2017年6月18日 (日)

只見線がくれたもの-2017水無月  深川俊一郎

繁茂の季節、緑が滑らかなグラデーションを残してみるみる濃くなってゆきます。
田んぼの水鏡も日に日に緑で覆われてくることでしょう。

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深緑の峠道

深い緑の底から列車が這い出してきた。
一瞬ののち、峠道にまた平静が訪れた。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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緑静か


葉擦れの柔らかな音に鳥の声・・・
静けさの中に語らいがある。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

17032
田植え日和


ひと株ひと株丹精を込めて、田んぼの模様が完成する。
水と緑が会話するひととき。
只見線 会津水沼-会津中川 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

Vol.988

2017年6月 5日 (月)

レイル・オンブログ 5周年記念  只見線がくれたもの-2017特別編  深川俊一郎

風薫る5月が終わり、緑が厚みを増す頃、私たちのブログは節目を迎えます。
コツコツと、そして慌ただしくも、5年が経ちました。
ご覧いただいている皆様には、深く感謝申し上げます。
そしてこれからも、お付き合いいただければ幸いです。

さて、黄緑色に華やぐ5月の只見線を、今年も蒸気機関車が走りました。
昨年のこの場もそうでしたが、遠い汽笛が響いていた山里の情景をお届けします。
只見線は復旧に向けて、着実に動いています。
自治体はJR側に、上下分離方式による復旧を正式要請しており、これからは、復旧後の維持、そして只見線の存在価値を考える段階にきています。
写真の力でできることは限られますが、引き続きその魅力を発信していく所存です。

17031
黄緑色のかぜ


初夏の峠道は、緑のシャワーが心地よい。
瑞々しい香りの後に、ほろ苦い煙が降り注ぐ。
只見線 塔寺-会津坂本 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

17032
五月の里山


五月晴れに緑が輝く頃、田圃は水を得て生き返る。
これから里山が一層賑わう時だ。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

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黒い影


黒い影を落として機関車がゆっくりと出発する。
その迫力に子供たちのからだは少し硬くなっていた。
只見線 会津宮下 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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火照り


機関車が到着すると、水蒸気と煙であたりは熱気に包まれる。
間近で見ると、自分の身体まで火照ってくる。
只見線 会津川口 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

17033
汽車がきたよ


放課後の校門を出ると、遠くから汽笛が聞こえてきた。
踏切間近でみる機関車はとても大きかった。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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思いがけない贈りもの


西日が眩しい小休止の駅。
少年たちは、直に触れた機関車のぬくもりをきっと忘れないであろう。
只見線 会津坂下 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.983
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2017年5月27日 (土)

路面電車紀行‐春風の函館市電  深川俊一郎

潮風が少しぬるく感じてくると、北の街にも活気が戻ってきます。
春風に揺られて、路面電車の重厚な音も少し軽やかです。

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潮風の街


店の軒先は、身近な台所だ。
函館市電 深堀町 HASSELBLAD 201F  Distagon CF 50mmF4 T*

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変わらないもの


変わらなくてホッとする佇まいがそこにある。
函館市電 深堀町 HASSELBLAD 201F  Distagon CF 50mmF4 T*

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邂逅


一瞬の出会いの中に、ささやかな春の喜びがあった。
函館市電 杉並町-柏木町 HASSELBLAD 201F  Sonnar C 250mmF5.6 T*

Vol.979

2017年5月15日 (月)

遥かなる旅愁-息吹の駅  深川俊一郎

桜前線が海峡を渡ると、思い出したようにように春が急ぎ足でやってきます。
本線という名のローカル線に、小さな小学校を思わせる立派な旧駅がありました。

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息吹の駅


冷たい春風がまっすぐな清流のごとく、息吹を運んでくる。
古い駅にはどこかホッとする温かさがある。
函館本線 鹿部 HASSELBLAD 201F  Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.975

2017年5月 3日 (水)

あたたかな日-ひたちなか海浜鉄道  深川俊一郎

風のない暖かな日は、少しだけ淀んだ空気が優しく包み込んでくれます。
心地よさと少しの気だるさに、ぼんやりと春を実感するのです。

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春の歌声


春風に乗って、かすかにギターの音が聞こえてきた。
春の小駅は小さな舞台。
ひたちなか海浜鉄道 中根 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

09012
春野道


柔らかな西日が春の野を飴色に染めてゆく。
長くなった日差しが追憶の世界へといざなう。
ひたちなか海浜鉄道 金上-中根 HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T*

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夕映え


散歩道をゆっくりと進んでみる。
レールと桜の狭間に、ゆっくりと時が流れていた。
ひたちなか海浜鉄道 金上-中根 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.971

2017年4月21日 (金)

トロッコ列車快走!‐小湊鉄道  深川俊一郎

里山の優しい風を肌で感じることができるトロッコ列車。
汗ばむ陽気に菜の花の甘い香りがかすめてゆきます。

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小さな花束


想いが少しずつこぼれてゆく最後部。

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里山の春


里山の風景に手が届きそうだ。

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甘い香り


不意に甘い香りが鼻をかすめた。

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名残の花吹雪


桜吹雪が春の想いをさらってゆく。

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春の片隅


少し寂しげなホームの片隅。

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熱気残して


熱気を残して汽車は去っていった。

小湊鉄道
HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*・Planar FE 110mmF2 T*

Vol.967

2017年4月 9日 (日)

Rail-On 春まつり2017 水辺の小さな鉄道  深川俊一郎

10年前の3月、水辺を走る小さな鉄道が、静かに消えてゆきました。
常磐線の石岡から鉾田までを結んでいた、鹿島鉄道。
その年は開花が遅く、確か最後の桜は間に合わなかったように記憶しています。
少し寂しげで荒涼とした沿線風景を、今、少し思い返します。

07013
空っ風


コバルトブルーの深い空に、小さな気動車が吸い込まれてゆく。
鹿島鉄道 玉造町-榎本 CONTAX RTSⅢ Distagon 25mmF2.8 T* KM

07015
あの日の記憶


あの日のことをいつまでも忘れない。
鹿島鉄道 八木蒔-浜 CONTAX RTSⅢ Sonnar 135mmF2.8 T* KM

07016
影踊る


輝いていた水辺の印象。
鹿島鉄道 八木蒔-浜 CONTAX RTSⅢ Tele-Tessar 200mmF4 T* KM

07018
家路


線路際の梅の木はいつも見事に咲いていた。
鹿島鉄道 桃浦-八木蒔 HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T*

07021
春風の向こうへ


雪柳が春風に揺れていた。
鹿島鉄道 巴川 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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眩しかった西日


いつもの駅は少し寂しげだった。
鹿島鉄道 浜 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.963
2017

2017年3月27日 (月)

只見線がくれたもの-2017弥生  深川俊一郎

冬来たりなば・・・列車が来なくなって5度目の冬ですが、眠る鉄路から受ける印象は今までとは違います。
廃線跡ではありません。数年後にはきっとまた列車がやってくるのです。
本日3月27日には福島県と各市町村が費用負担等の確認書を取り交わし、3月31日にはいよいよJR側に復旧を正式要望するとのことです。

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春遠からじ


雪に埋もれた鉄路を見ていると、ふと列車がやってきそうに錯覚する。
今はまだ静かに眠るこの道を、また列車が走る日を夢みて・・・
只見線 本名-会津越川 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.959

2017年3月15日 (水)

遥かなる旅愁-風雪の狭間④  深川俊一郎

強烈な低気圧が去って西から高気圧が張り出すと、つかの間の静謐な時が訪れます。
気温マイナス28.3℃、湿度100%・・・そこには神秘の朝が待っていました。

17018
極寒模様


山の端から遅い朝陽が差せば、凍り付いた木々が銀色に鈍く光る。
静寂を打ち破るかのように列車の雪煙が伸びてゆく。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

17019
鋭鋒目覚める


夕張山地の最高峰、芦別岳が真冬の厳しい全容を露にした。
荘厳なその姿は思わず言葉を失うほどだ。
根室本線 山部-下金山 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T*

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雪華爛漫


見事にクリスタルな花が咲き誇る。
この光景を目の前にすれば、列車の存在感は少し抑えたくなる。
根室本線 下金山-金山 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.955

2017年3月 3日 (金)

遥かなる旅愁-風雪の狭間③  深川俊一郎

列車が来なくなった駅、思いがけず終着駅の責務を負うことになった駅、そして静かに消えてゆく駅・・・
凍てつく根室本線に佇む3つの駅を綴ります。

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列車何処へ


初めての列車が来ない冬。
様々な想いが詰まったこの駅に、再び列車が走る日は来るのだろうか・・・
根室本線 幾寅 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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無言の終着駅


思いがけずに廃止を免れることになった駅。
人知れず終着駅となった無言の駅。
根室本線 東鹿越 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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はなむけ


最後の週を迎えたこの日は厳しく冷え込み、はなむけのように見事な氷の花が咲いた。
そして本日3月3日、100年の歴史に静かに幕を下ろす。
忘れ去られた名所看板が、往時の面影を微かに残している。
根室本線 島ノ下 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.951

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