1982年の中国 服部一人

上の写真は1982年にハルビン駅のホームで撮ったものである。この時は長距離列車に乗っていて、この駅に昼12時過ぎに到着した。約15分ほどの停車時間だった。長距離列車の旅では単調な車内に飽きて、駅に着くたびに停車時間を見計らいながらホームに降りて散歩したり写真を撮ったりしていた。
停車した反対側のホームには大型の蒸気機関車がいたのであたりを気にせず夢中でカメラを向けていた。一段落して、ふと振り向くとこれだけの人々が集まっていた。初めは何を見ているのだろうと考えた。彼らの視線の先を見渡しても特に変わったものはない。僕が移動してカメラを操作していると、そのまま彼らは僕の姿を目で追っている。ひょっとして彼らは僕を見に集まったのか! 出発時間が近づいて僕が車内に引き上げると彼らも解散した。当時の中国東北部では外国人旅行者はそれほど珍しかったのだろうか。
首都北京駅の切符売り場だ。ずいぶんとのどかな雰囲気が感じられたことを記憶している。

北京から一番近い万里の長城が見える観光地「八逹嶺」駅。北京からの観光列車が到着してツアーの外国人が下車したところ。このころの中国はまだ外国人の個人旅行が認められておらず、ほとんどの外人客はパックツアーでやって来ていた。
その万里の長城はこんな感じ。みんな人民服を着ていた。
40年前の中国は今とまるで違っていた。もう今では見ることができない情景ばかりだ。
Nikon F2, Nikkor35/1.4 VOL.1572
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