2019年4月18日 (木)

春風と赤い電車-京急800形最後の春  深川俊一郎

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愛嬌

角が丸く、とても愛嬌がある優しい顔だ。
南太田 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T*

19015
春そこまで
品川神社の小さな富士山に登れば、そこには春の気配。
北品川-新馬場 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19019
花冷え

桜が開花しても、春は足踏みを繰り返す。
杉田-京急富岡 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

昭和53年、京浜急行に21年ぶりの新型車が出るという噂に胸が躍りました。
それは昭和42年の700形以来で、自分の記憶の中では初めての新車です。しかも当時はまだ、かつて私鉄同一形式最大両数を誇った1000形の最終製造がおこなわれていたのです。何と昭和34年から19年間に亘るものでした。
それだけ信頼性ある車両を長きに亘って大事に使う、良い意味で保守的な京浜急行に、果たしてどんな新型が現れるのか、それは様々な憶測が飛び交いました。
その頃鉄道車両は、営団千代田線6000系に代表される回生ブレーキ付きサイリスタチョッパを皮切りに、省エネ第1世代が続々とデビュー。そして京浜急行800形がお目見えした時、私たち京急ファンは、そこに一つの確信を得たのです。

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大岡川陽春
花の回廊が春光に輝く。
日ノ出町-黄金町 HASSELBLAD 201F Sonnar C 250mmF5.6 T*

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春風にのって
普通列車専用になっても、駿足ぶりはなかなかだ。
金沢文庫-金沢八景 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T*

やはり変わっていなかった!一つ目ライトに片開扉、小さな標識灯に、その下のアンチクライマー(列車同士衝突時にお互い競り上がらないように噛み合う櫛状の部分)。そしてハモるようなタイフォーンの音も(残念ながらその後電気ホーンに替わってしまいましたが)・・・普通列車用の18㎜4扉車でしたが、京急らしさが随所に残っていました。
今考えると、結果的に少しだけ時代の波に乗り遅れたようにもみえますが、当時のインパクトは、終焉の今も色あせることなく、とてもスマートで好感が持てるのです。

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惜別の春
初っ端の難所である八ツ山橋も、品川の再開発でやがては無くなるのだろうか。
品川-北品川 HASSELBLAD 201F Sonnar C 250mmF5.6 T*

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川風あたたか
桜も盛りを過ぎた頃、ようやく暖かくなった。
横浜-戸部 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

「赤い電車に白い帯」の白い帯が窓回りを覆い、何と太くなったことか・・・今では当たり前になったこの塗装は、実は800形が最初なのです。2000形登場時にこの塗装は優等列車用に譲り、自らは数年で普通の白い帯になりましたが、2016年にリバイバル塗装が登場。この最後の1編成は、6月中旬に引退することが決まっています。
昭和から平成、そして令和が街に馴染む頃、静かに去ってゆく800形の最後を見届けようと思います。

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西日やわらか
古さと新しさが同居する、やわらかなデザイン。
南太田 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T*

Vol.1226

2019年4月 6日 (土)

路面電車紀行-喧騒の広島電鉄  深川俊一郎

市電の街、広島。その路線網の中で、少しだけローカル色漂うのが白島線です。
賑わう八丁堀から分かれ、黙々と短い区間を往復するのは、未だに旧型車が主役なのです。

19013
朝の顔
旧型車が顔をあわせた朝。
女学院前 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

19014
いつもの朝
重厚な音を残して去ってゆく。
八丁堀-女学院前 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

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電車のある通学路
眠たげな空気が残る交差点。
女学院前 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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雑踏の狭間
繁華街の始発駅は雑踏に埋もれそう。
八丁堀 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

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大通りの片隅
置き去りにされた大通りの片隅。
八丁堀-女学院前 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

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朝の喧騒
車の波に乗って市電がゆっくりやってきた。
女学院前 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T*

Vol.1222

2019年3月24日 (日)

春の気配-小湊鉄道  深川俊一郎

みなさまに大切なお知らせ
ニフティ社ブログシステムの更新により不具合が生じています。そのため、写真が変形して表示される場合があります。その際は、写真を1枚ずつタップ(クリック)して頂ければ、正しく表示されます。しばらくご不便をおかけ致しますが、よろしくお願い申し上げます。

寒かったのか暖かかったのか、思い返せば分からくなるような今年の冬でした。
毎年春の足音を聞きにこの駅に来たくなります。

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ひだまりの駅
改札口は春へと繋がっている。
 
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春の気配
線路脇の片隅にも春の気配。
 
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梅香る
梅には静かな華やかさがある。
 
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帰ろうか
日が傾くと少しひんやりしてきた。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T*

余談
データをみてお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、少し機材の話を・・・
何と新品のレンズ(厳密には未使用品)を入手しました!販売終了から10年以上を経て、私にとっておそらく最初で最後の新品ハッセルです。
久しく味わっていなかった新品の感触は、至高の喜びです。
Fe50_2Fe50_3
入手したのは、フォーカルプレーン機専用のDistagon FE 50㎜F2.8。私の常用レンズCF 50㎜F4と比べ、レンズシャッターがない分1絞り明るいことと、絞り羽根にRがついており点光源ボケが柔らかくなるのが大きなメリットです。
それにしても、広角レンズで1,000g以上の重量は、ますます身体に応えそうですが・・・
またデジタル化への道が遠くなりました。

Vol.1218

2019年3月12日 (火)

遥かなる旅愁-極寒に咲く花③  深川俊一郎

寒波に背を押されながら北へ東へと歩みを進めます。
厳冬のオホーツクまで来れば、そこには風雪が織りなす厳しい造形がありました。

19006
地吹雪


薄青色の原野が少しずつ色彩を纏ってきた。
地吹雪は赤く激しく燃えていた。
釧網本線 浜小清水-止別 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

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結氷


あまりに強い西風で、流氷は寄せては去ってを繰り返す。
ようやくその密度が濃くなり、しばらくは結氷の海原が見られるだろう。
釧網本線 浜小清水-止別 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

Vol.1214

2019年2月27日 (水)

遥かなる旅愁-極寒に咲く花②  深川俊一郎

本線とはいえ、今や存亡の危機にさらされている鉄路がそこにあります。
粉雪吹きすさぶ静かなローカル線。

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寝覚めの駅前通り


こんな寒い朝でも北国のねこは飛び跳ねている。
まだ眠気が漂う駅前通り。
根室本線 布部 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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青い朝


群青色から透きとおった水色へと空のトーンがゆっくり変わってゆく。
駅はいつでもそこにある。
根室本線 布部 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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白い造形


砂糖を塗したような白い森の造形。
その先の峠を越えると、鉄路はそこで途絶えている。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1210

2019年2月15日 (金)

遥かなる旅愁-極寒に咲く花  深川俊一郎

最強の寒波は遥か北からすっぽりと北海道を覆い、凍てつく日々が続きます。
痛いほど厳しい世界で繰り広げられる、荘厳な世界がそこにはありました。

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鋭鋒目覚める


張りつめた無音の朝、芦別岳が目を覚ました。
薄青色のカンバスに、一筆ずつ色彩がのせられてゆく。
根室本線 山部-下金山 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

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氷雪模様


可憐で繊細な、ガラス細工のような氷模様。
光と温度と湿度が織りなす極寒の世界。
根室本線 下金山-金山 HASSELBLAD 201F Sonnar C 250mmF5.6 T*

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極寒に咲く


極寒に咲く花にも美しさゆえの儚さがある。
陽射しに輝けば、はらはらと消えるように散ってゆく。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1206

2019年2月 3日 (日)

路面電車紀行‐寒中の函館市電②  深川俊一郎

真冬の陽射しが、冷えたからだを微かに温めてくれます。
凍りついた駅前通りを歩けば、市電の重々しい音がゆっくりと追いかけてきます。

19003
路地裏より

路地裏は真昼でも歩くのが困難なほど凍りついている。

19002
冬ざれの交差点

低い陽射しが真冬の交差点を照らしている。

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かえりみち

買い物帰りの重いそり。

19003_3
北風の街

冬はこれからが本番だ。

函館市電 函館駅前-松風町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1202

2019年1月21日 (月)

路面電車紀行‐寒中の函館市電  深川俊一郎

冬の函館市電では、500形の唯一の生き残り、530号車が力強いその姿を見せてくれました。
馬力があり空転しにくいため、冬の早朝に走ることが多いとのことです。
ハイカラ號の古典的で可愛らしい姿もよいですが、渋く重厚な500形には、寒々しい函館の街が似合っていました。

19001
眠い朝

黄ばんだ一つ目ライトを灯して500形がやってきた。
函館市電 昭和橋 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19001_2
温もり

木の匂いと温もりに溢れる車内。
函館市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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いぶし銀

鈍く光る機器が長い歴史を感じさせる。
函館市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19001_4
風格

近づくとその風格に圧倒される。よく見るとナンバーは塗装ではなく切り抜き文字だ。
函館市電 十字街 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19001_5
古色の街

ペパーミントグリーン色の歴史的建造物に、500形の深い塗装がとてもマッチする。
函館市電 末広町-大町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19002
陽光柔らか

混雑が少し落ち着いた頃、ようやく遅い朝陽が差し込んできた。
函館市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19002_2
穏やかな日

雪晴れの眩しい街並みに重厚な音が響き渡る。
函館市電 柏木町-大堀町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1198

2019年1月 9日 (水)

冬来たる‐長野電鉄  深川俊一郎

晴天と雪雲のちょうど狭間にいるような、空っ風が身に応える山里。
小さな鉄路には、次々と都落ち(失礼!)した名車たちがやってくるのでした。
その姿には純粋に童心に帰れるような、不思議な魅力がにじみ出ています。

18062
特等席より


箱根への道中もよいが、この山裾もなかなか迫力がある。
長野電鉄 信濃竹原-夜間瀬 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18063
空っ風


寒々しいリンゴ畑に、短い空港特急が妙にのどかだ。
長野電鉄 信濃竹原-夜間瀬 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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冬来たる


日吉への通学に毎日嫌というほど乗っていた日比谷線が、こんなところにいるとは・・・
長野電鉄 信濃竹原-夜間瀬 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1194

2019年1月 3日 (木)

「Rail-On 謹賀新年号 3号車」  深川俊一郎

本年もよろしくお付き合いいただきたく、お願い申し上げます。
平成最後の新年にあたり、この30年間を振り返ったとき、地域や風情、路線に車輌、そして機材・感材と、自分の作品づくりに関わる環境がゆっくりと、そして大きく変わってきたことを実感しています。
そして最近では北海道や只見線の他にも、各地の市電や小さな鉄道に、ささやかな魅力を発見しています。
時には後ろ向きといわれそうですが、「懐かしい」「残したい」「伝えたい」光景を発信するスタイルは不変です。
6×6・フィルムの撮影スタイルも、自分を虐待しているのではないかとさえ思う時がありますが、今のところこちらも不変です。
それでは、本年の一作目。ささやかな煙を残して去ってゆく釧網本線の一コマです。

18011
いつかの道


この地を初めて訪れたのはもう40年も前。ゆるやかにカーブして湿原の中に隠れてゆくレールに何とも言えない哀愁を感じたものだ。
その時も客車列車の去り行くうしろ姿を撮った。そして年月を経てもレールは変わらずにそこにある。
釧網本線 細岡-釧路湿原 HASSELBLAD 500CM Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

Vol.1190

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