2017年3月15日 (水)

遥かなる旅愁-風雪の狭間④  深川俊一郎

強烈な低気圧が去って西から高気圧が張り出すと、つかの間の静謐な時が訪れます。
気温マイナス28.3℃、湿度100%・・・そこには神秘の朝が待っていました。

17018
極寒模様


山の端から遅い朝陽が差せば、凍り付いた木々が銀色に鈍く光る。
静寂を打ち破るかのように列車の雪煙が伸びてゆく。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

17019
鋭鋒目覚める


夕張山地の最高峰、芦別岳が真冬の厳しい全容を露にした。
荘厳なその姿は思わず言葉を失うほどだ。
根室本線 山部-下金山 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T*

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雪華爛漫


見事にクリスタルな花が咲き誇る。
この光景を目の前にすれば、列車の存在感は少し抑えたくなる。
根室本線 下金山-金山 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.955

2017年3月 3日 (金)

遥かなる旅愁-風雪の狭間③  深川俊一郎

列車が来なくなった駅、思いがけず終着駅の責務を負うことになった駅、そして静かに消えてゆく駅・・・
凍てつく根室本線に佇む3つの駅を綴ります。

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列車何処へ


初めての列車が来ない冬。
様々な想いが詰まったこの駅に、再び列車が走る日は来るのだろうか・・・
根室本線 幾寅 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

17015
無言の終着駅


思いがけずに廃止を免れることになった駅。
人知れず終着駅となった無言の駅。
根室本線 東鹿越 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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はなむけ


最後の週を迎えたこの日は厳しく冷え込み、はなむけのように見事な氷の花が咲いた。
そして本日3月3日、100年の歴史に静かに幕を下ろす。
忘れ去られた名所看板が、往時の面影を微かに残している。
根室本線 島ノ下 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.951

2017年2月18日 (土)

遥かなる旅愁-風雪の狭間②  深川俊一郎

鈍色の雪雲の奥底から微かに太陽の存在が認められれば、吹雪も一息です。
マイナス20℃を下回ってくれば、張りつめた空気にその鮮烈な濃度を痛いほど感じるのです。

17008
雪華踊る


白い静寂の朝がやってきた。
繊細に霧氷を纏った木々が朝日を受けて踊りだす。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

16018
雪煙きらめく


列車は深い青空に吸い込まれていくようだ。
雪煙が少し後から白いベールとなって追いかけてゆく。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

17008_2
語らいの大地


凍てつく白い大地はどこまでも孤独だ。
風の合間に木々がささやかに語りかけてくる。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 500CM Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

Vol.947

2017年2月 6日 (月)

遥かなる旅愁-風雪の狭間①  深川俊一郎

等圧線の間隔が狭まり、寒波が来襲すれば、北の大地は激しく風雪が荒れ狂います。
確かにそこにある細い鉄路が、何とも心強く感じられるのです。

17010
低気圧接近


暖かな朝だった。
それでも風速10mあれば、体感温度は実際より10℃は低いはずだ。
宗谷本線 北永山 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

17011
止まない吹雪


至近距離にある踏切さえ霞んで見えなくなる。
沈黙する踏切は、もう二度とならないような気がしてきた。
石北本線 白滝-旧白滝 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

17012
彷徨


線路は残っているのか、列車は本当にやってくるのか・・・
空と大地の境界は、とっくに失われている。
石北本線 白滝-旧白滝 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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暴風雪


いよいよ何も見えなくなってきた。
遠近感を失った不安定な空間から、もがくように列車が現れた。
石北本線 上越-奥白滝 HASSELBLAD 500CM Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

(区間は旧駅名・信号所を含めて表記しています)
Vol.943

2017年1月24日 (火)

只見線がくれたもの-2017睦月-2  深川俊一郎

ひとたび寒気が襲来すれば、息つく間もなく雪は降り続きます。
遅れていた冬を取り戻すかのように、季節は帳尻合わせを急ぐのです。

17006
薄墨色の造形


残り柿は見事に雪に包み込まれた。
木々が薄墨色にぼんやりと浮かんでいた。
只見線 会津坂本-会津柳津 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

17006_2
白魔の細道


行く手を阻むほどの降りが絶え間なく続く。
時折やってくる緩急のリズムで、向こうの森が見え隠れする。
只見線 郷戸-滝谷 HASSELBLAD 500CM Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

17005
暮雪


気がつけばあたりが群青色にうっすらと染まってきた。
今晩もかなり積もりそうだ。
只見線 滝谷-会津桧原 HASSELBLAD 500CM Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

Vol.939

2017年1月12日 (木)

只見線がくれたもの-2017睦月  深川俊一郎

2年連続で雪の少ない寒の入りを迎えました。眠っているはずの地面や山肌が見えるのが何とも不思議な感じです。
残り柿や田んぼに秋の名残を見出しながら、それでも少し遅れて雪はやってくるのでしょう。

17003
寒一息


枯れた田んぼの造形が冷たく広がっている。
足踏みしながら雪は一息ついている。
只見線 会津柳津-郷戸 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

17002
冬の扉


遅い冬は名残の彩がそこここにある。
残り柿が色あせてくれば冬はそろそろ本番だ。
只見線 早戸-会津水沼 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

17001
遅い雪


枯色に凍り付いた桐花が寒々しい。
遅い雪はかえって寂寥感が漂う。
只見線 早戸-会津水沼 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.935

2017年1月 3日 (火)

「Rail-On 謹賀新年号 4号車」  深川俊一郎

本年もよろしくお付き合いいただきますよう、お願い申し上げます。
昨年参加した企画展でも、現役銀塩写真の展示は私一人で孤軍奮闘?しておりましたが、フィルム・6×6の撮影スタイルは、今年も不変の予定です。
改めて計算してみると、1コマ108円のコスト・・・1枚1枚心を込めて大切に撮りたいと思っております。
さて、只見線は復旧の方向で決まりましたが、北海道の鉄道が厳しい状況であることが大々的に報道されました。
昨年12月4日の留萌本線 留萌-増毛間廃止は記憶に新しいですが、既に廃止に向けて協議中なのが、旧夕張線の石勝線 新夕張-夕張です。
そして輸送密度200人未満(1Kmあたり1日往復)でバス転換等の方針が示された路線のうち、昨年の台風被害で未だ不通になっているのが根室本線 東鹿越-新得です。この区間には鉄道員の舞台となった幾寅駅がありますが、このまま復旧せず、もう二度と列車が走らない可能性大です。
どちらも近年私が惹かれて撮り続けている線区であり、列車が走っていた証を確かなものとして残そうと思います。
輸送密度200人以上2,000人未満の線区もJR北海道単独での維持困難と発表されましたが、この中には釧網本線・石北本線・宗谷本線などの観光路線も含まれます。
自分たちにとって大切な北海道の鉄道が残るために何ができるのか、少しでも考えながら、写真というツールでメッセージを発信していきたいと思います。
それでは、本年の一作目。釧路湿原の最中をゆく釧網本線の一コマです。

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氷雪の彼方


張りつめた空気は遥か彼方までその緊張を保ちつつ大地を包み込んでいる。
硬質な微かな響きを伴って彷徨う小さな列車は、少し寂しげだ。
釧網本線 茅沼-塘路 HASSELBLAD 500CM Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

Vol.931

2016年12月31日 (土)

2016 今年の1枚 5号車  深川俊一郎

いつもお付き合いいただき、ありがとうございます。
年々時がたつのを早く感じるようになりますが、今年は企画展への参加もあり、あっという間に過ぎてゆきました。
そんな年末に、私にとって待望のニュースが入りました。
只見線の不通区間が復旧の方向で決まったことです。
2011年7月30日の新潟・福島豪雨で3つの鉄橋流失により、只見線の会津川口-只見間が不通になってすでに5年が経ちましたが、上下分離方式での鉄道による復旧の方向が決定しました。
自治体、特に福島県の負担は相応の金額になりますが、鉄道を残すことでの将来性に賭ける選択がなされたということで、微力ながら自分たちができることをますます真剣に考えねばと気を引き締める思いです。
さて今年の1枚ですが、ゆっくりと時が流れていた只見線の春で締めくくりたいと思います。
列車の来ない長い時間にこそ、只見線らしさを感じるものですが、それでも5年は長すぎます。これから復旧までの3年?は、待ち遠しくも楽しい時が流れてゆくことでしょう。
それでは皆さまどうぞよいお年を。

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Vol.925

2016年12月27日 (火)

こはるび  深川俊一郎

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こはるび


12月とは思えないほどの暖かな日が去って、ようやく寒さが戻ってきた。
西日の中で見つけた愛らしい影が、ゆく年を静かに見送っている。
これから冬は本番だけれど、日は少しずつ長くなってゆく。
岳南電車 岳南富士岡 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.919

2016年12月17日 (土)

真夏のクリスマス  深川俊一郎

地球の反対側では、暑さとともにやってくるクリスマスがありました。
明るく汗ばむ陽気の中で盛り上がってゆく、陽気なクリスマス。

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真夏のクリスマス


100年を優に超える歴史ある駅は、この町に当たり前のように溶け込んでいる。
駅に人々が集まるのは、万国共通だ。
サンティアゴ中央駅 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.914
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