2017年5月24日 (水)

駅のたたずまい 7 プリンシペ・ピオ駅 スペイン   服部一人

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プリンシペ・ピオはスペインの首都マドリード市内の駅である。古めかしい鉄骨の大屋根が駅を覆っているのは、かつてはここが大きなターミナル駅だった頃の名残である。構内に頭端式のホームが残るが、現在はマドリード市内環状線の駅のひとつとしてひんぱんに近郊列車が走っている。駅はモダンに改装されているが、一部に古い駅舎を残し、新旧の取り合わせがなかなかすてきだ。

ここはRENFE(スペイン国鉄)と地下鉄が交わる乗換駅なのだが、この2つはほぼ直交している。プリンシペ・ピオ駅をもっとも特徴づけるのは地下鉄のホームが吹き抜けになっていることだ。RENFEの構内からも地下鉄ホームを見下ろすことができ、天気のよい日には高い大屋根から地下鉄まで光がふりそそぐ。さらに吹き抜けの地下鉄ホームのすぐ上をRENFEの鉄橋が地下鉄ホームを横切るようにまたいでいる。立体的で大胆な構造の駅なのだ。

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RENFEから地下鉄ホームにエスカレーターでおりると、すぐ頭上にはつや消し黒の鉄橋がある。列車が通過するときには大屋根に反響して大きな音がする。

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FUJI X-T2, Fujinon XF10-24/4 R                                VOL.978

2017年5月12日 (金)

駅チカの昭和風情 7 名古屋地下鉄伏見駅   服部一人

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久しぶりの「〜昭和風情」シリーズ。今回は僕の出身地名古屋です。名古屋地下鉄の栄地下街は有名だけど、伏見駅にこんな地下街があるとは18歳まで名古屋で暮らした僕もまったく知りませんでした。

場所は伏見駅栄方面ホームの南端に改札口があり、そこから数百メートルほど天井の低い一本道の地下街が続いています。地下街は繊維問屋などが集まる長者町あたりまで来て地上にあがる出口で終わっています。

店舗数は40軒ちょっと。お決まりの居酒屋、飲食関係のほか、金券ショップ、雑貨屋、マッサージ屋などいろいろです。「長者町横町」という看板も見ましたが、正式名は「伏見地下街」というみたいです。

雰囲気はいかにも昭和ですが、それだけなら全国には似たような地下街はまだほかにあります。ここのおもしろさはふしぎなディスプレイがいくつもあることです。以下、それぞれ見ていくことにしましょう。

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地下街だけあって、地下鉄の絵が飾ってあるのですが、車輪が円ではなく12角形に見えます。何か理由があるのでしょうか。

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壁に青い階段のような模様がペイントされているのですが、そこになぜか実物のサンダルが貼り付けてあります。現代美術の作品なのでしょうか。

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時計屋さんのディスプレイですが、顔のところが時計になってます。3つ並んだ時計は、よくロンドン、パリ、東京などと書いてあるものですが、ここは何も記載がなく意味不明です。

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ギターを使ったブルース道場だそうです。

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ここに飾られている絵はどれも1点1万円の大サービスだそうです。それぞれの絵にはちゃんと作者名が入っていて、「38,000円→10,000円」とか「67,000円→10,000円」などと書かれています。

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床にビューポイントと書かれた足跡がありますが、そこに立って指示された方角を見ても店先に置かれた荷物しか見えません。どう見ても大したビューポイントではないようにみえるのですが…。

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この地下街は23時に閉まるようですが、地上の出入口には丁寧にその10分前までに入場するように但し書きがあります。この出入口自体もふしぎなブルーで塗装されていて、いかにも怪しげです。地下に広がる魔界に降りていくようなワクワク感があります。

あとから調べたら、ここは1957年の地下鉄開業とともにできた名古屋でもっとも古い地下街のひとつでした。僕の生まれる前だ! どおりで昭和の香り満点のわけです。2013年のあいちトリエンナーレの際に会場のひとつになって、このブルーの出入り口やビューポイントなどもその時にできたらしい。昭和の風情に現代アートの組みあわせ、なかなかイケてます。

FUJI X-T2, FUJINON XF35/2                                                                      VOL.974


2017年4月30日 (日)

トラムの走る町 20 セビーリャ スペイン   服部一人

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「トラムの走る町」シリーズも20回目を迎えました。さて、記念すべき今回は特別なトラムです。上の写真、セビーリャ中心部の世界遺産、大聖堂の前を走るトラムですが、なんか変だと思いませんか? すっきりしすぎていますね。架線がありません。かといって、これはディーゼルカーではありません。ちゃんとした「電車」です。世界的にまだ珍しいものの、しかし少しずつ数を増やしている「蓄電池式トラム」です。欧州ではフランスのニースなど、いくつかの都市で採用例があり、アジアでも2015年に部分開業した台湾の高雄のライトレールが蓄電池式です。

セビーリャの場合、架線は停留所にしかありません。電車は停留所に停車するとすぐさまパンタグラフを上げ、わずかな乗降時間の間に充電します。たった30秒程度の充電でも次の停留所までの数百メートルを走行するのに十分な充電ができるということです。架線のある従来のトラムに比べメリットとされているのが、架線や電柱などのインフラを設置しなくてすむことによる建設費のコストダウンと、町の美観を守ることです。高性能な充電式電池の開発により、今後さらなる普及が期待されている蓄電池式トラムです。

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大聖堂の前を走るトラム。このような歴史的な町並みの中を走る場合は、たしかに架線も電柱もないと非常にすっきりとして町の景観を損なわないということが実感できます。

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停車中の電車はこのようにパンタグラフを上げ、すぐに充電を始める。

セビーリャのトラム、アクセスとガイド
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セビーリャはスペイン南部アンダルシア地方の観光都市。首都マドリードからなら特急で2時間半程度。駅はセビーリャ・サンタ・フスタで市の中心部からはやや離れた場所にある。駅前のバス停から32番のバスに乗り、終点のドゥケ・デ・ラ・ビクトリア広場まで行く。そこから南に歩けば市の中心部に出る。

トラムは2007年に開業し、中心部のヌエバ広場〜サン・ベルナルド間のわずか2キロ。停留所は5つだけだが、今後伸延の計画もある。軌間は標準軌の1435㎜。車両メーカーは地元スペインのCAF。

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FUJI X-T2,  Fujinon XF10-24/4, XF35/2                                                    VOL.970

2017年4月18日 (火)

春の鉄道散歩 東海地方にお花見   服部一人

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前回のブログで取り上げた樽見鉄道谷汲口(こちら→http://blog.rail-on.com/2017/04/rail-on-201733-.html )に行く前に実はちょっと寄り道をしていた。それが養老鉄道の北大垣駅あたり。駅をおりるとすぐに川の土手があってきれいな桜並木がある。いつも東海道本線の普通列車に乗ってここを通る時、車窓から土手下を走る養老鉄道の線路が見えて、1度桜の季節に行ってみたいと思っていた。

電車と一緒に撮るのはむつかしいけど、まぁ、あまり気にせずに桜並木の下でお花見。一服したあとは土手を歩いて東海道本線の鉄橋のところまで来た。ここには杭瀬川を渡る鉄橋がある。特別いい景色というのでもないけど、頻繁に列車が通過するので撮影は楽しい。のんびりと数時間をここで過ごしてから樽見鉄道に向かったのだ。

翌日は東京に戻る途中に大井川鐵道へ。ご存知、有名な家山あたりと川根温泉笹間渡の先の鉄橋にも足をのばして桜を満喫。大井川鐵道は汽車もいいけど、いまや電車も貴重な存在になりました。ありがたく見せていただいて乗車も楽しんで実り多い春の鉄道散歩でした。

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Canon EOS5DMkⅡ, EF 70-200/4IS, Makro Planar50/2 Distagon35/2      VOL.966


2017年4月 6日 (木)

Rail-On 春まつり2017 谷汲口のオハフ33   服部一人

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樽見鉄道谷汲口は桜の駅として有名だ。毎年この季節になると多くの人が撮影に訪れる。その構内の片隅にオハフ33形客車が展示してある。満開のときには、この古い客車を取り囲むように桜が咲き誇る。

案内板の解説によれば、製造は昭和22年。旧国鉄で使用したのち昭和59年に樽見鉄道が発足するときに3両が国鉄から移籍したうちの1つだという。樽見鉄道時代の番号はオハフ502。平成2年に老朽化のため廃車、以後ずっとここに展示されている。現在の塗色は製造当時の色に復元したもので赤い帯に棒3本の3等車表記が古めかしい。

遠目に見れば、駅のホームに客車が停車しているようにも見え、しばし懐かしい情景を夢想することができる。雨ざらしのため車体が非常に痛んでおり、いずれ解体されるのではないかと心配している。

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CANON EOS 5DMkⅡ, EF 70-200/4L, FUJI X-E1 Fujinon XF18-55/2.8-4     VOL.962

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2017年3月24日 (金)

トラムの走る町 19 バルセロナ スペイン   服部一人

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バルセロナのトラムはほとんどが今世紀になってから開業した新しいものだ。いまどきの低床連接車が静かに走っている。そんな中で旧来から残っている路線はたったひとつしかない。路線長はわずか1.3キロしかなく、二軸単車が短い区間を往復している。

起点はAvinguda Tibidaboというところで、ここを出発すると少し並木道を走ったあとは曲がりくねった上り坂を走り、バルセロナの町が一望できる展望台のTibidabo山まで登っていく。その姿は町のトラムというよりも登山鉄道と言った方がふさわしいようなふんいきだ。

短い区間で乗車時間もわずか6、7分といったところだが、小さな単車がゆっくりと急勾配を登っていくようすは可愛らしくもあり、また力強いものでした。

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地下のAvinguda Tibidabo駅を出ると目の前にあらわれるのはこんな光景。季節がよければ街路樹が緑の葉をつけ、さぞ気持ちいいことだろう。

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起点を出発するとしばらくは直線でこの街路樹の通りを走る。電車は上り下りともゆっくりと走るので後ろには車の行列ができる。

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並木道が終わるとカーブと急勾配が始まり、あとはひたすら頂上目指して登るのみ。

_2017_02_26_041背景に見えるお城のような建物が終点。わずか1.3キロでせっせと登ります。

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こちらが終点のTibidaboの展望台。右側にはケーブルカーがあり、乗り換えてさらに山頂まで行けます。

アクセスとガイド
起点のAvinguda Tibidaboまでは、バルセロナの繁華街Placa de Catalunya(カタルーニャ広場)からカタルーニャ鉄道(FGC)のL7番に乗ります。駅は広場の地下にあります。L7番系統は全線地下鉄で終点がAvinguda Tibidaboです。乗車時間は15分程度です。終点でおりて地上に出ると、目の前に並木道があり、その道路の端っこに停留所が見えます。すぐにわかります。運転日には停留所に係員がいて、乗車前にこちらから切符を買います。

運転は夏のハイシーズンは毎日ですが、それ以外の季節はおもに週末や祝日のみの運行です。運賃は距離の割にはけっこう高くて片道5.5ユーロもします。まぁ、これは通常の公共交通機関というよりは行楽地への観光鉄道と考えた方がいいのでしょうね。おすすめは登りの往路だけ乗車して、帰路は坂道をのんびり歩いて下りながら撮影するというものです。

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車両は1種類で常時2両が行ったり来たりしています。

FUJI X-T2 FUJINON XF35/2  XF10-24/4  CANON EOS5DⅡ EF70-200/4L         VOL.958

2017年3月12日 (日)

レトロの味わい 大井川鐵道(下)   服部一人

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千頭に到着し、この小さな車両群を見ると森林鉄道の駅構内にやって来た気分になる。

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川根両国の車庫にはちょうどDD107がとまっていた。

千頭から先は、ご存じのように森林鉄道ふうのふんいきだ。こちらは車両限界が小さく、ゲージこそ1067ミリだが車両はナローゲージそのものである。

せっかく乗るならいちばん先頭、運転席のすぐ後ろが特等席だ。前面展望は運転手の気分。乗車していると車内の狭さや天井の低さが意外に心地よい。カーブが多くレールと車輪のきしむ音がひっきりなしに聞こえる。

2年半前の集中豪雨で接岨峡温泉より先、終点井川までは長らく不通だったが、このたびめでたく復旧して3月11日の始発から全線開通している。いちど井川まで森林鉄道に乗って行ってみませんか。

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奥泉に到着する列車。奥泉駅では井川方面の列車が出発する際、こんな看板を持って見送ってくれます。

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おなじみ奥大井湖上の鉄橋。あざやかな水の色でした。

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こちらもおなじみアブト区間。つい窓を開けて見てしまいます。

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接岨峡温泉駅。冬で山肌に色はないけど、赤い実が車両の赤とマッチして印象的でした。

FUJI X-T2 Fujinon XF18-55/2.8-4                                VOL.954

2017年2月27日 (月)

レトロの味わい 大井川鐵道(上)   服部一人

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千頭駅構内は見どころ多く、飽きることがない。SL列車は到着後、簡単な入れ替えをしてから転車台へと向かう。この日は気温が低く煙も蒸気も盛大で迫力ありました。

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大井川鐵道のいいところは客車もSL同様、古いものを大切に使っているところだ。この椅子に腰掛け適度な揺れに身をまかせていると、つい、うとうとと眠くなる。

久しぶりに冬の大井川鐵道に行って来た。
一年中、いつ行っても蒸気機関車が見られるというのは本当にありがたいことだ。2日間有効のフリー切符を買って撮影だけでなく、SL急行「かわね路」号にも乗ってきた。初日はC56、2日目はC10と2種類の汽車にお目にかかれたのもうれしかった。乗ってよし、撮ってよし、大井川鐵道、大いに楽しめるところです。


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大井川鐵道には貴重な古い車両がいっぱい。汽車もいいけど古い電車や客車列車も味があります。

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新金谷の構内はいろんな車両が見られて楽しい。JRの金谷で乗り換えてひと駅、いつもここに来るとレトロなふんいき満点で気分も盛り上がる。

FUJI X-T2 Fujinon XF18-55/2.8-4                                VOL.950

次回は千頭から先、井川線を紹介します。

2017年2月15日 (水)

ウィーンのインダストリアルナロー博物館(下)   服部一人

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このシュヴェヒャート鉄道博物館はナローのほかにも標準軌の展示もあります。屋内には整備された車両。屋外にはこれからレストアを待つ車両が置いてあります。機関車、客車、貨車と雑多な車両が保存されていますが、その多くが小型車両です。ウィーン近郊で博物館の土地が狭いという理由もあるでしょうが、僕には、これはオーナーの趣味だという気がしました。

この手のフェルトバーン博物館はどこもそうですが、ボランティアの方々があちこちで働いています。車庫の中で車両のレストアをコツコツとしている人、売店でキップやおみやげを売っている人、展示車両の前で説明する人、遊覧列車のDLを運転する人。そうした雰囲気が愛好家のグループのクラブ活動のようで、実に好ましい感じなのです。展示場は彼らのクラブハウスであり、構内はグラウンドです。日本にもこういう保存鉄道がもっと多くできたらいいのに、と思います。

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構内の線路を利用してかわいいDLの遊覧列車が走ります。客車はここで製作したもののようです。

CANON EOS60D, EF17-40/4L                                                                    VOL.956

2017年2月 3日 (金)

ウィーンのインダストリアルナロー博物館(上)   服部一人

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ウィーン空港に降りたことがある鉄道ファンの方なら、空港から市内に向かう電車に乗ると空港を出てしばらく行った右手の方、線路脇に本線とは明らかに違う、なにやら非常に怪しげなナローゲージと思われる車両群が見えていろめきたった人もいると思います。

僕もこれが視界に入った時には何ごとかと思い、放っておけない気持ちになったのですが、なにぶん大きな旅行荷物を抱えた身なのでまずは市内のホテルに荷を降ろし、後日いざ探検に出かけることにしてみました。場所はウィーン郊外。市内からだとSバーンの7系統、空港方面行きに乗って30分足らず。SCHWECHAT(シュヴェヒャート)駅のすぐ横にあります。駅で降りたら線路の下の道路を通って改札口と反対側へ。すぐに小さなMUSEUM という看板があります。開館日は、僕が訪ねた2015年は5月1日から10月26日まで。冬期は閉館です。開館時間は水曜日から土曜日までが14時~18時、日曜日が10時~17時までとなっています。月曜日、火曜日はお休みです。

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ここはどうも私立の博物館のようで「EISENBAHNMUSEUM am Bahnhof SCHWECHAT」(シュヴェヒャート駅の鉄道博物館)と書いてあります。入場料は8ユーロ。窓口のおじさまは初老の男性で、ほかにもNPOの趣味団体のメンバーのような方が働いていらっしゃいました。古い車庫を改修した屋内展示と構内を利用した屋外展示があります。

いろいろ見ていくと、ここは標準軌の車両もありますが、オーナーの趣味か小さなインダストリアルナローの機関車が非常に多いことに気がつきます。まさに僕のツボにぴったり。構内には600ミリのレールが敷かれ、多くの産業用車両が置いてあります。ただその多くは保存というよりは「放置」という感じで、構内至る所に錆びた車両がころがっています。とりあえず廃車になった車両を運んできて、こつこつと順番にレストアしていく素材のようです。

その適度な「荒れ具合」がまた実に侘び寂び度が高くて、ますます僕のツボにはまりました。そこらへんの草むらに投げ捨ててあるナベトロなんかを見ていると、博物館の展示というより、実際のフェルトバーン(トロッコ 軽便鉄道)の現場に来たような気分で、なかなか臨場感のある味わい深い景色です。さほどの期待はしていなかったのですが、僕にとってけっこう楽しめる博物館でした。次回は標準軌の展示をご紹介します。

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CANON EOS60D, EF17-40/4L                                                                   VOL.942


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