2024年10月 3日 (木)

暑すぎる夏-三岐鉄道北勢線2024③

今年の夏は、ふと思い立ち、青春18きっぷを買いました。
今回何十年ぶりかで買ったのですが、いざどこへ行こうかと考えたとき、長距離でクロスシートの普通列車に乗るには、どうしても東京から西になります。そこで頭に浮かんだのが、北勢線でした。
まず7月の梅雨明け後に一度桑名まで往復し、北勢線を訪れました。当ブログで8月にご覧いただいた分です。これで2日分使いました。
全部で5日使えるので、残りは3日。もう1回往復しても1日余るので、次はもっと西へと進みました。まず東京から桑名で1日、次に桑名から広島で1日、そして最後に広島から熊本で1日…ここで使い切り、帰りは新幹線です。
それでは再び北勢線。9月に入っても相変わらずの暑さだったので、前回の続きとしてご覧いただきます。
そして次回以降、広島市電と熊本市電もご覧いただく予定です。


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仲秋
背中の西日が焼けるように熱いけど、色づく穂波が懸命に秋を演じていた。
北勢線 楚原-麻生田 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ

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夏の余情
早い野焼きが夏を連れ去ってゆく。
北勢線 大泉-楚原 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ

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夏の果て
静かで寂しげな夏の終わり。
北勢線 大泉-楚原 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T RDPⅢ

Vol.1911

2024年9月21日 (土)

とけそうな夏-小湊鐵道2024②  深川俊一郎

お盆を過ぎても暑さだけが取り残された今年の夏。
それでも気がつけば朝夕の風は爽やかで、雲の切れ端に秋の気配を見つけようとするのです。

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処暑
人気のないホームに真夏の余韻があった。
小湊鐵道 車内 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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窓辺の涼気
涼やかで楽しそうな駅のおもてなし。
小湊鐵道 車内 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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追憶
ホームに佇む小さな列車が、記憶のレールを走っていった。
小湊鐵道 上総中野 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1907

2024年9月 9日 (月)

とけそうな夏-小湊鐵道2024  深川俊一郎

不要不急の外出は控えてと、天気予報から度々聞こえてきた今年の夏。
都心よりいくらか爽やかに感じる里山でも、こそには容赦ない猛暑が居座っていました。

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草いきれ
遅かった梅雨明けの反動か、真夏の直射日光は容赦なかった。
小湊鐵道 里見-飯給 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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とけそうな夏
目に飛び込む涼やかな色彩が、ほんの一瞬暑さを和らげてくれる。
小湊鐵道 月崎-上総大久保 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ

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暑かった午後
出穂前の柔らかな緑は、長い西日に色合いを深めてゆく。
小湊鐵道 上総鶴舞-上総久保 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1903

2024年8月27日 (火)

暑すぎる夏-三岐鉄道北勢線2024②  深川俊一郎

膝が付きそうなほど細長い車内に、狭いレール…
この身近で愛らしい小さな鉄道が、暑すぎる夏のさなかをゆっくりと走ります。

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一番電車
まだ夜の余韻が少し残っていた一番電車。
北勢線 車内 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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休息
開け放たれたドアをぬるい風が通り過ぎた。
北勢線 東員 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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不安な午後
湧いては流れてゆく不安な夏雲。
北勢線 七和-穴太 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ

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遠くの大輪
大輪が向こうの夜空を彩ると、少し遅れて地響きのような破裂音が耳を揺さぶった。
北勢線 西桑名-馬道 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1899

2024年8月15日 (木)

暑すぎる夏-三岐鉄道北勢線2024  深川俊一郎

外出をためらうほどの暑さが続く今年の夏、それでも足は西へと向かいます。
軌間762㎜のナローゲージ、三岐鉄道北勢線。身近で愛らしいこの小さな鉄道には、暑すぎる夏がどこか似合います。

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ほそみち
朝の小径は、小さな電車と子供たちでいっぱいになった。
北勢線 馬道 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T*+2XE RDPⅢ

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夏空へ
気だるい夏空を、飛行機雲がどこまでも高く昇って行った。
北勢線 穴太-東員 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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蝉時雨
クマゼミの合唱が、電車の音さえもかき消していた朝。
北勢線 穴太-東員 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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なつみち
長い歴史が刻まれた小さなみちは、電車や街が変わってもいつもそこにある。
北勢線 西桑名-馬道 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

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深緑色の夏
めまいがしそうな猛暑のみちを、夏色の電車がゆっくりと走っていった。
北勢線 東員-大泉 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T* RDPⅢ

Vol.1895

2024年8月 3日 (土)

優しい雨音-小湊鐵道2024  深川俊一郎

梅雨明けした地域の危険な暑さ、東北地方の記録的豪雨など、異常気象が続くなか、季節は少し前後します。
遅かった梅雨入りの前、強い陽射しの狭間に、灰色の空が山里を包んでいた頃の印象です。

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土砂降り
大粒の雨が周りの全ての音をかき消していた。
小湊鐵道 上総川間 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RXP

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繁茂
緑のトーンが日に日に深くなってゆく。
小湊鐵道 里見-飯給 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T*+2XE RXP

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優しい雨音
軒先の雨垂れが優しいリズムを奏でていた。
小湊鐵道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RXP

Vol.1891

2024年7月21日 (日)

有軌電車のある街-大連市電13③  深川俊一郎

1元で終点まで乗れる気安さ…この円安でも僅か22円、10年前は何と15円ほどでした。
以前に比べ巷で見かける日本人は少なくなりましたが、地方から大連に来た国内旅行者が、レトロな市電にカメラ(スマホ)を向けているのが印象的でした。

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眩惑
スポットライトのような眩しい西日が印象的だった夕刻。
突然現れた3000形復刻塗装に思わず声を上げてしまった。第二弾も整備中のようだ。
大連市電 世紀街-三八広場 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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影踊る
思わず影踏みしたくなるような長い影。
繁華街でも安全地帯はなく、絶妙なタイミングで乗り降りしている。
大連市電 三八広場 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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黄昏
沈みゆく街を泳ぐヘッドライトの中に、電車の灯りはすぐに見つかる。動きにムラがなく、リズムが一定だからだ。
煌びやかにライトアップされた大連駅が、一際存在感を増していた。
大連市電 東関街-大連火車駅 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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夜街へ
スパークを散らしながら夜の街へと繰り出す。
派手なネオンとシックな市電のアンバランスが面白い。
大連市電 大連火車駅-勝利橋 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

以上、三回に亘り近作をご覧いただきました。機会があれば、今度は季節が変わる頃に訪れたいと思います。

Vol.1887

2024年7月 9日 (火)

有軌電車のある街-大連市電13②  深川俊一郎

大連市電は1909年9月に開通。元々は南満州鉄道(満鉄)の一部門から始まり、現在の大連公交客運集団に続く114年の歴史があります。
現在でも主力車両として走るのが、何と1937年日本車両製造製の旧型車(501形→3000形→2200形)で、モスグリーンとエンジのシックな2種類の塗装で大連の街を闊歩しています。

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露天商
大粒のサクランボについ手が伸びてしまう。
よくみると現金箱がない。こんなところまでキャッシュレスだ!
大連市電 大連火車駅-勝利橋 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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駅前通り
大陸なのにどこか日本的な駅前風景。
1937年に完成した大連駅は、1932年竣工の上野駅を模しているが、その大きさは一回り大きい。
大連市電 東関街-大連火車駅 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ(+1)

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語り部
長年の歴史が静かに語りかけてくる。
満鉄旧本社屋は一世紀を経てなお、鉄路局として健在だ。
大連市電 世紀街-三八広場 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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年代物
時代を感じさせる年代物同士。
年代物の郵便ポストは、これまた年代物の市電の塗装にそっくりだ。
大連市電 大連火車駅-勝利橋 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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再開発の街
街並みすれすれを電車が通る。人一人通るのがやっとだ。
東関街では一部の街並みを残した再開発がおこなわれており、復刻された建物の窓ガラスはピカピカだ。
大連市電 市場街-東関街 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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坂の上の電停
急坂のてっぺんにある電停で、人も電車も一息だ。
北京街には100年前に建てられたキリスト教礼拝堂があり、中国にいながら異国の雰囲気だ。
大連市電 北京街 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T*+2XE RDPⅢ(+1)

③に続きます

Vol.1883

2024年6月27日 (木)

有軌電車のある街-大連市電13  深川俊一郎

コロナ渦の4年で、大連の街と電車がどのように変わっているいるか気が気ではありませんでしたが、それは杞憂に終わりました。
喧噪の向こうからは、重々しい吊り掛けモーターの音が響き、シックな色を纏った変わらない姿を見せてくれました。
変わったといえば、それは車。電気自動車普及率では中国はヨーロッパ諸国に次ぐ数値ですが、台数でいえば世界一。それも都市部のウエイトが高いと思われます。感覚的にはトラックとタクシー以外は電気自動車で溢れており、騒音と排気ガスが驚く程少なくなっていたのです。

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出庫
夜明けの車庫の門扉が開けば、老兵が次々と出庫してゆく。
民主広場電停に隣接する広大な車庫から出庫した電車は、道路を横切って本線に合流する。
大連市電 民主広場 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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年輪
木の温もりが寝起きのからだに優しい。
2007年以降の更新で、椅子のモケットが外され、木目が活かされた車内を味わえる。
大連市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

24027
早い朝
早起きな鳥たちでにぎわう電車道。
近代化されたビル群の狭間には、まだ身近な生活風景があった。
大連市電 大連火車駅-勝利橋 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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まばゆい朝
運転台の窓から吹き込む朝風は爽やかだ。
窓から垂れ下がる紐を引っ張るとビューゲルの架線への当たりを調節できる。
大連市電 車内 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

24025
通学路
朝練か授業か…まだ7時なのに学生の朝は早い。
安全地帯のない電停はまだ多く、人と電車の距離がとても近い。
大連市電 世紀街 HASSELBLAD 201F Planar FE 110mmF2 T* RDPⅢ(+1)

24023
歩行者優先
目抜き通りでは電車の乗り降りも一苦労だ。
車が停まってくれると分かっていても、ついビクビクしてしまう。思い切って堂々と渡ることが大切だ。
大連市電 民生街 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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眠たげな街
高い建物の狭間からようやく遅い朝陽が差してきた。
電車の向こうにある勝利橋はかつて日本橋と呼ばれていたが、元はロシア橋であった。帝政ロシア風情の街並みが残る。
大連市電 勝利橋 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RDPⅢ(+1)

②に続きます

Vol.1879


☆写真展のご案内
母校の組織である、鉄研三田会の写真展に出品いたします。(僅か1点ですが、私自身としては20数年ぶり?)
ご興味がありましたら、お立ち寄りいただければ幸いです。

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2024
第31回鉄研三田会写真展

ギャラリー路草 路(豊島区南池袋 2-25-5 藤久ビル東五号館 14F)
2024年7月4日(木)~7月9日(火)
11:00~19:00(最終日16:00迄)

2024年6月15日 (土)

路面電車紀行-函館市電2024陽春②  深川俊一郎

函館山の深緑が目に染みる頃、道端の花々が楽し気に咲き誇ります。
涼やかな五月の風が、海峡通りを駆けてゆきます。

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道端の花束
足元から高貴な香りが漂ってきた。
函館市電 五稜郭公園前 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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五月の風
心地よい五月の風が、坂道を駆け下りてきた。
函館市電 十字街-末広町 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

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旧知の仲
重鎮同士の稀な顔合わせ。
函館市電 青柳町-谷地頭 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* RDPⅢ(+1)

24019_20240614201503
五月晴れ
眩しいほどの深緑に思わず息をのむ。
函館市電 末広町-大町 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ(+1)

Vol.1875

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