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2024年3月

2024年3月30日 (土)

福島交通軌道線 掛田駅とモハ1115   服部一人

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福島交通にはかつて軌道線があって路面電車と郊外の町を結ぶインターアーバンの風情を共にあわせ持った鉄道であった。1971年に全線廃止されているので私自身ももちろん現役時代を知ることはない。けれど今でも趣味誌などで往時の写真を見ると実にいい雰囲気のローカル私鉄であったことがうかがえる。砂利道の路側軌道、高さの低いホーム、鉄道道路併用橋など、今ではもう見ることができない情景が随所にあったことがわかる。

軌道線の終点のひとつ掛田駅は今でも駅舎が保存されてバスターミナルの待合室として使われている。その掛田駅が昨年リニューアルされて別の場所にあった保存電車も移設されたという話を見つけて行ってみた。モハ1115は新しくペイントされて新車のような輝きである。駅舎も一部に路面電車ミュージアムが併設されて当時の写真などが飾ってあるということだが訪問した日は残念ながら休館日であった。

このあたりの地域も全国の地方の例に漏れず車社会で、鉄道どころか路線バスも次第に縮小している。しかしかつてはこんな町にまで小さな鉄道が来ており1両の電車が行ったり来たりしていた。この掛田駅は1911年の開業で1971年の廃止なので、60年間はそんな時代が続いていたのだ。当時の駅舎の前にたたずんでしばし往時に想いを巡らせた。

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iPhone XS                                          VOL.1850

2024年3月27日 (水)

LongDistance ○○○ 祝 北陸新幹線延伸! 長野駅いろいろ採集 ○○○   梅村貴子

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先日、北陸新幹線が敦賀まで延伸され、関東圏から福井方面へのアクセスが良くなりました。同時に、関西方面から金沢に行くには特急からの乗り換えが必要になるなど、皆がバンザイとも行かないようで…いろいろと難しいですね。

気になることはちょっと置いておいて、しばらくぶりで好きな長野駅で好きなE7系と戯れてきました。
延伸されても長野駅では行き先表示板に敦賀の文字が出たくらいで、特に何か大きく変わることもなく(改札前のコンコース天井には恐竜の垂れ幕がどどんと下がってましたが)。
全ての列車が停まる主要駅なのにホームドアが設置されてなくて撮りやすいし、そしてドア(鉄扉)が1枚ないだけで列車が近くに感じられてやっぱり長野駅はいいなぁと雰囲気を味わっていたら、列車が入るたび出て行くたびに、「ホームはじから下がってくださぁ〜〜〜い」のアナウンスがガンガンと流れます。毎回二言目にはアナウンスは英語になっていましたから海外からの方も多いのでしょう。賑わうのはとてもいいことですが、駅員さんにはホントにお疲れ様と思いました。(私もご迷惑をかけないように周りを充分に気遣いながら撮影してきました。)

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2本のホームに4つある待合室のガラス壁には四季それぞれの切り絵が施されてます 

から

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JR東日本 JR西日本  北陸新幹線 長野駅

Sony α7R3 / FE70-200mm F2.8 M2・ FE16-35mm F4
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2024年3月24日 (日)

昭和59年3月 EF58急荷の終焉  240324  太和田光一郎

01-19840304-01kt_ 今からちょうど40年前の3月、汐留発着の急行荷物列車の牽引機だったEF58が、ひっそりとその役目を終えました。

当時、職場から30分ほどの汐留支線に行けば、毎日、朝から晩までゴハチの急荷が撮れたのですから、夢のような時代でした

今回は、ラストランまでの3か月間に、主に東京口で撮り込んだ写真をご覧いただきたいと思います。

名古屋駅に到着した荷38列車。まるでSLの煙のようなエキゾーストがたまらない。給水を終えて、一路汐留へ。(写真上)撮影:1984.3.4

Nikon F3  180mm F2.8  PX

02-19840228kt_当時、昼休みの時間を利用して、荷33列車をよく撮っていた。12:10 職場の近くにある都バスの停留所から乗車して、泉岳寺前で下車。高輪架道橋を通り品川客車区入口の踏切に12:35頃到着。

持参した弁当を食べながら、12:45に通過する荷33列車を待つ至福のひととき・・・。

そして急いでカメラをたたみ、高輪大木戸跡の前からタクシーを飛ばせば13:00には職場に戻れるというわけだ。

撮影:1984.2.28 東海道貨物線 汐留支線 高輪架道橋付近

Nikon F3  RF500mm F8   PX

03-19840321kt_この日の荷31列車の牽引機EF58146号機が単機回送で汐留へ向かう。左奥にはDD13のねぐら品川機関区が見える。

撮影:1984.3.21 東海道貨物線 汐留支線 高輪架道橋付近

Canon F-1 FD200mm F2.8   PX

04-19840110kt__20240325124001以前、ゴハチの重連で有名だった荷35列車が定刻にやって来た。現在は休止されている大汐線だが、2031年の開業予定の羽田空港アクセス線(仮称)として復活するのが楽しみだ。

撮影:1984.1.11 東海道貨物線 大汐線芝浦付近

Canon F-1  FD35mm F2   PX

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専用線貨物の取り扱いが廃止され、旅客専用駅となったばかりの熱田駅に到着した荷33列車。当時の撮影手帳には18:21入線と記してある。

この頃は、また158号機かと、うんざりしていたものだったが、今となっては贅沢な悩みといえよう。 撮影:1984.3.4

Nikon F3  105mm F2.5  TX

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昭和59年の冬は雪が多かった・・・。この日、出勤前に大汐線芝浦付近で荷34列車を撮影した後にペンタの67が故障してしまったが、懲りずに昼休みにはもう1台の67で雪降る中、荷33列車を撮っている。(写真上2枚)

荷33列車は、東海道新幹線の高架線の下をくぐり抜けて、東海道線の下り線に合流して本線に入っていた。(写真下)

撮影:1984.1.31 東海道貨物線 汐留支線 品川客車区入口付近にて

PENTAX 6X7   Takumar200mm F4   XP1-400

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2024年3月21日 (木)

根室本線-大地の軌跡⑧  深川俊一郎

写真展 根室本線-大地の軌跡 は無事終了しました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。
写真をモニターで見ることが多くなった昨今、大伸ばしの銀塩写真の奥深さを自分でも再認識した次第です。
根室本線の富良野-新得間の営業終了まであと10日あまり。現地はさぞ賑わっていることでしょう。
私は今、遠くから静かに思いを馳せています。

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暖かな駅が幾人の旅人を迎えたことだろう。
その小さな灯も間もなく消える日がやってくる。
根室本線 布部 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 E100(+1)

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2024年3月18日 (月)

阪堺電車の味わい深い停留所 2   服部一人

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安立町

安立町は阪堺電車によくある住宅街の中の小さな停留所だが、なんといってもここが素晴らしいのは天王寺方面行きのホームに直結して古いモルタル塗りの建物があり、その一角に「カラオケ あんりゅう倶楽部」 というお店があることだ。この住居兼店舗のような建物と駅のホームはほぼ一体となったような状態で建物の壁からそのままホームの屋根も出ている。

実際にお店が開店している時間帯ではなかったので、今も営業しているのかどうかは定かではないのだが、夜にホームのベンチで電車を待っていると、ほんのりとカラオケの音楽が聞こえてくるなどという状況だったら、昭和風情というか映画が撮れそうな雰囲気である。次回モ161が走行するときにはぜひ、この駅で撮りたいなぁと思う。

 

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我孫子道

言わずと知れた我孫子道。ここは停留所と言わず「我孫子道駅」といって差し支えない堂々とした風情がただよう。阪堺電車の本社や車庫もあり、この鉄道の中心ということがよくわかる。この駅止まりや始発の電車もあり、車庫からの出入りもあるので長くいても飽きない。車庫の外の留置線にはたいてい何両もの電車が停まっていて天気の良い日にはまるで日向ぼっこしているようにも見える。

SONY α7Ⅳ, 24-105/4, RICOH GRⅢX, 26.1/2.8           VOL.1846

2024年3月15日 (金)

LongDistance  〜〜〜 北の地の そのまた東の 冬どき三景 2024 〜〜〜  梅村貴子

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冬はるか

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冬しずか

240315_3 冬けむり

JR北海道  釧網本線  細岡ー塘路  SL冬の湿原号 (最後尾 DE10ノロッコカラー補機付き) / 石北本線  緋牛内ー端野・留辺蘂駅
Sony α7R3 / FE70-200mm F2.8 M2  (トリミングあり)
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2024年3月12日 (火)

久方ぶりの鉾田  240312  太和田光一郎

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先日、久しぶりに鉾田の近くを通る機会があり、今も面影を残す鹿島鉄道鉾田駅跡に立ち寄った。

すでに駅舎や線路は残っていないが、ここを走っていた証しとしてプラットホームだけが当時の姿を残していた・・・。

帰り道、北浦の湖畔を鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の単行のキハがやってきた。(写真下)

Pmd_0274k-_撮影:2024.3.3 鹿島鉄道 鉾田駅跡・鹿島臨海鉄道北浦湖畔-新鉾田間

Nikon Z8   Z24-70mm F4・Z70-180mm F2.8   D2X  17-55mm F2.8

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撮影:2005.9.28  鹿島鉄道 鉾田駅

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2024年3月 9日 (土)

根室本線-大地の軌跡⑦  深川俊一郎

北の大地に繰り広げられる鉄道風景はいつでも一期一会なのに、いつしか当たり前の光景だと錯覚していたように思います。
このブログでも何度か触れましたが、もう50年近く前に、とある本に載っていた「北の大地をぽつんと走る気動車の写真」に、心は一瞬にして北へと馳せることになったことが、根底にあります。
その想いをいよいよ封印する時が来ました。
私は決して車両だけにこだわってはいないつもりでしたが、形式は違えどその根底にある鉄道風景が、当たり前のように今日までそこにありました。
そして今、私の中で、北の大地のかけがえのない鉄道風景が静かに終焉を迎えます。

今回の作品は、「浅春」です。以前のブログでご覧いただきましたが、私が撮りたかった「北の大地をポツンと走る二色塗りの気動車」の写真です。
モニター画面では小さいですが、写真展会場では大伸ばしでご覧いただけますので、是非お待ちしております。

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浅春

浅い春は清冽で心が洗われる。
遠くの線路を小さな気動車がのんびりと、そして確かな足取りで走っていった。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* E100

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☆写真展開催中
根室本線-大地の軌跡
富士フォトギャラリー銀座(中央区銀座1-2-4 4F)
令和6年3月8日(金)~3月14日(木)
平日10:30~19:00・土日11:00~17:00(最終日14:00迄)
http://www.prolab-create.jp/gallery/ginza/

☆写真集発売中
根室本線-大地の軌跡
発行:共同文化社
ISBN:978-4-87739-396-0
https://www.kyodo-bunkasha.net/items/82060722
写真展会場では数量限定ですが特別価格で販売中です。

2024年3月 6日 (水)

阪堺電車の味わい深い停留所 1   服部一人

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松虫

阪堺電車には魅力ある味わい深い停留所がいくつもある。住宅街の中にあって周囲の風景の一部のように馴染んでいる。僕は鉄道模型はやらないが、もしやっていたらこういう情景を作りたいなと思わせるような停留所ばかりである。

まずは松虫停留所。阪堺電車に撮影に来るとほぼ必ず立ち寄るお気に入りである。天王寺から乗るとここまでは大通りの真ん中を走る併用軌道。専用軌道に入ってすぐのところに松虫はある。それまでの路面電車らしい沿線からここにきて雰囲気が大きく変わる。家の庭先の延長のような感じで停留所がある。

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天神の森

次は天神の森停留所。まず名前がいい。実際にすぐ横に天神の森天満宮があってホームからも緑が見える。電車が通る時以外は静かで人通りも少ない。
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北天下茶屋

続いて北天下茶屋停留所。何が素晴らしいと言ってホームに直結で喫茶店の入り口がある。「コーヒールンバ」と書かれた店名のお店は勇気がなくてまだ入ったことがないのだが、扉越しに中をのぞく限りは昭和感満載の雰囲気である。地元のおじちゃん、おばちゃんの常連客で賑わっているような感じがする。この喫茶店だけではない。周辺には細い路地があり小さな商店街が続いている。まわり全部が「昭和」である。南海電鉄の天下茶屋駅から歩いてくることもおすすめする。商店街が楽しい。

SONY α7Ⅳ, 24-105/4, RICOH GRⅢX, 26.1/2.8           VOL.1842

2024年3月 3日 (日)

LongDistance  *** 釧網本線 流氷物語号 2024 ***   梅村貴子 

釧網本線、網走-知床斜里間を走る冬の観光列車「流氷物語号」。
今年は1月27日から2月25日、3月1日から3日までの運転で、本日最終日を迎えました。

以前の「キハ54」の水色と白の車輌から数年前に「キハ40 北海道の恵み号」シリーズの「流氷の恵み号」と「森の恵み号」に代わり、今年もその2両での運行です。カラフルなデザインが道東の鉄路に華やかさをふりまきました。

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列車後方、雪原に見えるところはオホーツク海、流氷です

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おかげさまで今年も「撮って・乗って」が出来ました。
訪れた時は季節外れの暖かさとなった数日で
地面の雪はだいぶ溶けていましたが、流氷はしっかり接岸していて、また次の日にもそこそこ残って海面にプカプカと浮かんでいました。

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運行してくださるJR北海道の皆様、そして各企画やグッズ販売・観光案内など、ボランティアで活動されているMOTレール倶楽部の皆様、毎年本当にありがとうございます。

JR北海道 釧網本線 流氷物語号
浜小清水-北浜・北浜駅・浜小清水駅・車内
Sony α7R3・α7lll  / FE16-35mm F4・FE70-200mm F2.8M2 +1.4テレコン (トリミングあり) 
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