2023年9月12日 (火)

行き合いの空-小湊鐵道2023  深川俊一郎

暦の上では秋ですが、夏の存在が大きすぎて少し戸惑ってしまいます。
それでも、もくもくと湧き出る夏雲の遥か上空に、うっすら柔らかな雲を見つけたとき、それが秋の始まりだったような気がします。

23032
暑すぎた夏
見上げれば湧き出る雲にめまいがしそうだ。
小湊鐵道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23032_20230911205001
炎天
めちゃくちゃ暑いけど心が弾む夏の旅。
小湊鐵道 月崎-上総大久保 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23032_20230911205002
行き合いの空
真っ青なカンバスで季節が追いかけっこをしていた。
小湊鐵道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23031
行く夏
うしろ姿の向日葵が何故か無性に寂しい。
小湊鐵道 上総久保-高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1778

2023年8月30日 (水)

根室本線-大地の軌跡④  深川俊一郎

列車が来なくなって7年目の夏を迎えました。
踏切は錆つき、軌道は草に埋もれ、既に自然への回帰が始まっているのでしょうか。

230291
置き去りの道1
狩勝峠へ向かう麓駅は、助走に十分な広さがある。
根室本線 落合-新得 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

230292
置き去りの道2
鳥の囀りが森の奥へといざなう。
根室本線 落合-新得 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

230293
置き去りの道3
遠くの踏切が光ったのはいつのことだろうか。
根室本線 幾寅-落合 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T* RDPⅢ

230294
置き去りの道4
夢と現実の狭間を彷徨う夏の道。
根室本線 東鹿越-幾寅 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ

Vol.1774

2023年8月18日 (金)

盛夏-小湊鐵道2023  深川俊一郎

じりじりと照りつける夏空が、どんより暑苦しかった梅雨空を一瞬にして忘れさせます。
噴き出す汗をぬぐって足元に目を落とすと、乾いた夏道がどこまでも続くのです。

23028_20230817235301
草いきれ
草いきれに溺れそうだった夏の日。
小湊鐵道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23028
炎天下
この暑さを実感したくて、恐る恐る見上げた踏切。
小湊鐵道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23028_20230817235302
影模様
僅かな日陰でも駆け込みたくなる。
小湊鐵道 上総川間-上総鶴舞 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23028_20230817235303
猛暑
里山のイメージを凝縮したような夏の道。
小湊鐵道 里見-飯給 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 RDPⅢ

Vol.1770

2023年8月 6日 (日)

小さな旅-丸瀬布の夏  深川俊一郎

北海道遠軽町丸瀬布の街から9キロほど登った森の中に、その小さな森林鉄道はあります。
丸瀬布森林公園いこいの森。北海道遺産である「雨宮21号」は地元の方々の努力で大切に守られ、愛らしい汽笛を響かせながら、黒煙を吐いてゆっくりと廻ります。

210327
小さな旅・夏①
小さくても旅の始まりはワクワクする。
丸瀬布森林公園いこいの森 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

210329
小さな旅・夏②
煤の煙たささえも爽やかで気持ちいい。
丸瀬布森林公園いこいの森 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

210313
小さな旅・夏③
鉄橋だ、鉄橋だ!
丸瀬布森林公園いこいの森 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

210315
小さな旅・夏④
本格的な森のトンネル。
丸瀬布森林公園いこいの森 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 E100

210301
小さな旅・夏⑤
きっと忘れないだろう夏の思い出。
丸瀬布森林公園いこいの森 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 E100

210302
小さな旅・夏⑥
鉄と煙と汗の匂いが西日に吸い込まれてゆく。
丸瀬布森林公園いこいの森 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 E100

Vol.1766

2023年7月24日 (月)

梅雨晴-小湊鐵道  深川俊一郎

水無月になると、駅や線路端を、楚々として瑞々しい紫陽花が彩ります。
梅雨明けまでにはもういくつかの雨が通り過ぎるのでしょう。

23027
紫陽花の小径
慎ましやかに咲く紫陽花が優しくいざなう。
小湊鐵道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23027_20230723112901
梅雨晴
深緑に紫陽花の青が眩しかった梅雨晴。
小湊鐵道 月崎 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23027_20230723112903
半日陰
ひと休みしたくなる線路端の日陰。
小湊鐵道 里見-飯給 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23027_20230723112902
夢心地
独り占めしたくなる微風の通り道。
小湊鐵道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1762

2023年7月12日 (水)

はやぶさ北へ  深川俊一郎

私にとって青森は、いつのときも北海道へ渡る玄関口、いわゆる通過点です。
青函連絡船時代は、青森駅のホームから階段を上って桟橋を通ることが必要な儀式でした。
ですから東北が目的地の撮影行で、はるばる青森まで来たとしても、その先北海道へ行けない(行かない?)ことがとても侘しく、いたたまれない気持ちだったのをよく覚えています。
それは青函トンネルが開通し、さらに新幹線開業で新青森駅となった今も変わることはありません。
ところで新幹線に乗っていると、思いがけない光景に「ここで撮りたい」と思うことがありますが、「どこで降りてどうやって行こうか」と考えている間にそれは幻のように失せてしまいます。
北海道新幹線が陸奥湾を望みながら荒涼とした津軽半島を北上する道中も、幾度となく通過しながら、一瞬気になってはすぐに忘れていました。
「車窓からみた風景の中に立ち、今度はそこを走る列車が撮りたい」という幼少期からの行動原則は、新幹線も例外ではありません。
今回は、意を決して青森で寄り道をして、ずっと気になっていた風景を探し求めました。
そして目的を果たすとすぐにまた北海道へと渡るのです。

23019
はやぶさ北へ①
荒涼とした津軽半島に無機質な高架橋がどこまでも連なる。
北海道新幹線 新青森-奥津軽いまべつ HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*+2XE RDPⅢ

23019_20230711205101
はやぶさ北へ②

八甲田山の雪が今にも融けそうな眩しい春光。
北海道新幹線 新青森-奥津軽いまべつ HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 RDPⅢ

23019_20230711205102
はやぶさ北へ③

裏山から望む陸奥湾は穏やかだった。
北海道新幹線 新青森-奥津軽いまべつ HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23019_20230711205103
はやぶさ北へ④

高架橋に対してアンバランスな砂利道にタンポポが揺れていた。
北海道新幹線 新青森-奥津軽いまべつ HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1758

2023年6月30日 (金)

根室本線-大地の軌跡③  深川俊一郎

2016年の台風10号による空知川水害で、根室本線の東鹿越-新得が未だ不通になっていますが、どうやら再開通は叶わぬ夢となりそうです。
途中に幾寅・落合の二駅がありますが、幾寅は映画「鉄道員」の舞台となった幌舞駅として訪れる人も多く、知られた存在です。一方の落合は、狩勝峠の玄関口ですが、今や訪れる人も少なく、ひっそりと沈黙を保っていました。

23024_20230629204102

23024_20230629204101
置き去りの駅

錆ついた線路の向こうで駅名標がこちらを見ている気がした。
季節は無情にも淡々と過ぎ去ってゆく。
根室本線 落合 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1754

2023年6月18日 (日)

根室本線-大地の軌跡②  深川俊一郎

北国の春は、堰を切ったように一気に進みます。
僅か1週間前の雪が嘘のように、花盛りを迎えました。

23021

23021_20230617185003

23021_20230617185001
花見日和

汗ばむ陽射しに心が弾む。
満開の桜をかすめて去ってゆく列車を忘れることはないだろう。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1750

2023年6月 6日 (火)

ブログ開設11周年記念 根室本線-大地の軌跡①  深川俊一郎

いつもご覧いただき、ありがとうございます。周年記事を書いていると、年々時がたつのが早く感じられるようになります。毎年何かしらの節目やマイブームにかこつけてテーマにしてきましたが、私にとって今は何といっても根室本線です。
根室本線の滝川~新得(東鹿越~新得は現在もバス代行)間は、JR北海道が3月31日、国土交通大臣に対し鉄道事業廃止届を提出し、事実上廃止が確定したことになります。
既にこの春から「次の季節はない」ということです。少し先の話になりますが、廃止前の2024年3月に写真展を開催する予定で、そのタイトルから「根室本線-大地の軌跡」として今年の周年記事をご覧いただきます。

23024
春の使者

雪解けの眠たげな森を最初に彩るのは、やはりフキノトウだ。
木々の隙間から差し込む光を逃さずに、見る見る伸びてゆく。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23020
冷たい春風

遥か向こうの山から冷たい春風が下りてきた。
ホームと駅舎の間には、季節の余韻がゆっくりと漂っている。
根室本線 布部 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23022
桜前線北へ

北上する桜前線を無性に追いかけたくなる。
エゾヤマザクラは一気に咲いて清しい春を謳歌する。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23020_20230603205101
待ちわびた春

松と桜の共演が、静かな駅前を沸かせている。
時は一息つきながら、ゆっくりと流れてゆく。
根室本線 布部 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

23024_20230603205201
芳春

微かな甘い香りに午後の眠気が催してくる。
列車の音が森に吸い込まれると、耳元にマルハナバチの羽音が聞こえてきた。
根室本線 金山-東鹿越 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 RDPⅢ

23022_20230603205101
西日の駅

早くも山の端に西日が隠れようとしている。
帰り道は風が少し冷たくなってきた。
根室本線 下金山 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T* RDPⅢ

23023
月夜道

早い月の出が、春の宵を煌々と照らす。
遠くで踏切が寂しげに光っていた。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1746

2023年5月24日 (水)

花盛り-小湊鐵道③  深川俊一郎

窓の向こうから咲き誇る桜が近づいてくると、そこには小さな駅がありました。
駅を見守る小さな桜は、健気でどこか寂し気です。

23015_20230523112701
片隅の春①
小さな駅の片隅に、小さな花園があった。
小湊鐵道 上総久保 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ

23015
片隅の春②
小さな駅の片隅に、小さな春があった。
小湊鐵道 上総久保 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 RDPⅢ

Vol.1742

より以前の記事一覧

最近のトラックバック

2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30