2020年7月 9日 (木)

夏至の頃-小湊鉄道  深川俊一郎

夏至が近づく梅雨の晴れ間、夕刻の明るさに気持ちが安らぎます。

いつしか暦は折り返し、でもこれからもう一雨過ぎれば、その向こうに暑い夏が待っています。


200213
梅雨の晴れ間
雨雲が去れば、軒下でも眩しいほどの光で溢れる。
小湊鉄道 上総鶴舞 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

20020
水無月の駅
たっぷり水分を湛えた紫陽花が小さな駅を埋め尽くした。
小湊鉄道 飯給 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

20021
夏至の頃
いつまでも明るい空に、日の長さを実感した夕刻。
小湊鉄道 上総鶴舞-上総久保 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

200211
また明日
ただの帰り道なのに何故か心が弾む。
小湊鉄道 上総牛久-上総川間 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* RDPⅢ

Vol.1379

2020年6月27日 (土)

ジオパークの鉄路-大糸線にキハ52がいた頃②  深川俊一郎

夏が来れば旅に出たくなります。暑さは少し苦手ですが、記憶の彼方にスッと入り込んでくる匂いに誘われるのです。
あの夏の日に、昔の色の小さな気動車が、夏の野山をゆっくりと駆けてゆきました。

09038
雨上がりの雨飾山
青々しい雨の匂いが残る夏の朝。
大糸線 頸城大野-平岩 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T* E100G

09043
いつかの道
どこまでも歩いていきたくなる夏の道。
大糸線 北小谷-平岩 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

06048
姫川清冽
蛇行する姫川が薄暮のジオパークに飲まれてゆく。
大糸線 小滝-根知 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

06040
宵闇迫る
群青色に塗りつぶされた宵闇の入り口。
大糸線 小滝-根知 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 250mmF5.6 T* E100G(+1)

Vol.1375

2020年6月15日 (月)

水辺の小さな鉄道-鹿島鉄道②  深川俊一郎

5月9日の記事で、在りし日の鹿島鉄道をご覧いただきましたが、その続編です。
霞ヶ浦に沈む夕日が少し寂しげで、印象的だった小さな鉄道。
空気が澄んでいた冬の日の小さな出会い。

9001
西日の少年
木枯らしに吹かれながら、元気に走り回る少年がいた。
鹿島鉄道 桃浦-八木蒔 ROLLEIFLEX V Tessar 75mmF3.5 T EPP

8912
夕照
鮮烈な夕日に、一瞬の出会いがあった。
鹿島鉄道 桃浦-八木蒔 ROLLEIFLEX V Tessar 75mmF3.5 T EPP

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小さな影絵
今日一日が西の空に吸い込まれてゆく。
鹿島鉄道 桃浦-八木蒔 ROLLEIFLEX V Tessar 75mmF3.5 T EPP

Vol.1371

2020年6月 3日 (水)

ブログ8周年記念 只見線がくれたもの-最終章  深川俊一郎

いつもご覧いただきありがとございます。当ブログはこの6月で8年が経ち、9年目に入りました。
未だ経験したことのない環境下で、撮影活動も自粛しております。これを機会に、少しばかりの旧作をご覧いただいております。
終息の折には、徐々に撮り始めたいと思います。これからもお付き合いのほど、お願い申し上げます。

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緑潤う
初めて訪れたのに、どこか懐かしかった山村風景。
この時に覚えた印象が、30年以上も通うようになった原点だった。
只見線 会津蒲生-只見 minolta XE MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 PKR

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長い雨
畦道が長い雨で少しぬかるんでいた。
都会で感じるそれとは違い、恵みの雨なのだとぼんやり思った。
只見線 本名-会津越川 minolta XE MC ROKKOR 50mmF1.4 PKR

8806
水辺の静寂
夕刻を待たずして山の端に陽が隠れてしまう。
影の部分に深みを感じた水の郷。
只見線 会津塩沢-会津蒲生 minolta XE MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 PKR

3月に只見線に新型車両が導入され、従来のキハ40が引退したようです。
すっかり定着していた白とグリーンの東北地域色ですが、私が只見線を初めて訪れた頃はまだ昭和の終わりで、キハ58が健在。塗装も国鉄時代のものでした。
ですから白とグリーンの塗装になった頃は、軽いショックだったのを覚えています。おそらく今回新車が入ってキハ40が引退したことが巷で惜しまれている感覚と、似ていたと思われます。
それはともかく、只見線を撮り始めて30年以上が経ち、当時は今ほど訪れる人も多くなかった中で、東京と現地で写真展を開催したり、写真集を出版したり、この地が純粋に好きな気持ちと多少の使命感で、通い、そして撮り続けてきました。
ここで今までの流れに一区切りつけ、発表する機会のなかったいくつかを何回かのシリーズでご覧いただきます。少し脈絡のない構成になりますが、物珍しさも含めて、この機会にお楽しみいただければと思います。
今回は初めて訪れたときの、眼前に繰り広げられる、奥深い山里の光景に軽い衝撃を受け、驚きを隠せなかった頃の一コマです。

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通り雪
早い雨雲が去ると、向こうの山がいつの間にか冬支度をしていた。
昼は乗客が少ないので1両編成だった。
只見線 会津中川 minolta XE MC ROKKOR 50mmF1.4 PKM

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錦秋輝く

山あいの陰影が深まってくると、季節が足早に駆けてゆく。
秋の光は懸命にその輝きを振りまいていた。
只見線 会津横田-会津大塩 minolta XD MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 PKR

8810
去りゆく秋
季節がオーバーラップしたような山里の光景。
弱々しい残光は、次の季節に吸い込まれてゆく。
只見線 会津大塩-会津塩沢 minolta XD MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 PKR

Vol.1367

2020年5月21日 (木)

ジオパークの鉄路-大糸線にキハ52がいた頃  深川俊一郎

フォッサマグナの西の縁、糸魚川ー静岡構造線の険しい道を、大糸線はゆっくりと辿ってゆきます。
そこに10年前の2010年まで、旧国鉄キハ52の最後の3両が走っていました。
山岳・豪雪地帯用の2エンジン車。現役で本来の活躍の場としては、最後の舞台でした。(その後他社に払い下げられた車輌が現在も走っていますが、ここでは触れません)
晩年は3両が歴代の3種類の塗装(厳密にはキハ52ではなかった色を含む)で、三様に走っていたのが愛らしく、今でも脳裏に焼き付いています。

08026
五月晴れの光景
遠くから写真を撮りに来たことを逆に労ってくれた、とてもありがたかった五月晴れの日。
大糸線 北小谷-平岩 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

07029
春の農村風景
絵にかいたらきっとこの通りになるだろうと思ってしまった、農村風景。
大糸線 根知-頸城大野 HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T* E100G

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緑眩しく
深い谷間のトンネルから、前触れもなく顔を出す一瞬にドキドキする。
大糸線 中土-北小谷 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

07036
涼風の駅
我先にとカメラに迫ってきた子供達。弟と妹はお兄ちゃんに一番を譲った。
大糸線 中土 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T* E100G

Vol.1363

2020年5月 9日 (土)

水辺の小さな鉄道-鹿島鉄道  深川俊一郎

家に閉じこもって過去のフィルムを見返しています。
私のブログのペースは、季節感を大切に、なるべくタイムリーに近作をご覧いただくようにしています。(とはいうものの、撮影・現像・スキャンのタイムラグはあるのですが・・・)
もちろん日記を綴っているわけではないので、テーマやストーリーによって新旧入り混じることは多々あるのですが、明らかな旧作をあえてご覧いただくのは、何かにこじつけた(例えば廃止○○周年等)タイミングが欲しいところです。
そこで外出自粛のこの機会に、少しばかりの旧作をご覧いただこうと思います。

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日課
片隅のレールにも、ひっそりと時間が流れている。
鹿島鉄道 桃浦 minolta XD MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 KR

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緑風の駅
古びた額縁のような改札口の向こうに、緑色の風がそよいでいた。
鹿島鉄道 桃浦 minolta XD MD TELE ROKKOR 135mmF2.8 KR

東京から100㎞圏内に、そんな小さな鉄道があることを知ったのは、大学3年の頃、クラブの小旅行で車で通りかかった時だったと記憶しています。
当時私は北海道を撮り歩いていましたから、その時は撮影する気もなく、ただ何となく眺めているだけだったかもしれません。
まもなく社会人になって、なかなか遠出ができない環境の中、ふと思い出しました。少し寂しげで、何ともいえない風情のある小さな鉄道のことを。鹿島鉄道という名も、その時改めて認識しました。昭和61年のことです。
それから数年、思い立っては訪れる日々が続きます。特に霞ケ浦に沈む夕日が印象的なので、秋冬の空が澄んだ日や、野辺に梅や桜が咲く暖かな春によく通いました。
一番最初に撮影したのが、新入社員研修が終わった、ちょうど今頃。緑がさわやかだった5月です。今見返すと、他にこの季節の写真はほとんどなく、最初の出会いの新鮮な印象が今でも心に刻まれているのです。
 
8605_20200509174901
あの日の笑顔

少し汗ばむ陽気が心地よかった、小さな駅の記憶。
鹿島鉄道 玉造町 minolta XD MC W.ROKKOR 35mmF1.8 KR

8605_20200508232601
またあした
もう二度と会わないかもしれないのに、またあした会いそうな気がする。
鹿島鉄道 玉造町 minolta XD MC W.ROKKOR 35mmF1.8 KR

86052
五月のかぜ
築堤を渡る風に、ざわざわと草木が踊っていた。
鹿島鉄道 玉造町-榎本 minolta XD MC W.ROKKOR 24mmF2.8 KR

Vol.1359

2020年4月27日 (月)

春風とともに-小湊鉄道②  深川俊一郎

未だ経験したことのない大変な春を迎えていますが、緊急事態宣言が出る直前に、人と接触しないように、ささやかに花を楽しみました。
早く終息して、また堂々と撮り歩ける日を、じっと待ち続けています。

20019_20200425113001
そよかぜの改札口
微風にのって花びらがはらはらと舞ってゆく。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

20019_20200425113002
花模様
線路端の小さな桜も少し寂しげだ。
小湊鉄道 上総牛久-上総川間 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

20019
遠くの歓声
賑やかな春はどこか遠くに去っていってしまった。
小湊鉄道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar FE 250mmF4 T* E100

Vol.1355

2020年4月15日 (水)

春風とともに-小湊鉄道  深川俊一郎

各地で花の便りが届く頃になると、甘い匂いに誘われるように、この小さな鉄道を訪れます。
短すぎて名残惜しかった冬をいつの間にか忘れ、明るい春の光に心躍らせるのです。

20016
あたたか
あたたかな陽射しに早起きが楽しくなる。
小湊鉄道 高滝 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

20017
やわらかな春
土と菜の花の匂いが柔らかく混ざり合う。
小湊鉄道 上総川間-上総鶴舞 HASSELBLAD 201F Tele-Tessar CF 350mmF5.6 T* E100

20015
黄色い踏切
黄色い踏切は巨大な菜の花のよう。
小湊鉄道 飯給-月崎 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

20016_20200412191001
春風とともに
むせかえるほどの甘い香りに全身が包まれる。
小湊鉄道 高滝-里見 HASSELBLAD 201F Distagon FE 50mmF2.8 T* E100

余談
エクタクローム復活!
E100

コダックのリバーサルフィルム、エクタクロームE100の120サイズ(ブローニー)が復活です。
世界初のリバーサルフィルムは、1935年に発売された外式のコダクロームですが、内式のエクタクロームも1946年発売以来、長きに亘り愛されてきました。2012年に惜しまれつつも生産中止になりましたが、2018年10月、135サイズ(35㎜版)が何と6年ぶりに復活。デジタル全盛のこの時代に驚きを隠せませんでしたが、同時にブローニーの登場を心待ちにしていました。
今回さっそく使ってみて、私には少し落ち着いた深みのある色調が妙にしっくりきます。粒状性も良好で、2012年に生産中止になったE100Gと比較して違和感ありません。
富士にしろコダックにしろ、リバーサルフィルムを生産していただけることはありがたい限りです。
その需要は完全に趣味の世界と推察しますが、そこに代えがたい価値を見出している人たちがいることは間違いありません。
またデジタル化への道が遠くなりました。

Vol.1351

2020年4月 3日 (金)

路面電車紀行-函館市電530再び  深川俊一郎

真冬の早朝、凍りつく軌道の先導役として、車重の重い530号車が出動しました。
12月に貸し切り運転を堪能したばかりですが、営業車が函館の街に溶け込む姿はやはりいいものです。

20007
深い夜明け
群青色の夜明けに、その佇まいが深く溶け込む。
函館市電 十字街 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

20007_20200402220002
名残の灯
白んだ街に足元の灯が残る。
函館市電 十字街-宝来町 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

20007_20200402220001
白い軌道
窓の外は白く眠たげだ。
函館市電 車内 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

20008_20200402220001
吐息凍る
凍る吐息の向こうから530がやってきた。
函館市電 駒場車庫前 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T*

20008
寒風の信号待ち
端正で重厚な姿は一際存在感がある。
函館市電 十字街-宝来町 HASSELBLAD 500CM Sonnar C 150mmF4 T*

Vol.1347

2020年3月21日 (土)

遥かなる旅愁-雪花輝く頃④  深川俊一郎

観測史上最も早い東京の桜開花が、短かった冬を一気に忘れさせます。
それでも北の大地に繰り広げられていた白い世界は、今も瞼の裏側に焼き付いているのです。

20005_20200320211701
残照の丘

薄暮の丘が宵闇に飲まれてゆく。
気がつけば身震いするほど冷え込んでいた。
富良野線 美馬牛-上富良野 HASSELBLAD 500CM Planar CF 80mmF2.8 T*

20005
寒空のオリオン

星明りがほのかに大地を照らす。
ゆっくりと厳寒の夜が更けてゆく。
富良野線 美馬牛-上富良野 HASSELBLAD 500CM Distagon CF 50mmF4 T*

Vol.1343

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