北へのいざない-二色塗りの小さな気動車③ 深川俊一郎
根室本線の富良野-新得(東鹿越-新得はバス代行)が、いよいよ自治体を含めて鉄路としての存続を断念する方向です。残された日々が決して長くないことは想像に難くないので、次の季節は再び撮ることができない覚悟で向き合っています。
令和3年に根室本線全通100周年他の記念で、釧路運輸車両所のキハ40が2両ほど二色塗りに化粧直しされ、新得以東を走りました。これは往年のキハ22を模したものです。新車当時は朱色一色(首都圏色)で登場したそのキハ40も、令和4年3月のダイヤ改正で釧路支社から引退しましたが、廃車を免れた数両が旭川運転所に転属。二色塗りの2両もその中に含まれ、この春から根室本線の富良野-東鹿越にも姿を見せるようになりました。
最期が迫るこの鉄路に、私にとって原点である二色塗りの気動車が現れるとは何かの縁。出会える確率は低いですが、期待に胸を膨らませて臨みたいと思います。
残雪遥か
随分と早い夜明けが、時計の針を大きく追い越していた。
眩しい残雪に、眠たい身体がまだ少し追いつかない。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ
息吹き
森の奥から湧き出るように木々が息吹く。
白く閉ざされていた厳しい冬は、いつの間にか大地の奥底に眠ってしまった。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T*+2XE RDPⅢ
浅春
浅い春は清冽で心が洗われる。
遠くの線路を二色塗りの気動車がのんびりと、そして確かな足取りで走っていった。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* E100
Vol.1629
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