2017年8月15日 (火)

路面電車紀行‐炎暑の広島電鉄①  深川俊一郎

被爆電車として知られる650形は、1942年製の半鋼製車で、今でも3台が現役で健在です。そのうち653号は当時の塗色に復元し、中国放送との共同プロジェクトで夏の間特別運行されています。
そして651・652号は主に平日朝に通常運行されますが、特に8月6日には必ず運用に入るようです。
炎暑の街に、旧型の路面電車が唸りを上げて走ります。

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遠い夏雲


ぬるい川風が肌をかすめてゆく。
原爆ドーム前-本川町 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

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細道へ


昔からある細い電車道へ、車体を軋ませながら交差点を曲がってゆく。
観音町-西観音町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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薄暮のみち


薄暮の目抜き通りには、まだ息苦しいほどの暑さが残っていた。
本川町 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

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残照


寂しげな8月5日の夕暮れ。
原爆ドーム前-本川町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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熱い夏


8月6日の朝、電停前の熱気は凄まじい。
原爆ドーム前 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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祈りのとき


8時15分に合わせるかのように650形がやってきた。
原爆ドーム前 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1009

2017年8月 3日 (木)

線路端の光景-14 束の間の夏  深川俊一郎

列車が去った後には・・・長くゆったりとした時間と空間が流れてゆきます。
そこにはいつも、いずれまたやって来る次の列車の予感があるのです。
線路から付かず離れず、そこにある名もない小さな一瞬を見つけては、ささやかなアルバムの1ページを重ねてゆきます。

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束の間の夏


遅い梅雨があけると、もうすぐ立秋だ。
束の間の夏らしい空が、少し物悲しい。
只見線 若宮-会津坂下 ROLLEIFLEX V  Tessar 75mmF3.5 T

Vol.1005

2017年7月24日 (月)

レイル・オン ブログ1000回記念 路面電車紀行-カドゥキョイのトラムヴァイ  深川俊一郎

今回、私たちのブログは1000回という節目を迎えました。今までご覧いただきましたことに感謝申し上げるとともに、これからもお付き合いいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
5年前の6月に始めて以来、私のテーマは、ライフワークである只見線に、永遠のテーマである北海道、近くて魅力的な小湊鉄道、そして各地の路面電車が主なところです。
私の近年の撮影機材は、6×6版のフィルムカメラで、これをスキャンしてデジタルデータにしています。
時には情報的要素を発信することもありますが、基本的にはじっくり撮った作品を、少々のコメントと共に発表するスタイルです。
継続することで見えてくることもたくさんあり、これからも、ささやかなメッセージを発信していきたいと思います。
引き続きお付き合いいただければ幸いです。

さて、1000回の今回は、トルコ共和国のイスタンブール市街を走る路面電車(トラムヴァイ)です。
19世紀に開業した路面電車は、一度全廃し、その後1990年台に順次開通。その中でもヨーロッパ側のT2号線とアジア側のT3号線は、ノスタルジックトラムとして、旧型車が走ります。
残念ながら、ヨーロッパ側イスティクラール通りに沿って、より古い車輌が走るT2号線は、運行を中止しているようですが(廃止なのか、再開発による工事中なのかわかりませんが・・・)、アジア側カドゥキョイ地区の環状線T3号線は、観光目的の路線でありながらも、異国情緒あふれる市街地をかすめるように走る姿が見られました。車輌は少し古めの、東ドイツの払い下げのようです。
ねこが気ままに暮らしていることも、私にとっては大いに気になるところです。


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カドゥキョイのトラムヴァイ

狭い路地をぎりぎりにかすめながら走ってゆく。
ねこも犬も人も、妙に距離感が近くて嬉しくなる。

イスタンブール トラムヴァイT3号線 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1000
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写真展のご案内

いよいよ明日7/25(火)から7/30(日)まで、ジャパンクリエイト株式会社主催の鉄道写真企画展が開催されます。
私たちレイル・オンでは、梅村・服部・深川3名で、北海道の鉄道の魅力をテーマに出品します。
また、「猫と鉄道」コーナーでは、深川が単独で出品します。
猛暑が続きますが、ご高覧頂ければ幸いです。
火・金・土・日は、メンバーが誰かしらおりますので、お気軽にお声をかけていただければと存じます。

Dm


Dm_2

https://railwayphoto2017.jimdo.com/

2017年7月12日 (水)

線路端の光景-13 鳴らない踏切  深川俊一郎

列車が去った後には・・・長くゆったりとした時間と空間が流れてゆきます。
そこにはいつも、いずれまたやって来る次の列車の予感があるのです。
線路から付かず離れず、そこにある名もない小さな一瞬を見つけては、ささやかなアルバムの1ページを重ねてゆきます。

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鳴らない踏切


北海道における鉄道の礎である手宮線跡は、街の喧騒から逃れられる静かな散歩道だ。
遅い紫陽花と涼しい木陰が、北国の夏を感じさせる。
旧手宮線 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*・Planar FE 110mmF2 T*

Vol.996

2017年6月30日 (金)

只見線がくれたもの-2017水無月 特別編  深川俊一郎

只見線復旧が決定!
6月19日に、福島県とJR東日本が基本合意書を締結し、2021年度の復旧に向け来年度に着工することが決まりました。
2011年の新潟・福島豪雨からもうすぐ6回目の夏を迎えます。只見線の会津川口と只見の間で3か所の鉄橋が流失し、それも含めた全体の補修額は81億円に上りますが、その2/3を自治体が負担するとのこと。
この小さなローカル線に対し、「鉄路による復旧」という、福島県を中心とした自治体の総意が実現することは、単なるインフラとしての役割を超えた価値が、只見線にあることを証明したといっていいのではないでしょうか。
上下分離方式ということで、今後は維持費の負担も自治体にかかってきますが、何より乗る人が増えなければその先はありません。
見守る私たちも、この復活を未来に繋げるべく、真剣に考えていきたいと思います。

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緑風さわやか


深緑色の風がゆっくりと歓声を運んでいった。
さわやかな熱気がいつまでも残っていた。
只見線 会津蒲生-只見 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.992

2017年6月18日 (日)

只見線がくれたもの-2017水無月  深川俊一郎

繁茂の季節、緑が滑らかなグラデーションを残してみるみる濃くなってゆきます。
田んぼの水鏡も日に日に緑で覆われてくることでしょう。

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深緑の峠道

深い緑の底から列車が這い出してきた。
一瞬ののち、峠道にまた平静が訪れた。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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緑静か


葉擦れの柔らかな音に鳥の声・・・
静けさの中に語らいがある。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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田植え日和


ひと株ひと株丹精を込めて、田んぼの模様が完成する。
水と緑が会話するひととき。
只見線 会津水沼-会津中川 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

Vol.988

2017年6月 5日 (月)

レイル・オンブログ 5周年記念  只見線がくれたもの-2017特別編  深川俊一郎

風薫る5月が終わり、緑が厚みを増す頃、私たちのブログは節目を迎えます。
コツコツと、そして慌ただしくも、5年が経ちました。
ご覧いただいている皆様には、深く感謝申し上げます。
そしてこれからも、お付き合いいただければ幸いです。

さて、黄緑色に華やぐ5月の只見線を、今年も蒸気機関車が走りました。
昨年のこの場もそうでしたが、遠い汽笛が響いていた山里の情景をお届けします。
只見線は復旧に向けて、着実に動いています。
自治体はJR側に、上下分離方式による復旧を正式要請しており、これからは、復旧後の維持、そして只見線の存在価値を考える段階にきています。
写真の力でできることは限られますが、引き続きその魅力を発信していく所存です。

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黄緑色のかぜ


初夏の峠道は、緑のシャワーが心地よい。
瑞々しい香りの後に、ほろ苦い煙が降り注ぐ。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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五月の里山


五月晴れに緑が輝く頃、田圃は水を得て生き返る。
これから里山が一層賑わう時だ。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

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黒い影


黒い影を落として機関車がゆっくりと出発する。
その迫力に子供たちのからだは少し硬くなっていた。
只見線 会津宮下 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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火照り


機関車が到着すると、水蒸気と煙であたりは熱気に包まれる。
間近で見ると、自分の身体まで火照ってくる。
只見線 会津川口 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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汽車がきたよ


放課後の校門を出ると、遠くから汽笛が聞こえてきた。
踏切間近でみる機関車はとても大きかった。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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思いがけない贈りもの


西日が眩しい小休止の駅。
少年たちは、直に触れた機関車のぬくもりをきっと忘れないであろう。
只見線 会津坂下 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.983
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2017年5月27日 (土)

路面電車紀行‐春風の函館市電  深川俊一郎

潮風が少しぬるく感じてくると、北の街にも活気が戻ってきます。
春風に揺られて、路面電車の重厚な音も少し軽やかです。

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潮風の街


店の軒先は、身近な台所だ。
函館市電 深堀町 HASSELBLAD 201F  Distagon CF 50mmF4 T*

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変わらないもの


変わらなくてホッとする佇まいがそこにある。
函館市電 深堀町 HASSELBLAD 201F  Distagon CF 50mmF4 T*

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邂逅


一瞬の出会いの中に、ささやかな春の喜びがあった。
函館市電 杉並町-柏木町 HASSELBLAD 201F  Sonnar C 250mmF5.6 T*

Vol.979

2017年5月15日 (月)

遥かなる旅愁-息吹の駅  深川俊一郎

桜前線が海峡を渡ると、思い出したようにように春が急ぎ足でやってきます。
本線という名のローカル線に、小さな小学校を思わせる立派な旧駅がありました。

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息吹の駅


冷たい春風がまっすぐな清流のごとく、息吹を運んでくる。
古い駅にはどこかホッとする温かさがある。
函館本線 鹿部 HASSELBLAD 201F  Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.975

2017年5月 3日 (水)

あたたかな日-ひたちなか海浜鉄道  深川俊一郎

風のない暖かな日は、少しだけ淀んだ空気が優しく包み込んでくれます。
心地よさと少しの気だるさに、ぼんやりと春を実感するのです。

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春の歌声


春風に乗って、かすかにギターの音が聞こえてきた。
春の小駅は小さな舞台。
ひたちなか海浜鉄道 中根 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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春野道


柔らかな西日が春の野を飴色に染めてゆく。
長くなった日差しが追憶の世界へといざなう。
ひたちなか海浜鉄道 金上-中根 HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T*

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夕映え


散歩道をゆっくりと進んでみる。
レールと桜の狭間に、ゆっくりと時が流れていた。
ひたちなか海浜鉄道 金上-中根 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.971

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