2019年2月15日 (金)

遥かなる旅愁-極寒に咲く花  深川俊一郎

最強の寒波は遥か北からすっぽりと北海道を覆い、凍てつく日々が続きます。
痛いほど厳しい世界で繰り広げられる、荘厳な世界がそこにはありました。

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鋭鋒目覚める


張りつめた無音の朝、芦別岳が目を覚ました。
薄青色のカンバスに、一筆ずつ色彩がのせられてゆく。
根室本線 山部-下金山 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

19004_2
氷雪模様


可憐で繊細な、ガラス細工のような氷模様。
光と温度と湿度が織りなす極寒の世界。
根室本線 下金山-金山 HASSELBLAD 201F Sonnar C 250mmF5.6 T*

19004_3
極寒に咲く


極寒に咲く花にも美しさゆえの儚さがある。
陽射しに輝けば、はらはらと消えるように散ってゆく。
根室本線 布部-山部 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1206

2019年2月 3日 (日)

路面電車紀行‐寒中の函館市電②  深川俊一郎

真冬の陽射しが、冷えたからだを微かに温めてくれます。
凍りついた駅前通りを歩けば、市電の重々しい音がゆっくりと追いかけてきます。

19003
路地裏より

路地裏は真昼でも歩くのが困難なほど凍りついている。

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冬ざれの交差点

低い陽射しが真冬の交差点を照らしている。

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かえりみち

買い物帰りの重いそり。

19003_3
北風の街

冬はこれからが本番だ。

函館市電 函館駅前-松風町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1202

2019年1月21日 (月)

路面電車紀行‐寒中の函館市電  深川俊一郎

冬の函館市電では、500形の唯一の生き残り、530号車が力強いその姿を見せてくれました。
馬力があり空転しにくいため、冬の早朝に走ることが多いとのことです。
ハイカラ號の古典的で可愛らしい姿もよいですが、渋く重厚な500形には、寒々しい函館の街が似合っていました。

19001
眠い朝

黄ばんだ一つ目ライトを灯して500形がやってきた。
函館市電 昭和橋 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19001_2
温もり

木の匂いと温もりに溢れる車内。
函館市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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いぶし銀

鈍く光る機器が長い歴史を感じさせる。
函館市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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風格

近づくとその風格に圧倒される。よく見るとナンバーは塗装ではなく切り抜き文字だ。
函館市電 十字街 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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古色の街

ペパーミントグリーン色の歴史的建造物に、500形の深い塗装がとてもマッチする。
函館市電 末広町-大町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

19002
陽光柔らか

混雑が少し落ち着いた頃、ようやく遅い朝陽が差し込んできた。
函館市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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穏やかな日

雪晴れの眩しい街並みに重厚な音が響き渡る。
函館市電 柏木町-大堀町 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1198

2019年1月 9日 (水)

冬来たる‐長野電鉄  深川俊一郎

晴天と雪雲のちょうど狭間にいるような、空っ風が身に応える山里。
小さな鉄路には、次々と都落ち(失礼!)した名車たちがやってくるのでした。
その姿には純粋に童心に帰れるような、不思議な魅力がにじみ出ています。

18062
特等席より


箱根への道中もよいが、この山裾もなかなか迫力がある。
長野電鉄 信濃竹原-夜間瀬 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18063
空っ風


寒々しいリンゴ畑に、短い空港特急が妙にのどかだ。
長野電鉄 信濃竹原-夜間瀬 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18063_2
冬来たる


日吉への通学に毎日嫌というほど乗っていた日比谷線が、こんなところにいるとは・・・
長野電鉄 信濃竹原-夜間瀬 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1194

2019年1月 3日 (木)

「Rail-On 謹賀新年号 3号車」  深川俊一郎

本年もよろしくお付き合いいただきたく、お願い申し上げます。
平成最後の新年にあたり、この30年間を振り返ったとき、地域や風情、路線に車輌、そして機材・感材と、自分の作品づくりに関わる環境がゆっくりと、そして大きく変わってきたことを実感しています。
そして最近では北海道や只見線の他にも、各地の市電や小さな鉄道に、ささやかな魅力を発見しています。
時には後ろ向きといわれそうですが、「懐かしい」「残したい」「伝えたい」光景を発信するスタイルは不変です。
6×6・フィルムの撮影スタイルも、自分を虐待しているのではないかとさえ思う時がありますが、今のところこちらも不変です。
それでは、本年の一作目。ささやかな煙を残して去ってゆく釧網本線の一コマです。

18011
いつかの道


この地を初めて訪れたのはもう40年も前。ゆるやかにカーブして湿原の中に隠れてゆくレールに何とも言えない哀愁を感じたものだ。
その時も客車列車の去り行くうしろ姿を撮った。そして年月を経てもレールは変わらずにそこにある。
釧網本線 細岡-釧路湿原 HASSELBLAD 500CM Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

Vol.1190

2018年12月31日 (月)

2018 今年の1枚 暑かった夏 深川俊一郎

今年も一年お付き合いいただき、ありがとうございました。
「平成最後の・・・」が合言葉のように巷で聞かれますが、私にとっては益々昭和の面影に惹かれる1年でした。
函館市電に、三重県の北勢線と四日市あすなろう鉄道、そして万葉線・・・市電にはその街に溶け込んだ魅力が溢れており、三重県の小さな鉄道は、数少ない特殊狭軌(762㎜)で、身近で愛らしい懐かしさがありました。
ライフワークの北海道は、今そこに鉄路がある有難味を実感しながら撮り続けています。また、只見線はいよいよ復旧に向け工事が始まりました。3年後が楽しみです。

さて、今年の1枚ですが、暑かった北勢線のワンシーンです。今年も記録的な猛暑に身体がこたえましたが、暑さに朦朧としながら目に焼き付けた白い雲と小さな列車が、記憶の中で鮮やかによみがえります。

それから些細なことですが、レアな機材(アクセサリー)を入手しました。ハッセルブラッドワインダーFという、フォーカルプレーン機専用のワインダーです。
これで私の主力機ハッセルブラッド201Fで、何と連写(といっても秒間1.3コマですが・・・)が可能になりました。
35㎜一眼レフを使っていた頃には当たり前だった高速連写は、手巻きが基本の私にはもはや別次元の話です。1コマ1コマ心を込めて撮るスタイルに本来連写は不要ですが、それでも正直「便利だなぁ」と思っているこの頃です。

それでは皆さまどうぞよいお年をお迎えください。

18037
暑かった夏



Dsc_28652






Vol.1185

2018年12月21日 (金)

路面電車紀行‐冷雨の万葉線  深川俊一郎

高岡の目抜き通りから専用軌道へ、また狭い路地を行けば、今度は突然大きな鉄橋を渡り・・・
この小さな鉄路には、不意に変化する様々な表情があります。
12月の冷たい雨が降る万葉線。大粒の雨は、やがて雪へと変わってゆくのでしょう。

18059
水撥ねの道


アスファルトが冷たく光る朝の通学路。
万葉線 志貴野中学校前 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

18060
雨の一日


行く道はぼんやりと霞む。
万葉線 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

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温かな車内


降りるのが億劫になる温かな車内。
万葉線 車内 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18059_2
冷たい雨


単調なリズムで雨は降り続く。
万葉線 米島口-能町口 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

18060_3
鈍色の空


雪はすぐそこまで来ている。
万葉線 中新湊-東新湊 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18060_4
古い電車道


扉を開ければそこは電車道。
万葉線 吉久-中伏木 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18061
孤独な道


風にあおられながら小さな電車が足早に駆けていった。
万葉線 六渡寺-庄川口 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1181

2018年12月 9日 (日)

有軌電車のある街-大連市電11  深川俊一郎

この街にも地下鉄が走り、少し本数が減ったように感じますが、市電はまだ健在です。
それでも黄昏の街は益々きらびやかになり、街は着実に変わってゆきます。

18057
ネオン街へ


歴史ある大連駅も、きらびやかな電飾で少し若返ったようだ。
市電は重い音を響かせて、夜の街に潜ってゆく。
大連市電 大連火車駅 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18055
帰途


薄明かりを受けて、エンジの車体が鈍く光る。
帰り道は少し冷えてきた。
大連市電 大連火車駅 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

18055_2
待ちくたびれて


もう何分待っただろうか。
歩いて帰ろうかと諦めかけた頃に、ようやく電車がやってきた。
大連市電 民主広場 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

Vol.1177

2018年11月27日 (火)

只見線がくれたもの-2018霜月  深川俊一郎

青い川面に揺らめく木々が紅に染まる頃、季節は最後の追い込みをかけるかのようです。
雪融けから浅い深緑、深まる緑、黄金色の穂波・・・等々が瞼の裏側を走馬灯のように駆け巡るのです。

18058
深秋


青く深い静寂の底から、秋が滲みだす。
赤味を増した西日が山峡を包み込んでゆく。
只見線 会津宮下-早戸 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18058_2
儚い秋


秋の日はどこか懐かしく、寂しげだ。
澄んだ光の奥底には、季節が暮れ行く儚さがある。
只見線 会津水沼-会津中川 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T*

18058_3
夕ばえ


山の端に微かな残光が差している。
薄紫にけぶる山里の夕ばえ。
只見線 若宮-会津坂下 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T*

Vol.1173

2018年11月15日 (木)

静かな秋‐小湊鉄道  深川俊一郎

風のない日は、まだ汗ばむほどの陽気がホームに降り注ぎます。
いつもの駅に漂う、少し眠気を覚える空気がそこにはありました。

180542
静かな秋


暑くもなく寒くもなく、穏やかで静かな秋。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

18054
小さな使者


片隅で静かに冬を待ちわびる小さな使者が待っていた。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1169

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