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2025年6月12日 (木)

レイル・オン ブログ2000回&開設13周年記念 愛機ハッセルブラッド  深川俊一郎

「カメラ機材は高性能、多機能で軽くて小さい方がいいに決まっている。道具というよりは、便利な家電製品が日常生活を豊かにするようなものかもしれない」…と、凄い新製品が出るたびに実は本当にそう思っているのです。
出だしから観念的な話になりましたが、まずは当ブログも今回で2000回を迎えられましたこと、改めてお礼申し上げます。
これから数回は少しパーソナルな機材の話と、それぞれで撮影した作品が中心になることをお許しください。

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一番列車
厳しい冬の撮影を終えて、静かで穏やかなこの地で春を迎えるのが恒例となった。
小湊鐵道 上総川間 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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甘い微風
凝縮された甘い香りを、画面いっぱいに詰め込みたかった。
小湊鐵道 馬立-上総牛久 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RDPⅢ

こんな話をしているのは、先日触れたとおり、私のメイン機材である、HASSELBLAD 201Fのシャッターカーテンが閉じなくなり、修理不能になってしまったからです。今年の1月3日の年始記事で「何かきっかけや突発的な出来事(例えば致命的な機材トラブル?)がなければ、なかなか積極的にフィルムをやめる気持ちにはなりません。」と記していたことが現実に起きてしまい、書かなければよかったと少し後悔しています。
それは同時に、Distagon FE 50mmF2.8・Planar FE 110mmF2・Tele-Tessar FE 250mmF4のフォーカルプレーンシャッター機専用レンズが使えなくなったということなのですが、特にPlanar FE 110mmF2 はハッセルの一番明るいレンズで、フォーカルプレーン機はこのレンズを使うためのボディであるとも言われているくらいです。

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Distagon FE 50mmF2.8を装着したHASSELBLAD 201F。重さ1kgを超える私の標準レンズだった。カメラと合わせて2kgを超えるが、首に回した革ストラップの重量感が身についてしまった。

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夕桜
春分が過ぎれば、陽が長くなったなと実感する。
小湊鐵道 上総川間 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RDPⅢ

6×6判のハッセルブラッドは、広角のBiogon 38㎜ F4.5固定のSWシリーズを除くと、市場に存在するのはほぼレンズシャッターの500シリーズと思われます。フォーカルプレーンシャッター機(2000・200シリーズ)は現在ではメーカー部品払底で修理受付が終了しており、どこに聞いても門前払い。そのため所有者が放出しないのか、まず見かけることはありません。ちなみに撮影現場で使っている人に出会ったことは、過去に1・2回あるだけです。トラディショナルな500シリーズは精密さと武骨さを併せ持ち、200シリーズはそこにスマートさが加わります。何しろ撮影後ミラーが上がりっぱなしでブラックアウトの500シリーズに対し、200シリーズはクイックリターンミラーなのですから…

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古木桜
物静かな古木に身を包まれたこのカットが、期せずしてDistagon50mmF2.8の最後となった。
小湊鐵道 月崎 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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春色のみち
甘い匂いに誘われてさりげなく撮ったこのカットが、期せずしてPlanar110㎜F2の最後となった。
小湊鐵道 上総鶴舞 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ

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散り始め
ゆっくりと散り始める花びらに目を奪われたこのカットが、期せずしてTele-Tessar250mmF4の最後となった。
小湊鐵道 上総大久保 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RDPⅢ

さて、これからどうするか…もちろんもう1台のHASSELBLAD 500CMとC・CFレンズ(レンズシャッター)のシステムがあるので、引き続きこちらを使うことができます。もともと電子制御の201Fは春夏秋、機械制御の500CMは厳冬期の北海道と使い分けていましたので、それについては問題ありません。
ではなぜ悩むのか…そこにはいくつかの訳があります。まずは愛着のあるメイン機材が再起不能という心理的ダメージ。そして明るく高性能なレンズが使えなくなったこと。さらにこの4月からフィルムがまた値上がりしたことなどですが、本音をいえば、どこかでデジタル機材を買う大義名分が欲しいのかもしれません。

次回に続きます。

Vol.2000

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深川俊一郎」カテゴリの記事

コメント

僕は、小湊鐵道線は乗車した事が無いですが、首都圏の鉄道で非電化路線は珍しいと考えております
TX線から守谷乗換で関鉄常総線にて水海道へ向かった事は、何度か有ります。
こちらも、非電化路線で、気動車が1両か2両による運用で、ローカル線の気分です。
2015年に、鬼怒川堤防決壊による洪水が発生しましたが、復興が進み、寺社参拝や地元の飲食店巡りが楽しめます。

同じ201Fを使用していた者です。
陰ながらブログを拝見しておりました。
Fレンズ、FEレンズ群が使用できる200シリーズにあって、201Fの外観のシンプルさに惚れ込んでいました。
ブログの写真を拝見して、新たにFレンズ、FEレンズを購入したこともありました。
参考にさせていただいたことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。

当方、201F(ブラック塗装)を手放すことになりました。
僭越ながら、もし条件が合いますようでしたらご検討ください。

https://auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e1185363931

Yoichiro-Hondaさま
いつもご覧いただきありがとうございます。
常総線は私も一度行ったことがあります。関東平野の長閑な雰囲気ですね。
小湊鐵道も、乗っても撮っても、とてもいい鉄道風景を堪能できます。

chiruさま
いつもご覧いただきありがとうございます。
201Fを使用されていたとのこと、とても嬉しく、また驚いております。ご指摘の通りそのシンプルさは、まさに玄人好みの機種と言えました。
chiru様のオークション、実はチェックしておりました。ご配慮ありがとうございます。色々な選択肢の中で頭を悩ませており、すぐには決断できない状況です。
これからもご覧いただけると、嬉しい限りです。
このような出会いに、ただただ感謝です。

不意にコメントを書き込んでしまい、後になって「これは便乗でしかない」と反省しておりました。
返答をいただいたことに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

中判フィルムが1本が1000円以下だった時代からすると、201Fを使用している方はもうさすがに少なくなっているんだろうなあと感じていた折、数年前から毎晩ブログをチェックするようになっていました。
Tele-Tessar 250mm F4やBiogon 50mm F2.8を使用した写真に「ここまでできるんだ」と感じていました。

本当は201Fを使い続けたかったのですが、身の丈に合わなくなってしまいました。
銀塩フィルムを使用する機会は激減してしまいました。
とりわけ中判フィルムは至高です。
数年先にはゴミになってしまうのではなく、一生ものだと思います。
何とも難しいです。

chiruさま
コメント頂戴し本当に嬉しかったので、どうぞお気になさらないでください。
銀塩・ブローニーの同志を見送るのはとても残念ですが、無責任なことは言えません。
私は何かにつけこだわりが強く、カメラ機材も結果としてマイノリティーになっていますが、それは個性として、周りに流されないつもりではいます。
引き続きお付き合い戴ければ幸いです。

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