路面電車紀行-熊本市電5014号車引退② 深川俊一郎
昭和32年製、元西鉄福岡市内線の車両が、西鉄時代の塗装に復刻され、平日の朝だけ熊本の街を走っていました。
吊り掛け駆動ではない、初期の中空軸平行カルダン駆動の「スゥィー」とスムースなモーター音、川崎車輌独自のOK台車の硬めだが安定感ある乗り心地…もっと古い車両が他にも存在するのに、どうにも惹かれてしまうのです。
何より愛らしいそのデザインとシックな塗装をみていると、今どきの電車が機能性ばかりでつまらなく思えるのでした。
最後の朝
眠気が漂う夜明けの電車道。
(最終日は一番電車に乗って夜明けを迎えた)
熊本市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ
橙色の軌道
ビルの狭間から遅い朝陽が差し込んできた。
(隣にいた福岡出身の女性が「地元の西鉄が懐かしい」と感慨深げに見送っていた)
熊本市電 水道町-九品寺交差点 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RDPⅢ
急カーブ
その造形がとてもユニークな急カーブの電車道。
(A系統は特徴的な電車道が続く)
熊本市電 河原町-慶徳校前 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ
夜街へ
週末の夜街に人々が吸い込まれてゆく。
(白熱電球の大きなヘッドライトが一際輝いていた)
熊本市電 花畑町 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ
夜の城下町
まだ復旧途上の熊本城が、繁華街を見守っていた。
(5014号車の夜景を撮影するのは、これが最初で最後になった)
熊本市電 通町筋 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RDPⅢ
Vol.1996
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