記念公園 中湧別駅記念館
Sony α7R3・α7lll / FE16-35mm F4・FE70-200mm F4
Vol.1442
明けましておめでとうございます。
日頃より当ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
昨年はコロナにより思いもよらぬ年となってしまいました。考えるまでもなく、鉄道趣味は外に出かけることの多い活動ですが、撮影も乗車も十分にかなわない、もどかしい一年でした。当ブログのメンバーも外出自粛で撮影が減り、アップする記事に四苦八苦することもありました。
このブログもすでに1,400回を数え、今年6月には9周年を迎える予定です。こうしてご覧くださる皆様のおかげです。いずれ通算1,500回、そして10周年という日が来ます。ひとつの節目だと思いますが、まだまだ中間点。今後もメンバー一同、健康に気をつけて末長く楽しみながらブログを続けていきたいと思っています。
さて、毎度恒例のお正月企画ですが、あさって1月3日に各メンバーの本年最初の記事を連続してアップします。どうぞお楽しみに。
皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げますとともに、社会が早く落ち着きを取り戻し、鉄道趣味が以前と変わらぬように楽しめる日が来ることを願ってやみません。今年もレイル・オンブログ「現代鉄道写真研究所」を引き続きよろしくお願いいたします。
令和三年 元旦
レイル・オン一同
Vol.1440
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