只見線がくれたもの-最終章③ 深川俊一郎
「最終章」と謳いながら、少し間が開いてしまいました。今回を含め、あと2回で締めくくろうと思います。
今の私のメイン機材は6×6判ですが、振り返るともうかれこれ18年が経ちます。きっかけは愛用していたフィルム、35㎜判のコダクローム25が廃番になったことです。
只見線を撮り始めた昭和の終わりは、まだ学生時代から使っていたミノルタ、そして平成5年にコンタックスに鞍替えして約10年は、コダクロームとツアイスレンズという至高の組み合わせで、じっくり只見線を撮り込んでいる時でした。
平成13年に写真集を刊行して一区切り…のつもりでしたが、まだまだ撮り足りない一心でそれからも通う日々が続きました。
今回ご覧いただくのは写真集刊行後、機材を6×6に変える前の数年、発表する機会がなかった過渡期の作品です。それまでの撮影スタイルが熟成していた頃かなとも思っています。
いつかきた道
線路端の道が緩やかにカーブしてゆく。
ふと掠めた夏の記憶が暑さの彼方に消えてゆく。
只見線 会津横田-会津大塩 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM(+1)
棚田より夏の便り
振り返ると山里がカンバス一杯に広がっていた。
遠くを行く列車の音が夏空に少しだけ響いていた。
只見線 入広瀬-上条 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM
夏道何処へ
めまいがするほどの暑さに夏道が揺れている。
列車が来ない真昼の時間は、長くてゆっくりだ。
只見線 柿ノ木-入広瀬 CONTAX RTSⅢ Tele-Tessar 300mmF4 T*+MutarⅡ KR
振り向けば遠いあの日
赤紫に染まった雲は、遠い昔の記憶を呼び覚ます。
お盆を過ぎれば、夏は急に速度を速める。
只見線 会津柳津-郷戸 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM
Vol.1472
☆写真展開催のご案内
鉄道ではないのですが、私、深川俊一郎が、個展を開催します。テーマは、ねこのいる街です。お近くにお出かけの際は、是非お立ち寄りいただけましたら幸いです。
一番町のねこ
富士フォトギャラリー銀座(中央区銀座1-2-4 4F)
令和3年4月9日(金)~4月15日(木)
平日10:30~19:00・土日11:00~17:00(最終日14:00迄)
http://www.prolab-create.jp/gallery/ginza/
☆写真集も発売します。
一番町のねこ
発行:日本写真企画
https://photo-con.net/SHOP/118-1.html
写真展会場では特別価格で販売します!
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