2017年8月12日 (土)

かわいいDLたち 1   服部一人

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自分よりも大きい客車を1両引いて、これから畑に行きます。自然素材で作った掘っ立て小屋といい、こういう軽便の風情がいいですねぇ。

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朝は畑に収穫に向かう列車が出発するので機関庫は忙しい。

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これくらいの大きさならちょっとした庭先にも置けるのではないか。家庭用にも1台ほしい と夢は広がります。

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こちらはやや新しめのDL。日本製だそうです。空の貨車を引いてこれから畑に行くところ。

ナローゲージが好きで、特に蒸気機関車が大好きなので、しばしば海外のそういう鉄道へ撮影に行くのだが、そこにはたいていの場合DLもいる。まぁ、目が向くのは汽車の方だけど、それでも小さくてかわいいDLを見つけるとやはり近寄って写真を撮らずにはいられない。

汽車と一緒に見るからありがたみが薄いのであって、もしこれと同じものが日本で普通に走っていたら、きっと喜んで撮りに行くだろう。ナローのDLというだけで、けっこう貴重なのだ。電気機関車もいいけど、やはり内燃機関というのは魅力があります。

というわけで、昨年サトウキビ畑の汽車を撮りに行ったインドネシア、ジャワ島のスンボロ製糖工場。(記事はこちら→http://blog.rail-on.com/2016/08/post-d30a.html )そこで働いていたかわいいDLたちを集めてみました。こうして見ると汽車とはまた違ったたたずまいで愛らしいです。大きさと形のバランスが絶妙という感じです。ほとんど原寸大の模型のようです。汽車がなくなっても、こういうかわいいのがチョコマカ動いてたら、また撮影に行ってもいいかなぁ と思いました。

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田舎道で線路が平面交差。まるで模型のレイアウトです。チャーター列車なので2台鉢合わせするように並べてみました。

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車庫の中には廃車になっているのか、これから修理するのか、いろいろ魅力的な形態の車両がたくさんいます。

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見渡すかぎりのサトウキビ畑に向かって簡易軌道がふらふらと伸びている。いい景色ですねぇ。

CANON EOS 5DMkⅡ,  Distagon35/2       
                    VOL.1008                                        

2017年7月30日 (日)

レイル・オン ブログ1000回記念 VOL.1003 マヨルカ島の小さな鉄道2題   服部一人

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このすばらしい木目の美しさ。ソーイェル鉄道が1912年に開通し、1929年に電化された時に導入された電車だ。きちんと手入れされて、今も輝きを保つ。

みなさん、こんにちは。当ブログも5年目にして1000回の大台を迎えることができました。これもひとえに、いつも見ていただいている皆さまのおかげと感謝しております。今後ともよろしくお願いします。

僕の記事は毎度のことながら、蒸気機関車、ローカル線、トラムのネタを中心にやっておりますが、今回は1000回記念なので特別編といたしまして、スペインのマヨルカ島の小さな鉄道をご紹介します。通常の2回分のボリュームでふたつの鉄道を取り上げます。

                ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

マヨルカ島の中心都市はパルマなのだが、パルマという都市はほかにもあるので、正式にはPalma de Mallorca(マヨルカのパルマ)というようだ。このパルマの中心部スペイン広場(Placa d'Espanya)からソーイェルまでソーイェル鉄道(Ferrocarril de Soller)が走っている。この鉄道の何がすばらしいと言って、1929年製の木造電車が現役で走っているのだ。

広場の片隅にあるソーイェル鉄道のパルマ駅は列車のいない時はひっそりとした静かな駅だ。ホームは1面のみ。機回し線と小さな車庫があるだけだ。キップの予約をしてしばらく待ってると、次第に観光客とおぼしき人々が集まり始めた。ほどなく駅のはずれからホイッスルが聞こえて名物の木造電車が静々と入線してきた。ソーイェルから到着した列車で、これが折り返してまたソーイェルに戻っていく。木造電車はすぐに機回しをして反対側の先頭につく。この鉄道は木造電車が機関車代わりとなって木造客車を牽引するスタイルだ。

本当は先頭の木造電車に乗りたかったのだが、ホームであれこれ写真を撮っているうちに電車は満席となってしまい。仕方なく2両目の客車に乗車。でも、この客車もなかなかいい雰囲気の木の内装だ。パルマを出発した列車は少しのあいだ市街を路面電車のように走る。やがて郊外に出ると、あとはのどかな田園風景の中をゆったりと走っている。途中駅のブンヨラ(Bunyola)駅を出てトンネルを抜けると、いつのまにか山の中腹を走っている。遠くにソーイェルの町を見下ろすことができる景色のよい眺めだ。あとはカーブを繰り返しながらソーイェルの町に向かって一気に下りていく。

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ソーイェル鉄道のパルマ駅。

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パルマ駅にソーイェルから来た列車が入線してきた。

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列車がパルマに到着すると、すぐに機回しがおこなわれ、再びソーイェルに向けて出発する。

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先頭の電車から客車にいたるまで、すべて木造の編成美。

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客車の内装。

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ソーイェルの構内。小さなターンテーブルに平面交差もあって非常に興味深い。

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車庫の中にはなにやら変わった車両も。
近づいてみると2両の小さなグースでした。走るところを見てみたい。

終点のソーイェルは車庫もあるなかなか大きい駅だが、これで終わりではない。降りたホームのすぐ下にトラムの駅があって、さらにソーイェル港(Port de Soller)までかわいい2軸単車のトラムが走っている。お客の多くは小さなトラムに乗り換えて港をめざす。このトラムも実に味わい深い。駅を出るとすぐに町の中を走り、中心部の教会の広場を横切る。狭い道路や市場の前、カフェのすぐ脇などをゆっくりと通り抜けると、専用軌道に入り田舎電車の風情となる。やがて海が近づくとにぎやかなリゾートの海岸線を走って港のすぐ脇の終点に到着する。

こちらも木造電車が客車を牽引するスタイルだが、多少違うのは列車の両端に電車があり、あいだに2両の客車をはさんでいる。そのため終点での機回しの必要がない。

パルマからふたつの電車を乗り継いでの旅は車窓に変化があり実に楽しかった。山も海も、さらに市街地といろんな風景が味わえ、何といっても明るい日差しに映える木目の美しい車体が心に残っている。

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パルマから来たお客の大半はソーイェルでトラムに乗り換える。

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こちらがソーイェルのトラム乗り場。鉄道のホームのすぐ下にある。

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トラムの車庫。

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トラムは最初、ソーイェルの市街地を走る。

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やがて海岸沿いに出てリゾートホテルが建ち並ぶ横を静かに走って終点ソーイェル港へ。

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これはリスボンで走っていたトラムを改造した比較的新しい電車。半鋼製車。

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こちらが客車。オープンデッキ。

ソーイェル鉄道、アクセスとガイド
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マヨルカ島はスペインの東、地中海に浮かぶリゾートアイランド。バルセロナ、マドリードから国内線もあるし、ほかにヨーロッパ主要都市からフライトもある。空港は市内から少し離れた郊外にあり、パルマ市内まではバスがある。空港のバス乗り場にある券売機は壊れていたので、乗車時に運転手に料金を払う。降りるところはスペイン広場(Placa d'Espanya)。空港から約20分程度だ。降りる時にはボタンを押すことになっているけど、スペイン広場は繁華街なのでたいてい他の乗客も降りるから心配ない。

スペイン広場の地下にはマヨルカの郊外電車も出ているのだが、今回の目的ソーイェル鉄道のパルマ駅は地上にある。広場の脇にひっそりとたたずんでいて、電車の発着時以外は人影もまばらで静かだ。ここではトラムの終点のソーイェル港までの往復キップ切符も買えるのだが、繁忙期は列車を指定して切符を買うことになる。パルマ〜ソーイェル間は1日4往復から6往復。バカンスシーズンは多く走る。約20キロの区間に1時間以上かけてのんびり走る。乗り継ぐソーイェルのトラムは朝晩は1時間に1本、昼間は30分に1本程度。こちらは約5キロで20分くらいかけて走る。軌間はともに914ミリだ。

パルマ市内にも手頃なホテルはあるが、ここはリゾート地なのでソーイェルのリゾートホテルに1週間くらい滞在し、ゆったりとリゾートを楽しみ、たまに鉄道をちょこっと撮影する なんていう優雅な過ごし方が本当は一番やってみたい。

マヨルカ島は温暖な気候なので、僕が訪問した2月下旬でも天候さえよければ暖かい。昼間は半袖でもいいくらいだった。

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2017年7月21日 (金)

暑中お見舞い申し上げます & 写真展ご案内   服部一人

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みなさん、こんにちは。暑い日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか。
多少なりとも涼しげな写真で、暑中お見舞い申し上げます。

場所はアフリカのビクトリアフォールズ。世界3大瀑布のひとつです。アフリカの内陸国ジンバブエとザンビアの国境に位置する巨大な滝です。この滝をまたぐようにして鉄橋があり、両国を結ぶ鉄道が走っています。ちょうど橋のところが国境です。

訪れたのは3月。現地は雨期の最中で、そのため滝の水量もかなり多く、見応えがありました。 と書くと簡単に終わってしまうのですが、じっさいのところ滝のすぐ近くはたいへんなことになっています。大量の水が滝壺に落ちて、その水しぶきが空中に舞い、ときに視界もままならぬほどです。風が吹くと横なぐりの雨のように降りかかってきて、テレビでよくある台風のときの現地中継みたいな感じです。5分も立っていると全身ずぶ濡れになって水滴がしたたり落ちます。傘もカッパもほとんど役に立ちません。

ガイドブックには、雨期の真っ最中は水量が多すぎて見学には不適とありましたが、まったく、その通りでした。服を着たまま風呂に入ったような感じで、観光どころの話ではありません。いちおう防塵防滴というカメラを持っていったのですが、どうもここの状況は防滴という範囲をこえていたようで、30分くらいで動かなくなりました。やれやれ。でも鉄橋を渡る長大貨物列車を見ることができたので、まぁ、よしとします。

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写真展のご案内

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ジャパンクリエイト株式会社主催の鉄道写真展にレイル・オンより、梅村、服部、深川の3名が参加します。詳細は以下のようになっております。

「鉄道」「猫と鉄道」写真展

会期
2017年7月25日~30日

時間
火~木 11:00~19:00 / 金・土 11:00~20:00 / 日 11:00~17:00
(最終日30日は17時まで)入場は終了の30分前まで

会場
ギャラリー・ルデコ 3階・4階・5階
http://ledeco.net/

入場料
500円 小学生以下無料(同伴者と入場される場合に限る)
発券当日に限り再入場可能

主催
ジャパンクリエイト株式会社 フォトソリューション事業部

■ Facebookページ
https://www.facebook.com/鉄道写真企画展鉄道写真鉄道と猫写真-590980331068181/
■特設サイト
https://railwayphoto2017.jimdo.com


金土日はメンバー在廊します。私たち3名は「北海道 鉄道の魅力」というテーマでそれぞれ展示します。たいへん暑い時期で恐縮ですが、よろしければ足をお運びください。また週末はプロカメラマンのトークショーなどもあります。詳細は特設サイトをご覧ください。どうぞよろしくお願いします。


2017年7月 9日 (日)

トラムの走る町 22 マドリード スペイン   服部一人

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スペインの首都マドリード、市内中心部は地下鉄とRENFE(スペイン鉄道)のネットワークがあり、トラムはない。郊外の新興住宅地に3路線のトラムがあるが、多くの場所で専用軌道か地下を走る。いわゆる路面電車というよりは、郊外に点在する住宅地を結ぶインターアーバンのような感じだ。

METRO LIGERO(軽いメトロ)と呼ばれ、今どきの低床車が軽快なスピードで走る。地下鉄やRENFEとの接続駅は地下になっていて、郊外に出ると地上を走る。また住宅地が近づくと地下にもぐるといった感じの路線である。最近のヨーロッパではメトロとトラムをあまり厳密に分けない傾向が一部にあるが、ここもそんな感じのトラムである。

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2017年6月27日 (火)

トラムの走る町 21 とさでん交通  高知   服部一人

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後免線の知寄町3丁目より東は、だいたい専用軌道か路側軌道ふうである。最近は広告電車も増えて、それはそれで経営のためにはやむを得ないことと理解するが、こうして旧塗装の213号を見ると、「やっぱり、これだよなぁ。」と納得する電車としての美しさがある。

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「トラムの走る町〜」シリーズも20回をこえる記事になったが、今までは外国の路面電車ばかりだった。これまでにも阪堺電車や広電、都電荒川線など日本の路面電車を記事にしてきたが、このシリーズには含めず単独記事の扱いだった。今後、国内外を問わず路面電車は「トラムの走る町~」シリーズに統一しようと思う。さて、その国内第1回は先頃訪れた、とさでん交通を取り上げることにしよう。

とさでん交通は経営統合によって2014年に新しくできた会社だが、路面電車に関しては僕のような世代では「とさでん」と言った方がなじみがある。四国は高知市内を走る路面電車である。

有名なはりまや橋で交差する東西南北の路線を持つとさでん交通だが、この中の東西の路線は、はりまや橋を境にして西が伊野線、東側が後免線となっているが、相互に直通運転をおこなっている。

この両線の両端あたりは路側軌道ふうになっていて僕の趣味心をくすぐる。かつてポーランドのウッチ(こちら→http://blog.rail-on.com/2016/10/post-ed18.html )、チェコのリベレツ(こちら→http://blog.rail-on.com/2016/05/9-5433.html )など海外の味わい深いトラムを訪ねた路側軌道好きの私である。もし自分が外国人で日本に撮影に来ることがあったら、迷わずこの高知を訪ねたであろう。高知にはかつての懐かしい路側軌道の名残がある。

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一方の伊野線は鏡川橋より先は橋を渡って伊野まで単線になる。途中、朝倉で懐かしいタブレットの交換がある。

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こちらも路側軌道ふうの雰囲気が味わえるし、なかなかシブイ電停もある。

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終点伊野のすぐ手前には、かつて使用されていた留置線への引き込み線跡がある。現在は分岐ポイントは埋められてしまい留置線は使われていないが、まだ線路はあり、今はパーク&ライドの駐車場として使われている。

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とさでん交通といえば、僕の地元、名鉄美濃町線からきた590型も健在だ。久しぶりに懐かしい姿を見た。

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桟橋車庫は南国らしい雰囲気。

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とさでん交通にも新しいLRTが走っている。古い物好きな僕だけど、こうして新型によって利便性が向上し、市民の足として活躍するのが今後のトラムの生きる道なのだと思う。

FUJI X-T2 FUJINON XF35/2  XF10-24/4 SUMICRON50/2               VOL.991

2017年6月15日 (木)

駅のたたずまい 8 マドリード アトーチャ   スペイン   服部一人

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こちらが旧駅舎外観とその内部。天井の高さを利用して温室にするとは、なかなかいいアイデア。光の具合によってはピンク色にも見えるレンガの外見は青空とのコントラストがあって美しい。

スペインの首都マドリード。もっとも大きな駅がアトーチャだ。この駅はマドリード市内、および近郊の路線が発着するマドリード・アトーチャ(MADRID-ATOCHA)と、長距離の特急が発着するマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ(MADRID PUERTA DE ATOCHA)の2つの駅が隣接して建っている。この2つは別々の駅ではあるが隣り同士ということもあって、まぁ、東京駅で在来線から新幹線に乗り換えるというくらいの感覚だ。

マドリード・アトーチャ駅は半地下のようになっていて、やや薄暗い印象だが、一方のマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅は陽光が差し込む非常に明るい駅で対照的だ。

2つの駅の構内に隣接して、かつてここがターミナル駅だった頃の古い駅舎が残されている。歴史を感じさせるなかなか立派な建物なのだが、内部は古い意匠を残しながらもすっかりきれいに改装されて温室のようになっている。周囲にはカフェやショップもあって、列車待ちの時間を過ごすにはとても気持ちのいい場所だ。

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マドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅はスペイン各地への特急が発着する。ヨーロッパの駅には珍しく、ホームに入るには改札があり、乗車券を持ってないと入れない。さらにX線を使ったセキュリティチェックもあり、気軽にホームに行ってスナップショットを撮るというわけにはいかない。

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マドリード・アトーチャ駅は近郊路線でひんぱんに電車が出入りする。人影も少ないマドリード・プエルタ・デ・アトーチャ駅にくらべて、こちらはいつも雑踏があり、首都の駅らしいにぎわいがある。

FUJI X-T2 Fujinon XF10-24/4, XF35/2                            VOL.987

2017年6月 1日 (木)

レイル・オン ブログ「現代鉄道写真研究所」5周年記念   服部一人

みなさん、いつも「現代鉄道写真研究所」をご覧いただきましてありがとうございます。

当ブログは2012年6月1日に始めました。気がつけばはや5周年。月並みですが、あっという間の日々でした。やると決めたからには定期的な更新を心がけてきましたが、急がしい毎日の中で、しばしば記事のアップに苦労することもありました。しかし振り返ってみるとけっこうな数の記事が残っており、これは趣味の活動として大きな財産です。撮る事には熱心でも、まとめることに消極的だった自分にとっては、ブログはきちんと整理するよい習慣になりました。

2012年6月1日の第1回目の記事は以下のような書き出しから始まります。

およそ線路の上を走るものなら、だいたい何でも好きなのだけど、もっとも好きなものを3つあげよといわれたら、

「蒸気機関車」
「ローカル線」
「路面電車」

の3つになる。



これはいまでも変わっていません。今回5周年を迎えるにあたって、各年ごとに、その年に撮ったこの3つの被写体の中から、まだブログで未発表のものを掘り出して、来し方を少しだけ振り返ってみることにしました。


2012
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東北本線金谷川

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十和田観光鉄道

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バーゼル スイス

この年は、あの大震災から一年。東北各地では「復興」「絆」「がんばろう」などという言葉がさかんに聞かれた頃だ。東北本線でも「SLふくしま復興」号が運転された。沿線にはのぼりや横断幕を持った多数の人々が集まり、炎天下の中、汽車に手を振っていた。

5年という間に、廃止になった鉄道、廃車になった車両がある。十和田観光鉄道は20年以上前に1度訪問して撮影したことがあったけど、この年、まもなく廃止になるというので久しぶりに出かけた。



2013
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ダージリンヒマラヤン鉄道

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明知鉄道

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函館市電駒場車庫

インドのダージリンヒマラヤン鉄道は、はるか昔、学生時代に2度訪問したけど、この年に30年ぶりに再訪を果たして懐かしさでいっぱいの気持ちになった。町や沿線の雰囲気も大きな変化はなく、観光用の一部区間とはいえ汽車が走っているのはすばらしいこと。21世紀のいまにこんな鉄道情景が見られるのは、ありがたいの一言につきる。

またこの年は1周年記念事業で岐阜県の明智鉄道でレイル・オンのヘッドマークをつけた列車を走らせた。僕の地元に近い場所だが、あらためてそのロケーションの良さに感激した。C12が本当に走ったらきっと通うと思う。

函館市電は100周年。駒場車庫の旧車両ラインナップはやわらかい西日の中での撮影。現場スタッフの方の、的確にしてファン心理を満たす親切で丁寧な対応が心に残っている。

2014
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只見線

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箱根登山鉄道

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富山地方鉄道

只見線は年に1度C11が走る。最近は新緑の5月頃に走るけど、以前は秋に走っていた。秋もよし、初夏もよし、只見線は一年中いつ行っても四季が美しい。

箱根登山鉄道は都心から近いのに、つい油断してなかなか行かなかった。新しい車両も、もちろんけっこうだけど、僕としては古いもの好み……。


2015

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シャーフベルク鉄道 オーストリア

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デルニッツ鉄道 ドイツ

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阪堺電車

シャーフベルク鉄道はアプト式の登山鉄道。この手の登山鉄道ではスイスのブリエンツ・ロートホルン鉄道が有名だが、ここもなかなかの景色だった。といっても、それはふもとの始発駅を出発してしばらくの間だけ。山頂に到着するころにはあたり一面真っ白でやれやれ。

この年は夏休みにドイツの保存鉄道をいくつか訪ね歩いた。デルニッツ鉄道もそのひとつ。汽車目当てだが、あいまに走るDL客車列車も、これはこれでなかなか味がある。

まだ阪堺電車にモ161が多く残っていた頃。この年までは、毎年お正月は大阪に出かけて住吉さんの初詣輸送で活躍するモ161を撮るのが年の初めの習わしだった。

2016
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只見線

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スンボロ製糖工場 インドネシア

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ウッチ ポーランド

インドネシア・ジャワ島の製糖工場は1990年代に3回行った。あの頃はどこの工場に行っても汽車がいた。いまや主役はDLに替わり鉄道そのものを廃止したところもある。それでもナローゲージを取り巻く情景の南国らしい大らかさは健在で、鉄道の魅力が自然や環境と一体のものであることを再確認する。

ウッチはポーランド第2の都市。ここのトラムはメーターゲージ。けっこうな路線長があるが、この時は予備調査の短期滞在。今年あたり、本格的な撮影に行きたいなぁ。


2017

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マドリード鉄道博物館

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上信電鉄

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リスボン ポルトガル

この博物館は旧駅舎を利用している。大きなドーム屋根の中、歴史的車両たちがたくさん展示されている。日本では汽車は黒いものだと相場は決まっているけど、海外でこういうグリーンの汽車を見るたびに、なかなかいいなぁと思う。特にロッドなどの赤とグリーンの対比は互いが引き立ってかっこいい。

先の連休中、上信でデキが走るというのでお出かけした。5月らしい気持ちいい天気の中、小さいながらも重連は見応えある。

リスボンは哀愁ある古い町並みに古典的外観の二軸トラムが有名だ。ここは車庫で博物館も兼ねている。イベント用の赤いトラムは青空の下、くっきりと映える。


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さて、こんな感じで軽く振り返ったこの5年間。いくつになっても、好きな汽車と電車を楽しみに、あちらこちらへと出かけるのは楽しいものです。

                                                                                                             VOL. 981

2017年5月24日 (水)

駅のたたずまい 7 プリンシペ・ピオ駅 スペイン   服部一人

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プリンシペ・ピオはスペインの首都マドリード市内の駅である。古めかしい鉄骨の大屋根が駅を覆っているのは、かつてはここが大きなターミナル駅だった頃の名残である。構内に頭端式のホームが残るが、現在はマドリード市内環状線の駅のひとつとしてひんぱんに近郊列車が走っている。駅はモダンに改装されているが、一部に古い駅舎を残し、新旧の取り合わせがなかなかすてきだ。

ここはRENFE(スペイン国鉄)と地下鉄が交わる乗換駅なのだが、この2つはほぼ直交している。プリンシペ・ピオ駅をもっとも特徴づけるのは地下鉄のホームが吹き抜けになっていることだ。RENFEの構内からも地下鉄ホームを見下ろすことができ、天気のよい日には高い大屋根から地下鉄まで光がふりそそぐ。さらに吹き抜けの地下鉄ホームのすぐ上をRENFEの鉄橋が地下鉄ホームを横切るようにまたいでいる。立体的で大胆な構造の駅なのだ。

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RENFEから地下鉄ホームにエスカレーターでおりると、すぐ頭上にはつや消し黒の鉄橋がある。列車が通過するときには大屋根に反響して大きな音がする。

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2017年5月12日 (金)

駅チカの昭和風情 7 名古屋地下鉄伏見駅   服部一人

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久しぶりの「〜昭和風情」シリーズ。今回は僕の出身地名古屋です。名古屋地下鉄の栄地下街は有名だけど、伏見駅にこんな地下街があるとは18歳まで名古屋で暮らした僕もまったく知りませんでした。

場所は伏見駅栄方面ホームの南端に改札口があり、そこから数百メートルほど天井の低い一本道の地下街が続いています。地下街は繊維問屋などが集まる長者町あたりまで来て地上にあがる出口で終わっています。

店舗数は40軒ちょっと。お決まりの居酒屋、飲食関係のほか、金券ショップ、雑貨屋、マッサージ屋などいろいろです。「長者町横町」という看板も見ましたが、正式名は「伏見地下街」というみたいです。

雰囲気はいかにも昭和ですが、それだけなら全国には似たような地下街はまだほかにあります。ここのおもしろさはふしぎなディスプレイがいくつもあることです。以下、それぞれ見ていくことにしましょう。

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地下街だけあって、地下鉄の絵が飾ってあるのですが、車輪が円ではなく12角形に見えます。何か理由があるのでしょうか。

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壁に青い階段のような模様がペイントされているのですが、そこになぜか実物のサンダルが貼り付けてあります。現代美術の作品なのでしょうか。

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時計屋さんのディスプレイですが、顔のところが時計になってます。3つ並んだ時計は、よくロンドン、パリ、東京などと書いてあるものですが、ここは何も記載がなく意味不明です。

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ギターを使ったブルース道場だそうです。

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ここに飾られている絵はどれも1点1万円の大サービスだそうです。それぞれの絵にはちゃんと作者名が入っていて、「38,000円→10,000円」とか「67,000円→10,000円」などと書かれています。

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床にビューポイントと書かれた足跡がありますが、そこに立って指示された方角を見ても店先に置かれた荷物しか見えません。どう見ても大したビューポイントではないようにみえるのですが…。

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この地下街は23時に閉まるようですが、地上の出入口には丁寧にその10分前までに入場するように但し書きがあります。この出入口自体もふしぎなブルーで塗装されていて、いかにも怪しげです。地下に広がる魔界に降りていくようなワクワク感があります。

あとから調べたら、ここは1957年の地下鉄開業とともにできた名古屋でもっとも古い地下街のひとつでした。僕の生まれる前だ! どおりで昭和の香り満点のわけです。2013年のあいちトリエンナーレの際に会場のひとつになって、このブルーの出入り口やビューポイントなどもその時にできたらしい。昭和の風情に現代アートの組みあわせ、なかなかイケてます。

FUJI X-T2, FUJINON XF35/2                                                                      VOL.974


2017年4月30日 (日)

トラムの走る町 20 セビーリャ スペイン   服部一人

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「トラムの走る町」シリーズも20回目を迎えました。さて、記念すべき今回は特別なトラムです。上の写真、セビーリャ中心部の世界遺産、大聖堂の前を走るトラムですが、なんか変だと思いませんか? すっきりしすぎていますね。架線がありません。かといって、これはディーゼルカーではありません。ちゃんとした「電車」です。世界的にまだ珍しいものの、しかし少しずつ数を増やしている「蓄電池式トラム」です。欧州ではフランスのニースなど、いくつかの都市で採用例があり、アジアでも2015年に部分開業した台湾の高雄のライトレールが蓄電池式です。

セビーリャの場合、架線は停留所にしかありません。電車は停留所に停車するとすぐさまパンタグラフを上げ、わずかな乗降時間の間に充電します。たった30秒程度の充電でも次の停留所までの数百メートルを走行するのに十分な充電ができるということです。架線のある従来のトラムに比べメリットとされているのが、架線や電柱などのインフラを設置しなくてすむことによる建設費のコストダウンと、町の美観を守ることです。高性能な充電式電池の開発により、今後さらなる普及が期待されている蓄電池式トラムです。

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大聖堂の前を走るトラム。このような歴史的な町並みの中を走る場合は、たしかに架線も電柱もないと非常にすっきりとして町の景観を損なわないということが実感できます。

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停車中の電車はこのようにパンタグラフを上げ、すぐに充電を始める。

セビーリャのトラム、アクセスとガイド
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セビーリャはスペイン南部アンダルシア地方の観光都市。首都マドリードからなら特急で2時間半程度。駅はセビーリャ・サンタ・フスタで市の中心部からはやや離れた場所にある。駅前のバス停から32番のバスに乗り、終点のドゥケ・デ・ラ・ビクトリア広場まで行く。そこから南に歩けば市の中心部に出る。

トラムは2007年に開業し、中心部のヌエバ広場〜サン・ベルナルド間のわずか2キロ。停留所は5つだけだが、今後伸延の計画もある。軌間は標準軌の1435㎜。車両メーカーは地元スペインのCAF。

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FUJI X-T2,  Fujinon XF10-24/4, XF35/2                                                    VOL.970

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