« 夕暮れの京都駅 | トップページ | お蔵入りリバイバル  220624  太和田光一郎 »

2022年6月21日 (火)

北へのいざない-二色塗りの小さな気動車②  深川俊一郎

時は流れて時代は平成になり、二色塗りの気動車のことは記憶の奥底に埋もれかけていた頃…各地でちらほらと復刻の噂が聞こえてきました。
それらを追いかけて岩手の岩泉線や山田線まで赴きましたが、狙ったタイミングに、しかも一両編成で来るとは限らず、なかなか困難を極めました。
そんななかで、足繁く通うようになったのは大糸線です。もともと南部の松本-南小谷は馴染みのある路線でしたが、北部の非電化区間である南小谷-糸魚川はほとんど記憶にないくらいで、ここのキハ52(山岳地帯用)が二色塗りで走っているということで、期待を込めて訪れることにしました。
さすがにフォッサマグナの険しい地形をゆく大糸線に、北海道の面影をこじつけるのは無理がありますが、それはそれ、割り切って楽しむことにしたのです。
平成18年~22年頃の話です。この大糸線も、今や鉄路としての存続が取りざたされています。

07032_20220620213001
山塊微笑む
頸城駒ヶ岳の断崖絶壁の向こうには、残雪眩しい雨飾山が穏やかに構えている。
暖かく澄んだ西日に二色塗りの気動車が輝いていた。
大糸線 頸城大野-姫川 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T* E100G

06038
初夏の山村
深緑色の湿気が心地よい初夏の山村。
赤とクリームの色合いは緑の森によく似合う。
大糸線 根知-頸城大野 HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T* E100G

09043_20220620211801
いつかの道
どこまでも歩いていきたくなる夏の道。
小さな気動車は遠い記憶を呼び覚ます。
大糸線 北小谷-平岩 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

09043_20220620211802
姫川の夏
水音と歓声と列車の音が入り混じって、いつまでも耳に残っていた。
川風に乗ってふと通り過ぎて行った夏の日。
大糸線 南小谷-中土 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

08011
氷雪輝く
冬の流れは清冽でたおやかだ。
青白い夜明けに霧氷が小さく咲き誇る。
大糸線 南小谷-中土 HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T* E100G

09002
けものみち
小さな足跡は向こうの雪壁へと吸い込まれていった。
静寂を破るように谷底から二色塗りの気動車が現れた。
大糸線 中土-北小谷 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

10002
残照の駅
赤紫の残照が宵闇に飲み込まれてゆく。
そこだけ時がゆっくりと流れていた小駅。
大糸線 平岩 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

Vol.1625

« 夕暮れの京都駅 | トップページ | お蔵入りリバイバル  220624  太和田光一郎 »

深川俊一郎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 夕暮れの京都駅 | トップページ | お蔵入りリバイバル  220624  太和田光一郎 »

最近のトラックバック

2023年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31